モーツァルトもベートーベンも左利き? 2000-5-18 


■最近、大好きなグレン・グールドが左利きであったことを発見して、気分よくしているのである。今もゴールドベルグ変奏曲を聴きながら書いている。やはり左利きの演奏だわいと思うのは相当に危ない。

■ ところでベートーベンは左利きらしいです。モーツァルトも左利きだと書いているサイトがあります。本当でしょうか。ここ数日音楽之友社から出ている二人の伝記小説を拾い読みしているがそのような記述を発見できません。二人が左利きだとすると、別に何の効用をもたらす訳ではありませんが、やはりうれしい。ついでにブラームスも、マーラーも左利きならもっとうれしい。

■ ベートーベンやモーツァルトが左利きであったかどうか分からないが、人間工学的観点からは、五線譜を左手で書写するのは相当に難しい。ただでさえ左手で書いたインク文字は、乾く前に全部手の腹でこすってしまうのに、多段の五線譜による作曲では、上の段や下の段を自在に移動しながら音符を記述していきますから、こすり痕のない楽譜を作ることは不可能に近い。

■ 二人の自筆楽譜の写真を見る限り、筆圧や書順は明らかに、右利きで書いていたと推定される。ペンを使って左手で実用的な速度で作曲できるかは質問したいところだ。これに答えられるのは坂本竜一氏なのだが…

■ もし左手で作曲すると、どのようなことが起こるだろうか。知られているように、左手は常に書いた部分を遮る。このことは逆に言うと、左手で書くということは、書いた部分を見るのではなく、これから書く部分を見ながら書くということである。結果ではなく、白紙の未来を見ながら書くのが左利きであると宣言すると少しカッコいいかもしれない。



【左右の理屈】