左利きが引くハッチング           2000-10-8 


■ハッチングというのは設計製図で、主として部品の断面を表現する場合にその面に斜めの平行線を引いて示すものである。手書きの図面を見ると、このハッチングの向きで、書いた人間が左利きか右利きか分かってしまう。はずである

■分かってしまうとは断言はできないし、実際に当てる場面があった訳ではないが、このような仮説を持っているのである。それはJISハンドブックの製図編で使用されている断面ハッチングは右上から左下に引いたものが多いことに気がついたからである。実験的に手書きしてみると、左利きである自分は広い範囲であれば左上から右下に斜め線を引く。だから上のような理屈を立ててみたのである。

■現代のCAD(コンピュータによる作図システム)では、図面からそのようなことを読み取ることは不可能となった。図面を引いた人間が左利きか右利きか知る必要はないという意見もあるが、人間工学の観点からはじつはきわめて重要な情報である。左利きの設計者は無意識に左手優位な設計をしていまい、これが右利き優位な設計をしなければならないすべての製品設計で問題となるからである。

■手書き図面が企業で復活することはないが、手書き図面では右利き左利きという瑣末なことではなく、設計者がどこで迷っているか、どこに自信がないか、書かれた線が物語ってくれる。これを単なるノスタルジーというか、まだコンピュータにはできないことがあると感じるかで、今後のCADシステムの進化の方向は変わる。



【左右の理屈】