利き手の検査方法とデータ
2002-9-2作成開始
 その人が「右利き」であるか「左利き」であるのか、また両方の手が同じくらい自由に使いこなせる人かということを調べるのは思ったほど簡単ではない。生まれつき「左利き」でも「右利き」になろうと努めた場合、ちょっと見ただけでは判定がつけにくい。
 このような原因から、「左利き」を統計的に調べる場合の数字もマチマチになることが多かった。つまり正確な左利き人口を調査することはなかなか困難なのである。
                                           (箱崎総一「左利きの世界」読売新聞社,P.212 より)
■D・Q検査法■(アイオワ大学W.ジョンソン)
 鉛筆はどちらの手で使うか、ボールを投げるときはどちらの手を用いるかなどの質問をたくさん組み合わせた「利き手質問表」 (handusage questionaire) から得られる「左利き指数」 (D・Q : dextrality quotient)。D・Q=1.00は完全右利き、D・Q=0.00は完全左利き。 この検査方法では、どこまでが生来もっていた「左利き」の要素によるものか、訓練の結果なのかはぜんぜん区別がつかない。
                                     (箱崎総一「左利きの世界」読売新聞社,P.212(1968) より)

■臨界角度板テスト■(V.ライバー)
 ヒンジで接合された2枚の板を目の前のテーブルに、上方から見てV字型になるように立て、その板の両側で、両手で同時に同じ文字を書く。このV字の内角が180度から初めて、徐々に角度を小さくしていくと、ある角度から、非利き手側が鏡文字を書く。この角度を臨界角と呼び、角度が大きいほど特定の側の利きが強いと考えた。このテストは今はあまり行われていない。
(Van Riper.C.: The quantitative measurement of laterality.J.exper.psychol, 18,1935,327-382)
                                           (箱崎総一「左利きの世界」読売新聞社,P.217(1968) より)

■アネットの利き手質問紙■(M.アネット)(1967)
    1)手紙を書く     2)ボールを投げる    3)ラケットをもつ    4)マッチを擦る
    5)ハサミ       6)針に糸を通す      7)ほうき         8)シャベル
    9)カードを配る   10)ハンマー       11)歯をみがく     12)びんのふたを抜く
                                           (J.ヘロン「左きき学」西村書店,P.282(1983) より)
アネットの質問紙を用いたメーベルトとミシェルの調査。(対象は大学教養学科の学生101人、芸術大学の学生103人)
右手を使う人数
芸術家群 非芸術家群
手紙を書く 72人 91人
ボールを投げる  69人 93人
ラケットをもつ 73人 92人
マッチを擦る 66人 85人
ハサミ 85人 88人
針に糸を通す 61人 80人
ほうき 35人 58人
シャベル 46人 76人
カードを配る  71人 87人
ハンマー 72人 89人
歯をみがく 71人 80人
びんのふたを抜く 48人 65人
単純平均 64.1人 82人
非右利き比率 36.6% 19.6%
(注:実際の検定計算はもっと厳密。単純平均以下はピンぼけが算出した。)
本調査の結果は、芸術家群の左利き比率が、非芸術家群のそれより高いという
有意差のあるデータを示している。


                                          (J.ヘロン「左きき学」西村書店,P.282(1983) より)
アネットの質問紙から9)〜12)を除いた豊倉康夫の調査。(対象は日本人5688人)
右利き 左利き 左右利き 非右利き比率
手紙を書く 5485人 149人 40人 2.6% 5634人
ボールを投げる  5194人 453人 25人 8.4% 5672人
ラケットをもつ 5067人 403人 91人 8.9% 5561人
マッチを擦る 5024人 432人 99人 9.7% 5555人
ハサミ 5251人 373人 55人 7.5% 5679人
針に糸を通す 4828人 544人 167人 12.8% 5539人
ほうき 3392人 1652人 579人 39.7% 5624人
シャベル 3997人 1188人 425人 29.9% 5630人
総  計 4957人 227人 504人 5688人
(注:総計の計算法が分からない、非右利き比率はピンぼけが算出した。)

                                      (久保田競「手と脳」紀伊国屋書店,(1982) P.134 より)

■側性指数(LQ)■(前原)(1984)
<質問表(表1−A)>年齢、性別、所属
利き手についての質問です。答えは(   )の中の答を○で囲むか、例にならって書入してください。
  1,あなたの利き手はどちらですか。 (右手、左手、どちらも同じように使える)
  2,家族や親戚に左手利きの人がいますか。 (いる、いない)
  3.いる場合、それはだれですか。(例:父方のいとこ) 答(           )
  4.以前は左投であったが、ある時期から右投にかわった、というように使い手が変わったことがありますか。 (ある、ない)
  5.”ある”場合は以下の質問に答えて下さい。
      a) 何をする時の使い手がかわりましたか。(例:箸を使う、字を書く)  答(   ,   ,    )
      b) どのようにしてかわりましたか。 (矯正して,自然に)
      c) 何歳ごろにかわりましたか。   (    歳)
次の表は利き手についての質問です。いつも使う手はどちらですか。右手、左手、両手いずれかに○印を記入して下さい。
   1)文字を書く     2)ハシをつかう    3)絵をかく        4)ボールを投げる  5)ハサミをつかう
   6)歯ブラシをつかう 7)スプーンをつかう  8)短いホーキをつかう 9)マッチをする    10)ビンのフタをひねる手

               ただし LQ=100×(右手項目数−左手項目数)/(右手項目数+左手項目数+両手項目数)とする。
                すなわちLQ=+100は完全右利き、LQ=-100は完全左利きである。

<質問表(表1−B)>
次の表は利き足についての質問です。右足、左足、両足いずれかに○印を記入して下さい。
   1)ボールをける   2)幅とびの踏切り足   3)(小さい物をつまむ)
次の表は利き目についての質問です。右眼、左眼、両眼いずれかに○印を記入して下さい。
   1)ビンの中をのぞく   2)両手でつくったすきまから遠くを見る
●その他にも利き手でない方の手を使う場合があったら記入して下さい。
     (例:トランプをきる、クシでとかす) (                   )
●下の図(省略)の四角のわくからはみ出さぬように線を書き入れて下さい。
 *印から書きはじめて下さい。ペンは紙からはなさず一筆がきで書いてください。どちら向きに回ったか矢印を付けて下さい。

<質問表(表1−C)>
●「今日は良い天気です」と左右の手で別々に書いて下さい。
  右手(                )    左手(                   )
●ペンの持ち方はどれですか、下の図(省略)の中のあてはまるものに○印を付けて下さい。
    左手(鉤型)、 左手(通常)、  右手(通常)、  右手(鉤型)

          (前原勝矢.他「健康成人の利き手(第1報)」順天堂大学保険体育紀要 第27号,P.112-118(1984) より)

(続く)予定



【左右の理屈】