左手用のリコーダー             2000-9-18 


■9月13日にビッグクサイトで開催されている「国際福祉機器展」を見学してきた。仕事の一環であるが、福祉機器が左利きにどのように対応しているかという観点でも見てみた。各出展社ともに左利きを「福祉」の対象としては捕らえているとは感じられない。こう書くと、「俺達は障害者じゃないから当り前だ」と言われそうだが、その意識そのものが障害者を特別のものとして分類しようとするものと批判を受けることになる。言葉は難しい。私自身は「福祉とは多数者に属さない人あるいは平均値から離れた人に対して社会システムとして対応すること」と理解しているのだが、これはこれで批判を受けるだろう。問題は常に個別であるということが、問題への設計的対応を困難にしている。

■何か新たな左手グッズは無いかと歩き回った。共用品(ユニバーサル・デザイン)普及コーナに、ありふれた左右共用品が展示されていただけであった。収穫なしと諦めていたところ、意外なところで小さな発見をした。それがYAMAHAのリコーダーである。車椅子、ベッドや入浴装置の中にリコーダーが展示されているのは実に新鮮であった。何故リコーダが福祉機器なんだろう。それは片手で演奏できるリコーダーだった。右手用だけでなく左手用も用意されていた。

■一般に楽器は両手操作を前提としていて、片手で操作できるメロディー楽器はハーモニカ程度しか思い浮かばない。ピアノは片手で演奏できるが、片手用の楽曲はない。ラベルの「左手のための協奏曲」は哲学者ウィトゲンシュタインのピアノ好きの兄が戦争で右手が不自由となったために依頼を受けて作曲されたものである。片方の手が不自由な人のための制約のない楽器はない。

■ヤマハのこのリコーダーは、片手で一般のリコーダーと同じ8穴をコントロールできる。それを左手用、右手用の両方を標準品として、しかも価格を同一としているのが真面目でえらい。
      右手用ソプラノ YRS−900R 13,200円
      左手用ソプラノ YRS−900L 13,200円
下の写真はヤマハのカタログからコピーさせていただく。以上、知っている人は知っている話でした。右手は嫌いだという左手至上主義者にもお勧めしたい商品です。




【左右の理屈】