聖ロクス:「サン・ロシ」と「サン・ロケ」二人は何者?


(2015-1-21)

モン・ボネの「聖ロシ礼拝堂」 Haute LoireとLozere県境「聖ロシの泉」のある「聖ロシ礼拝堂」

サン・ロシとは誰か?
 ル・ピュイの道を歩いているとSaint-Roch(聖ロシ)によく出会った。最初は2012年ル・ピュイから歩き出して1日目、モン・ボネの手前にChapelle Saint-Roch(聖ロッシ礼拝堂)がある。2日目、ル サヴァージュのジットが満員で断られ、山の上に避難小屋があるから、そこに行けと言われた。雨の夕暮れの中、1時間以上峠を上り詰め、やっと落ち着いたのが石作りの避難小屋、Chapelle Saint-Roch(聖ロッシ礼拝堂)であった。「サン・ロシの泉」として古来より知られた巡礼救護地であり、自分にとっても、雨の一夜に野宿を避け得た感謝すべき地である。
 次はコンクの谷から登ってノーリアック村の先にChapelle Saint-Rochがあった。その日ドカズビルの町に下りて、町の出口が分からず迷いながら登った部落に小さな礼拝堂があったが、その地名がSaint-Rochであった。この村は印象の深い村となった。まずは大きな黒犬から吼えかけられたこと、第一世界大戦でのこの村の戦没者の慰霊搭が大切に管理されているのに、礼拝堂の斜め向いの空き地には、キリスト像が雨ざらしになっており、まさに受難は現代まで続いていると感じ入ったりしたからである。聖堂でいただいたスタンプが、巡礼姿のヤコブに似ているのも気になった。
 その後、あまり出会わなかったので、その地方ローカルの聖人なんだろうと理解した。

  
サン・ロシ村の礼拝堂にて


サン・ロケとは誰か?
 今度はスペインで2014年フランス人の道を歩いたときの話。最後の難所セブレイロ峠を越えて、これで下りだけと安心したところで、また登りがあって、登ったところがサン・ロケ峠(標高1270m)。この峠は「風に向かって吹き飛ばされそうな帽子を押さえて進む巡礼」の大きな彫像があるので有名。この彫像を見るのを楽しみにしていたが、その像がサン・ロケ峠にあったというのは現地で初めて気がついた。
 中谷本に見つけた説明がサン・ロケに関する唯一の情報。「
聖ロクス。ヤコブと同じように巡礼姿なので間違われやすいが、ロクスは、ペストに罹った足の傷を見せている。ペスト患者の世話をして、自らも病気になってしまった。病人には人々は冷たかったが、犬が毎日パンを持って来てくれ、家に着く頃には病気も治った。彫像にはパンをくわえる犬も一緒に彫られていることが多い。…」とある。

 

サン・ロケとサン・ロシは同一人物ではないか?
 以上、発音の感じから、サン・ロケとサン・ロシは同一人物ではないかと思ったが、確証が得られままこの話題へ関心を失っていた。ところが「トゥールの道」のスタート点であるパリの「サン・ジャックの塔」へ、ロワッシー・バスの降り場であるオペラから、どうやって歩こうかとグーグル・マップを丹念に眺めていたら、オペラ座通りを南に進んで、地下鉄ピラミッド駅の傍、西側に「サン・ロシ教会」があることを発見、昨晩のことである。便利なグーグルは、その地名をクリックすると関連画像が出てくる。そのなかに発見したのが、左下の写真。ひょうたんをぶら下げた巡礼姿で、左太ももを見せて、足元の犬が何かをくわえている。
 これで疑問は氷解した。右下の写真、私がレディシージャ・デル・カミーノ村のサンタ・マリア・デ・ラ・カジョ教会で撮影した写真と比較してみよう。そのとき私はヤコブ像だと思って撮影したのだが、パリのサン・ロシとまったく同じだ。こちらの方がリアルで、太ももの傷も跡はっきりしていて、犬のくわえているのもパンだと分かる。二人とも聖ロクスであった。
 スペインとフランスで、別に呼ばれる二人は「聖ロクス」であった。今、ウィキペディアで調べれば、ちゃんと出ている。「
…聖ロクス (ラテン語:Rochus、イタリア語:Rocco、フランス語:Roch、スペイン語及びポルトガル語:Roque、1295年 - 1327年8月16日)は、カトリック教会の聖人。ペスト(黒死病)に対する守護聖人とされたことから、古くからヨーロッパで崇敬の対象となってきた。絵画や肖像では、裂傷を負った脚を見せて立ち、傍らにはパンをくわえたイヌが描かれている。…」とあった。
 こういう話は分かってみると、つい人に言いたくなる。ということでアップさせていただいた。

 
左側の写真は、グーグル・マップからの借用であるが、近々に自分で撮影してくるまで、
いましばらくの掲載を許容願いたい。この写真をアップされた方に感謝します。





サンチャゴ巡礼