ジョージ・P・スミスのプレ・ライカ            2000-9-9 


■35mmフィルムサイズのカメラの元祖はバルナックのライカである。1912年アメリカのジョージ・P・スミスは映画の1コマ(18×24mm)2ケ使うカメラを試作した。現在ではライカ版と呼ばれるフォーマットを世界で最初に用いたカメラである。そのころ各国で同じような試みがなされており、フランスでは35mmのステレオカメラも作られた。ライカのドイツでもミニグラフと呼ばれる24×24mmの35mmカメラが1915年に発売されている。このようなライカ発売以前の35mmカメラをプレ・ライカと呼ぶ。


ライカとその時代:酒井修一,朝日新聞社 (P.72)より

■ライカはそのような同様な技術的試行の中で製品設計的に成功したために、元祖と呼ばれることになった。以上のことはライカサイズがバルナックのオリジナリティではないことを示している。だからといって、バルナックの設計力を否定することにはならない。ライカの成功は杖意枚数を絞ることによるパッケージングの成功である。ふと思うのだが、カセット・テープレコーダがすでに存在する中で、機能を絞り込んだパッケージングで成功したソニーのウォークマンに似ている。

■ライカの成功によって、ライカ以降の35mmレンジファインダー・カメラは「ライカ・コピー」という言われ方をすることになる。レオタックスやニッカだけでなく、キャノンにせよ、そう呼ばれる。それは一人ライカのみが本物であり、他は模倣物に過ぎないとする。しかし技術者の立場から言えば、35mmというデファクト・スタンダードは土俵であって、ライカはその最初の勝者に過ぎない。それを打ち破ろうとする技術的努力を「コピー」と簡単に呼ばれては困る。



【カメラの触感】