語彙の森DICTIONARY out of focus
更新日 2017-2-12 計28語
新着語
ノーツ・アンド・クィアリーズ、ノルマントン号の難破、能力の不在証明、ノルマリアン、野口英世、野宿、濃縮マスト、ノートルダム、ノワゼット香、ノー・トリミング、ノーマルクローズ、農地解放適用外の地、能力の孤島、濃淡電池式Oセンサ、脳化社会、


ノアの箱船(6)(10)
 長さ135m 幅23m 高さ13.5m の3層船。  

ノイエ・マイスター絵画館(180)  
 カスパール・ダヴィッド・フリードリッヒはドレスデンで活動した。だからフリードリ ッヒの絵を見るなら行かなければならない美術館。あの「山上の十字架」がある。

(147)  
 世阿弥によって確立した能は人間の劇と呼ぶことはできない。そこには人間は登場しな い。そこでは多く死者が主人公である。死者が主人公であるという劇は世界無比である。

脳化社会(219)p.121
 脳化社会とは、その社会が脳とくに大脳新皮質の性質を強く発現し、具体的にはもっぱら脳の産物によって構築される社会であり、江戸時代こそが脳化社会のはじまりであった。

脳死(161)  
 脳死状態は慢性化することは絶対にない。通常、脳機能の停止から1〜5日以内に心臓 の機能も停止する。脳死においては脳組織の代謝異常を招き、動脈血圧以上の頭蓋内圧亢 進が起こってくる。その結果、頭蓋内の血液循環が停止する。血液供給の途絶した脳の神 経細胞では、血球の浸潤や食作用なしに無菌的に細胞が自己融解を起こす。

濃縮マスト(358)
 私が非常に残念に思うのは、「国産ブランド」に使用される原料のトップが濃縮マストと呼ばれる、ジャム状の輸入濃縮果汁であることです。世界的に見ても、こんなものからワインを造っている国は他に見当たりません。1995年度に輸入された濃縮マストは700万リットルで、通常3−4倍に希釈してから醸造するため、「国産ブランド」出荷量の約36%にあたります。これら濃縮マストを輸入して国内で加水・発酵を行なったものは、「国内ワインメーカーの取り決め」により「国内産ワイン」として裏ラベルに表示されます。これら濃縮マストの主要な供給国はアルゼンチンです。

農地解放適用外の地(284)
 日本は敗戦によって農地解放がおこなわれ、農民は自己の耕作する土地を取得したが、南大東島は全島が大日本精糖の所有物で、サトウキビの栽培に従事する者は、いわば精糖工場の従業員で、実質的には農民でありながら土地を取得できず、旧来の「小作人」のままであった。農地解放の適用外の地だったのである。…それから13年かかって昭和39年、耕作地を無償で農民に譲渡することで決着した。

ノーヴァム・オルガヌム(71)  
 フランシス・ベーコンが1620年に刊行した[新機関]。そこで古代ギリシャの世界 観を否定し、[口数ばかり多くて中身は空っぽだ。無駄な言葉ばかり吐いて何物も生み出 さない]とまで書く。科学的方法論と客観的知識によって人間が進歩すると説く。

濃淡電池式Oセンサ(247)
 ジルコニア固体電解質をコップ状に成型し、この内面と外面に白金メッキしてそれぞれ電極とする。このコップ状の内側には外気を導入し、さらにヒータで300℃に加熱する。そしてコップの外面を自動車の排気ダクトにさらす。ジルコニア固体電解質は300℃以上で酸素イオン導電体として働き、内面と外面の酸素濃度差に応じた濃淡電池として起電力を発生する。これが排気ガス中の酸素濃度の測定原理である。

能動原理(210)
 万有引力の法則を発見したニュートン自身は、自然世界に神の存在は不可欠と見なしていた。というのは世界を構成する物質は生命をもたないからである。神の及ぼす力なしには物質の運動は減衰してしまう。ニュートンは万有引力を介して、神が物質に運動を与え続けていると解釈していた。この力をニュートンは能動原理と呼んだ。

能力の不在証明(462)
 南方は、註は用いなかったが、どんな小さなことを引照する時にも、また一般向けの読みものを書く場合でも、必ず、原典にあたってたしかめ、出所を本文中で明らかにしている。この厳密な出典明示は、南方の学問への態度を示すものとして重要である。一つには、かれが大英博物館で学究としての自己形成をしたということとむすびついている。
 もう一つは、かれ自身の独創性への自負とむすびついていると思う。情報および思想に名札をつけて、それを自分より先に、誰が発見し発表したかを明らかにすることによってはじめて、それらに触発され、またはそれらを駆使して、自分がどれだけ先に進み出ることができたかを示すことができる。他者の知識、思想を援用しながら、その出所典拠を示さないのは、自分の能力の不在証明である。自分の創造力へのなみなみならぬ自信があってこそ、出典の厳密性は、一層に高められる、とわたしは考える。出典記載目は、博識のひけらかしではないのである。

野口英世(407)
 ロックフェラー医学研究所の創設に貢献した著名な医学研究者にサイモン・フレクスナーがいた。フレクスナーは赤痢菌の単離に成功し、米国における近代基礎医学の父とされた人物である。彼は1899年、日本を訪れ、燃えるようなな野心を抱くこの若い日本人に会った。フレクスナーは社交辞令として、野口を大いに励まし支援を惜しまない旨を伝えた。帰国してしばらくすると野口が突然、押しかけるようにしてやってきた。
 ロックフェラーの創成期である20世紀初頭の23年間を過ごした野口英世は、今日、キャンパスではほとんどその名を記憶するものはない。彼の業績、すなわち梅毒、ポリオ、狂犬病、あるいは黄熱病の研究成果は当時こそ賞賛を受けたが、多くの結果は矛盾と混乱に滴ちたものだった。その後、間違いだったことが判明したものもある。彼はむしろヘビイ・ドリンカーおよびプレイボーイとして評判だった。


野宿(372)高群逸枝
 あゝ疲れた。遂々野宿と決定、少し上の草丘に上つてすぐに横になる。昏々とした深い眠りが毒液のやうに〜ふと物に怯えた様に飛び起きる。顔から手足に色々な虫が這ひ上がってゐて不快で堪らない。それに着物も髪も露でシトシトになつてゐる。月が寂しく風は哀しくーああ此身は此所に坐つてゐるのか。此月、此風、熊本やいかに。此れから何百里、かよはい私で出来る事であらうか。ああ泣いて行かう。いえ、花を摘んで歌つていかう。…足は痛いが立たねばならぬ。み仏よ助け給ひてよ。道は一すじ、…疲れは疲れを生み、目を上げるとまるで世界が黄色になつてグルく廻転してゐる様だ。

ノー・トリミング(313)
 またノー・トリミングの話と印画紙のフチ取りの話は、暗室作業の問題ではあるのだか、それ以上にある種の写真行為論というべきなのである。トリミングをしないこと、つまりカメラがとらえた世界をストレートに受容するということは、アンリ・カルティエ=ブレッソン以来よく言われてきたことである。イメージの周囲に、ネガキャリアを削り広げ黒いフチ取りをつくることによって、トリミングをしていないと証明することは、写真家が現実の光景との間でどのような関係を切り結んだかのストレートな表象であり、当時様々なアプローチで行われた「写真」への根源的な問いかけのかたちであったのだ。

■ノートルダム(338)
 Notre-Dame。私達の貴婦人を意味し、聖母マリアの尊称である。「彼が洗礼を受けた教会がノートル・ダム教会であったため、習慣に従って、教会名を苗字にいただいた模様です。この改宗について確認するために、ルイ12世陛下の発令された改宗ユダヤ人課税令にもとずく納税者名簿をひもときましたが、確かにノートルダム一族の名前が記帳されていました。」サン・レミ・ドゥ・プロヴァンス生まれの「諸世紀」著者ミシェル・ドゥ・ノストラダムスである。

ノーマルクローズ(299)
 エネルギー供給すると「ON」し、エネルギー供給を断つと「OFF」するように制御すること。すなわち電源「ON」したら、人間に対して危険側になり、電源「OFF」したら、安全側に動作するようにしておく。「ON」で待機し、「OFF」で動作(バネや重力になって)する構造は停電すると勝手に動作してしまうからである。

能力の孤島(252)
 サヴァン症候群に関して、ゲシュヴィントとガラパルダは、右脳型の特異才能はしばしば学習障害と結びついており、自閉症児の多くが「ひとつのことに異常に卓越している」と指摘している。また「読字障害者とその一族には、右脳の才能に恵まれた人が多い」とも述べている。…そうした能力の孤島を説明して、「優位性の病理」と呼んでいる。つまり、脳の一部分の発達が不完全であると、他の一部分が発達して優勢になるという。発達補償だというのである。

ノーゴー(159)  
 システムを破局への突入から救うのはまさに「ノーゴー」の決断である。ノーゴーの決 断はやさしいようで難しい。とりわけ国家的要請とか会社の要請、あるいは対外的なメン ツなどの事情がからむと、ひたすらゴーに走りがちである。そのようにしてチャレンジー 号は爆発した。

ノストラティック(105)
 ラテン語の(われわれの)からの造語で、インド−ヨーロッパ言語から北アジア の言語を結びつけた、それらの共通の先祖的言語。少数の学者が支持する言語の単一起源理論。

ノーツ・アンド・クィアリーズ(545)
 『ネイチャー』とともに南方の英文著作の発表の場となったものに、当時ロンドンで発行されていた『ノーツ・アンド・クィアリー(以下『N&Q』と表記)がある。これは1849年に発刊された学問的情報交換の場のような雑誌で、現在でも隔週刊で続いているものだが、南方が投稿していた時期には週刊で、ページ数から言ってもその最盛期にあったようである。
雑誌の全体は[Note](覚書)、[Queries](質問)、[Repilies」( 回答)の三部に分けられていて、…自由に議論が行われるしくみになっている。この形式は『N&Q』の成功以来かなり流行したようで…南方もまた、後に柳田園男の主宰する民俗学雑誌『郷土研究』に協力した時には、この『N&Q』に倣って読者投稿欄を充実させることになるのであった。
 ある意味でこうした雑多な興味の中心となっていたのが、[Folk-lore] という用語によって集められた俗信の数々であった。実は、民間伝承を扱う学問の総称として後に広く用いられるようになったこの[Folk-lore] という言葉は、『N&Q』誌の創刊者であるW・I・トムズその人によって考案されたものなのだ。


 ■ノメンクラトゥラ(91)  
 社会主義国家における特権階級。ノミネートされた人という意味。

ノーベル(141)
 平和会議への参加を求められたとき「私の工場のほうがあなたの会議より早く戦争を終わ らせるかもしれません。二つの軍隊が互いを1秒で破壊することができるようになったら あらゆる文明国は戦争を恐れて軍隊を解散させることでしょう。」といったが、この予言 は現在まで当たっていない。

ノーベル平和賞(186)  
 1939年ミュンヘン会議でチェコスロヴァキアを崩壊させた前後、ヨーロッパは戦争 が回避されたと思い込みヒトラーをノーベル平和賞に推す声がでた。

ノー・ラン(日経98-7-12)  
 ストッキングが伝染しないという意味。1938年デュポンが社内公募でナイロンと命 名する元となった。ナイロンの開発者のカローザスは、自分が発明したものがナイロンと 呼ばれることになる前に自殺。元々、繊維を作ることを目標にしていたのではなく、高分子の概念がない時代に、鎖のような長い1つの分子の存在を予測し、これを作る過程で、1930年の2週間の間に、合成ゴムと後にナイロンと呼ばれる繊維を開発した。

ノルマリアン(432)
 高等師範学校(エコール・ノルマール・シューペリュール)の学生のことを、通称ノルマリヤンという。…日本ではかつて高等師範学校があり、ここでも秀才たちをあつめたが、フランスの場合、似ていて別趣なものである。こんにちでも、フランスの知識人のなかでノルマリヤン出身でない人をさがすほうが困難らしい。…下宿の娘が、玄関まで飛び出してきて、さっきからノルマリヤンがあなたを訪ねてきて待っているから、早くお会いなさいと上気した顔で云う。この小さな情景で、街のひとびとがノルマリヤンに対してもっている気分がほぼ想像できる。

ノルマントン号の難破(502)
 1886年6月5日、イギリス貨物船ノルマントン号が紀州沖で難破、イギリス船員のみボートで脱出し、日本人乗客全員が水死。領事裁判権の規程によりイギリス領事が海事審判を行い、船長が無罪となる。

ノワゼット香(321)
 白ワインの熟成香。このドライ・シェリーのような香は、ヘーゼンナッツの皮をむく前のもので、蜂蜜が酸化したような香り。長い熟成を経たブルゴーニュの上質な白ワインなどにもこの香りがみられます。



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