元祖左利きカメラ       2000-5-29 


■ エキザクタ(EXAKTA)は左利きカメラの元祖である以上に、35mm一眼レフの元祖として知られている。ドレスデンのイハゲー社(Jhagee Dresden)が1936年に発売したキネ・エキザクタである。上の写真は、そのエギザクタが1967年自力設計で発売した最後のモデルVX500である。(ただしレンズはトプコンの25mm)

■ 誤解のないようにしなければならないが、エキザクタは決して左利き用のカメラとして出現した訳ではない。今となってはその意図は明確ではないが、シャッタと、フィルム巻き上げ、さらにシャッター速度ダイアルの操作が左手で行うようになっているだけのことである。かならずしも左手でシャッターを切ることが左利きにとって有効であるかは保証されていない。カメラぶれは両手と顔面の3点支持によって防止されるが、負荷の大部分を受けるレンズ保持側を利き手で行った方がよいという意見もあり、その場合は右手でシャッターを押すカメラの方が左利きに取って良いということになる。

■ エキザクタが、左利きに人気があったという記録は知らない。それでもエギザクタの左手操作は、エキザクタのトレード・マークになっていたので、イハゲー社が自力設計できなくなり、プラクチカにOEM供給を求めることになったとき、シャッターボタンだけは左に移動せざるを得なかった。左手でシャッターの押せないカメラなどエキザクタと言えないというところである。

■この最後のVX500は、エキザクタの中では、その個性を失った中途半端なモデルという評価が定着している。だから高輪のマックカメラで(研究用)7000円という価格が付いていた。しかし実体は研究の余地なく低速のシブサを除けば完全に動作したのである。エキザクタを実際の撮影に使うとすれば、人気のバレックスあたりより本モデルの方が安心して使える。 ただし本音を言うと、左手でフォーカシングするのに慣れてしまっているので、左手シャッターは使いにくい。

■ 左手カメラとして必要な要件は左手だけでフィルム装填ができて、左手だけでフィルム一本撮りきることができることである。その意味で片手で持つことのできないエキザクタは左手カメラとよぶことはできないかもしれない。



【左右の理屈】