カメラヘリコイドの回転方向         2000-5-13


■カメラのピント合わせのためにレンズをフィルム面に対して前後移動させるのがヘリコイドと呼ばれるラセン機構である。鏡胴の回転をレンズの前後直線移動に変換するメカニズムである。このヘリコイドの回転方向に歴史的混乱があることはあまり知られていない。

■たとえばピントを遠距離に合わせようとするときに、どちらに回せばいいのだろうか。上の写真のように、左のCanon-Pは右回りであるのに、Nikon-Fは左回りである。カメラを使い分ける場合は結構、操作上の混乱になりそうである。レンジファインダーにおける二重像合致像の移動方向も、同じように違う。メーカによってこの回転方向は統一されていて、知る限りで、左回りはニコンだけで、他のメーカはキャノン以下、右回りである。バルナックのライカが右回りで、キュッペンベンダーのコンタクスが左回りであることから、この混乱が起こってしまった。キュッペンベンダーが何を考えたのかは興味深い。コンタックスをコピーしたのはニコンだけで、他の日本メーカはライカに追随したということになる。

■ この違いは右手利きにも左手利きにも同等の混乱を招くはずだが、以外にも大きなクレームになっていない。実際に操作するときには、遠距離側にヘリコイドを回そうとか、近距離側に回そうというような意志は必要ない。二重像のズレの量を減らすようにヘリコイドを回しているようである。ただしこんな話もオートフォーカスが全盛となってヘリコイトがなくなってしまうと、昔話しだ。



【左右の理屈】