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Fellowship on"the CAMINO"
「トゥールの道・パリの出発点」

Written on Apr-18, 2015

 
サン・ジャックの搭と最初のGRマーク

■ 半年前であれば、オルネーのサン・ピエール教会を訪ねたいというのは、単なる夢に過ぎなかった。むしろ、昨年5月にパリの建築・文化財博物館でサン・ピエールの複製注型の扉口を見るだけでも満足していた。だから、「トゥールの道:952.5km/38エタップ」のリストを作ったりしていても、それを実行するという話ではなかった。それが、昨年末に「カミーノ・デ・サンティアゴ友の会」の相談デスクを訪ねて、このトゥールの道を歩かれた方の経験談を聞いてから、一気に本気モードに突入、それから4ケ月、出発まで、残すところ4日となった。今回はパリ郊外のエタンプから歩き始め、ボルドーまで24日間歩く予定だが、考えてみたら、もう旅は始まっていた。

■11世紀の巡礼最盛期、パリを通ってサンティアゴを目指す巡礼は、多くフランドルや北フランスからの人々であって、たぶんエミリー・ピコーの表した「巡礼案内記」を携えて、まずはパリの北の入口であるサン・ドニ教会に詣でただろう。サン・ドニはメロビング朝時代からフランス国王の墓所であり、初期ゴシックの傑作とされる現在見られる構造は13世紀に建設されたものだから、巡礼達はもっと小さな教会を見たはずだ。それからサン・ドニ通りを歩いて、パリ中心部に入り、現在はサン・ジャックの搭が立っている場所にあった聖ヤコブにゆかりのサン・ジャック・ラ・ブシュリュー教会に詣でる。この教会が「トゥールの道」パリの出発地であった。
 ノートルダム大聖堂は1163年に着工し、1345年に竣工しているので、11世紀の巡礼達は、まだこの壮麗なるノートルダム大聖堂は目にすることがなかった。しかし、市民の憩いの場となっている現在のトゥール・サン・ジャック公園では、巡礼スタートの最初のスタンプをクレデンシャルに押していただくことはできない。だからノートルダムに参って、ここで最初のスタンプをいただくのが妥当だろう。
 
■2013年5月ル・ピュイの道の帰りに、サン・ジャックの搭から歩き始めて、パリの南の出口であるオルレアン門まで、短時間の巡礼気分を味わった。今にして思えば、これが私の「トゥールの道」のスタートだった。トゥール・サン・ジャック公園を出て最初の道路を渡るとき、その信号にGRの白赤マークを見つけた。確かに、これが巡礼道なのだ。ノートルダムを横目に、セーヌ川を渡ると、南に伸びる道は「サン・ジャック通り」で、ここでもGRマークを発見。
 往時、巡礼達はサン・ジャック通りを進んで、蛮族の侵入からパリを守ったジュヌヴィエーヴの名を残す サン・ジュヌヴィエーヴの丘に登り、ここにあったパリ城壁のサン・ジャックの門を出ていったとされる。サン・ジュヌヴィエーヴの丘とは、パンテオンの裏手にあるサンテティエンヌ・デュ・モン教会の辺りだから、当時のパリはずいぶんと小さかった。現代の巡礼はその名のみ残るオルレアン門からパリを出て行く。


サンテティエンヌ・デュ・モン教会


リュクサンブール公園のサン・ジュヌヴィエーヴの像(Sainte Genevieve : Patronne de Paris : 425-512)
■さて肝心なGR番号である。ル・ピュイの道はGR65として、全ルートに渡って道標が整備されている。これと同じように「トゥールの道」でも赤白マークが整備されていれば安心なのだが…。ガイド本には「Deux principaux sentiers de Grande Randonée empruntent cet itinéraire Compostellan,il s`agit du GR3 et du GR655.(コンポステーラへのグラン・ランドネはGR3とGR655が2つの主要な道である。)」という記述を見つけた。
 GR番号はFFRP( Fédération Française de la Randonnée Pédestre )によって、フランスを中心として設けられたフット・パスの番号である。ウィキペディアを調べるとGR3はロワール源流からル・ピュイ→ヌベール→オルレアン→アンボワーズ→トゥール→ナント→ロワール河口、GR655はベルギー国境近くのサン=スプレが出発地となっていて、コンピエーニ→モンモランシー→パリ→ランブイエ→シャルトル→トゥール→ポアティエ→サント→ミランボーで終っている。
 だからオルレアンからミランボーまでは、GRマークが付けられている可能性は高い。パリのサン・ジャックの塔の近くで見つけたGRマークはGR655のものであろうが、このルートはパレゾーの手前でシャルトルの方に曲がっていき、再びオルレアンで合流するので、その間にはGRマークはないことになる。
■パレゾーからオルレアンまでは、GRマークはないことを前提に歩く必要がある。ということで、グーグルのストリート・ビューでエタンプからアルトネまで時間をかけてたどって見た。丹念にチェックしたつもりだが、それらしい道標は発見できなかった。ただし、それぞれの村々への案内はあるので、これをたどっていくしかない。となると、グーグル・マップは必需品。とは言え郊外の畑の真ん中に電波が届くかは疑問。マップをダウンロードして、オフラインで見られるようにする必要がある。これから一仕事だ。


1日目歩行


Fellowship on"the CAMINO"
第6回巡礼