質問/利き手に関する遺伝子の9組合せ2000-2-2 


■ロジャー・スペリーは1981年に分離脳の実験で左脳と右脳の機能分化と統合についての成果でノーベル医学・生理学賞を受賞した人なので、そんなにおかしいことを言うわけはないのだが、その著書「融合する心と脳」(誠信書房、1800円,昭和60年2刷)は不思議な本だ。副題を−科学と価値観の優先順位−として、価値観という言葉で、「心」を扱う。自分にとっては難解だが、慎重に宗教問題を避けながら、養老孟司の「唯脳論」のような心を脳の機能としてではなく、心が脳を制御するというメンタリストの立場を擁護する。 

■その中でも「利き手」に関して、理解できない記述がある。以下の文章における2遺伝子、4対立遺伝子によって9種の利き手に関する個人属性が得られるということについて質問させてください。この議論が近年の学会で扱われている状態、ばかげた空論として黙殺されているのか、まだそれなりの権威をもって継続研究されているのでしょうか。

■「…人の優位脳と利き手に関する最近の説は、二遺伝子、四対立遺伝子のモデルが示唆され ており、一つの遺伝子が発生途上の脳のどちらの半球が言語優位になるかを決定し、もう 一つの遺伝子が利き手は言語半球と同側になるか、反対側になるかを決定する劣性と優性 を数えあげると、人の利き手と半球優位に関して遺伝子型に九種類の異なる組み合わせが 生じる。その結果、左利きのなかにも訓練による矯正に対して抵抗の強いものと弱いもの がでてくる。…九つの遺伝因子型の組み合わせがあるということは、左右脳の心的因子の 釣り合いと負荷に違いがあることを表わすもので、そのこと自体のなかに人間の知能構造 に個性の生得性のスペクトルを持っているということになる。左利きの心的構成はIQや 他の検査プロフィルによると右利きとは統計的に異なる一群であることが示されている。 同様に男性と女性との違いが現れる。また母体内で男性化した、あるいは一個のX染色体 を欠いた女性と、正常な女性との違いも現れる。…」



【左右の理屈】