木村伊兵衛写真賞の受賞者リスト年表
本リストは個人的関心から自分の記憶のために作成しており、授賞組織とは無関係です。

2001年8月15日作成
2002年5月18日追記(2001年度受賞者など)
2007年1月30日(最新受賞者など追記)


■<追補2007-1-30>昨日、新しい写真家たちの情報や写真をアサカメで見ていくうちに、何やらなかなか面白い人達が次々と出現しているようだ。しかし小さな紹介写真では良く分からないということで、『36フォトグラファーズ -木村伊兵衛写真賞の30年-』(朝日新聞社)2300円(2005)を入手したくなった。早速、ヤフオクをチェックしたが出品されていない。結局、「日本の古本屋」さんで見つけて、即注文。数日後には手元に届くだろう。そうすれば、参考作品のサムネイルをアップできそうだ。
 一言で言えば、「写真家は対象を見失った」。「写真家は自分にしか興味がない」。

■<追補2007-1-29>2001年の3人受賞の椿事以来、すっかり木村伊兵衛写真賞への関心を失ってしまった。ということで、リストのメンテナンスを怠っているが、たまに検索に引っかかったためか、当ページを訪問される方がいらっしゃる。それらの皆さんには、不十分な内容でガッカリさせていた。
 昨年末に、写友のBenさんが、いよいよ「アサヒカメラ」の置き場所がなくなり、処分されるという話しを聞き込んだ。そこで、4月号だけ、小生に譲ってくれるように依頼。4月号が、例年、木村伊兵衛賞の発表号であるからだ。検索に引っかかってしまうという責任もあり、また最近の写真家たちは一体何をしているのかという若干の関心から、リストを整備する気になったという次第。
 半年ほど前、名取洋之助の大規模な展覧会が川崎市民ミュージアムで開催され、そこで、「名取洋之助賞」という賞が新設されたことを知る。授賞作品2作の展覧会も行われていたが、名取の斬新なグラフィックを見た後では、どうにも印象が薄かった。また2005年には、同ミュージアムで以下の展覧会が開かれたことを知る。
時代を切り開くまなざし−木村伊兵衛写真賞の30年−1975-2005
http://home.catv.ne.jp/hh/kcm/exh/kimura30.htm
 同サイト情報によれば、『36フォトグラファーズ -木村伊兵衛写真賞の30年-』(朝日新聞社)2300円(2005)が発売されているとのこと、最新動向を知るには好適な書籍であろう。まだ入手していない。ヤフオクをチェックしなければなるまい。また、同ミュージアムは、1998年に、朝日新聞社より、木村伊兵衛賞受賞作家の作品の寄託を受け、木村伊兵衛写真賞コレクションとして、保管しているとのこと。すばらしい財産だ。


■写真をよく見ていた頃、ちょうど木村伊兵衛賞ができたりしたので、最近また写真を見ようかなと思うと、やはりその後の受賞者はどんな人たちなのか知りたくなる。WEBでは調べられなかったので「アサヒカメラ編集部編:木村伊兵衛写真賞の20年.モール(2800円)」の巻末のリストとWEBから受賞者リストを作ってみた。なお、同書は東京都写真美術館のショップで手に入るが、第20回の受賞者までの各8点の写真を見ることができ、年度を追うに従って、ついていけないなと自分の硬直化を実感するおもしろい本だ。


「アサヒカメラ編集部編
:木村伊兵衛写真賞の20年.モール(2800円)」
アサヒカメラ:36フォトグラファーズ・
木村伊兵衛写真賞の30年,(2005)

■写真界の芥川賞と言われるが、本家の芥川賞も地盤沈下というか、受賞することが事件でなくなって久しい。その意味で、この賞はやはり芥川賞なのかなと、昨晩からずっと、リストを打ち込みながら考えた。世代の影響力(あるいは価値観)はほぼ25年〜30年周期で変化していく。それは社会的に強い影響力をもった個人や組織の活動寿命が25年〜30年周期であるからであり、トインビーはそれを、戦争サイクルとして示した。会社の寿命30年説も同じ理屈だと思う。とすると木村伊兵衛の後発世代によって制定されたこの賞の影響力が26回目となって変化してくるのは当然のことだろう。篠山紀信賞とするのが実情を反映しているように思う。

■本リストでは、面倒ではあったが、受賞できなかったが最終選考に残った候補者もリストアップした。青色の名前は、その後、同賞を受賞した人。赤色は私から見て有名と思われるのに受賞していないということで意外に思った人たち。さらにこのような賞は誰が選んだかということが重要であり、選考者も上げてある。
 
■アマチュア写真愛好家は、プロの写真を見て、それに似た写真が取れることで、自分なりの満足感を得ている。だから近年の写真賞の傾向からは中高年は、どのような写真を撮っていいか戸惑うことになり、結局写真離れ、カメラあさりと向かっていくのだ。

■最後にもう一つ。木村伊兵衛写真集の写真もいいのだが、アサカメの月例にも、もっといい写真はいっぱいあって、特に組写真の部は、埋もれさせるのは惜しい。アサカメを全部めくるという訳にいかないので、数十年分を一まとめにして雑誌形式のまま出版してもらえないだろうか。見たい人は多いはず。何より、これから写真を目指す人にとって非常に参考になる。


1975年第1回 受賞者 北 井 一 夫 (きたい かずお) 1944生--
受賞作品 村へ
初出 アサヒカメラ連載
選考委員 伊奈信男、五木寛之、篠山紀信、渡辺勉、岡見璋
候補者 佐々木崑、中藤まつゑ、平地勲、馬渕直哉、
コメント


1976年第2回 受賞者 平良孝七 (たいら こうしち) 1939--1994没
受賞作品 パイヌカジ
初出 自費出版
選考委員 伊奈信男、大辻清司、安岡章太郎、渡辺勉、岡見璋
候補者 大谷英之、佐野聖光、土田ヒロミ山田修二
コメント パイヌカジは「南の風」である。名前は「考」か「孝」か、2種の表記が出回っている。

1977年第3回 受賞者 藤原新也 (ふじわら しんや) 1944生--
受賞作品 逍遥游記、西蔵放浪、七彩夢幻
初出 アサヒグラフ、朝日新聞、パルコ出版
選考委員 伊奈信男、大島渚、高梨豊、渡辺勉、岡井輝雄
候補者 井上光三郎、牛腸茂雄、雑賀雄二、
橋本照嵩、鷲尾倫夫、石川文洋
コメント

1978年第4回 石内 都 (いしうち みやこ) 1947生--
受賞作品 APARTMENT
初出 銀座ニコンサロン
選考委員 桑原甲子雄、吉行淳之介、渡辺勉、岡井輝雄
候補者 高橋昂、田原桂一、野町和嘉、橋本紘一、ワクヰ由多可
コメント


1979年第5回 受賞者 岩合光昭 (いわごう みつあき) 1950生--
受賞作品 海からの手紙
初出
コメント

受賞者 倉田精二 (くらた せいじ) 1945生--
受賞作品 ストリート・フォトランダム・東京75〜79
初出 銀座ニコンサロン
コメント
選考委員 石元泰博、大江健三郎、重森弘淹、渡辺義雄、岡井輝雄
候補者 嶋田忠、十文字美信土田ヒロミ、柳沢一郎、山田修二

1980年第6回 受賞者 江成常夫 (えなり つねお) 1936生--
受賞作品 花嫁のアメリカ
初出 アサヒカメラ連載
選考委員 石元泰博、井上ひさし、重森弘淹、渡辺義雄、岡井輝雄
候補者 秋山亮二、本橋成一、北島敬三、坂野正人、
天野明、久保田博二、
荒木経惟
コメント 2000年東京都写真美術館で、特別展を見た。アメリカに「渡った」女性たちの過去、現在を丹念に捕らえている。

1981年第7回 受賞者 渡辺兼人 (わたなべ かねと) 1947生--
受賞作品 既視の町
初出 銀座ニコンサロン
選考委員 安部公房、石元泰博、重森弘淹、渡辺義雄、岡井輝雄
候補者 大野芳野北島敬三、鷲尾倫夫
コメント 他の作品「倒錯都市」「類と類型」とか、作品名だけで写真の傾向が分かりそう。


1982年第8回 受賞者 北島敬三 (きたじま けいぞう) 1954生--
受賞作品 ニューヨーク
初出 ミノルタフォトスペース
選考委員 安部公房、石元泰博、重森弘淹、渡辺義雄、谷博
候補者 山崎博、田村彰英、須田一政
コメント

1983年第9回 受賞者 該当者なし
受賞作品 なし
なし 初出
選考委員 安部公房、石元泰博、重森弘淹、渡辺義雄、相沢敬三
候補者 須田一政桑原史成、英隆、野町和嘉、大野芳野
管洋志、
田原桂一、鈴木清、山崎博、田村彰英、本橋成一
コメント 錚々たる候補者たちだ。該当者なしと言うより、最近の事例と比較すると、高い水準で両すくみ状態になったのだろうかと感じる。

1984年第10回 受賞者 田原桂一 (たはら けいいち) 1951生--
受賞作品 TAHARA KEIICHI 1973-1983
初出
選考委員 大倉舜二、大辻清司、佐々木昆、渡辺義雄、相沢敬三
候補者 荒木経惟、小瀧達郎、津田一郎、和田久士
コメント 長くヨーロッパで活躍しており、シャトーペイシュヴァル財団招待作家というと、私にはワインの方が魅力的。





1985年第11回 受賞者 三好和義 (みよし かずよし) 1958生--
受賞作品 RAKUEN、惑星
初出
選考委員 大倉舜二、大辻清司、佐々木昆、渡辺義雄、藤田雄三
候補者 新正卓、竹内敏信、ノブオ中村、南川三治郎
コメント


1986年第12回 受賞者 和田久士 (わだ ひさし) 1947生--
受賞作品 アメリカン・ハウス
初出
選考委員 大倉舜二、大辻清司、佐々木昆、渡辺義雄、藤田雄三
候補者 市原基、小林のりお、高野潤、平地勲、
コメント 1978年に「全国私鉄ローカル線の旅」(共著)も出している。


1987年第13回 受賞者 中村征夫 1945生--
受賞作品 全・東京湾  海中顔面博覧会
初出
選考委員 大倉舜二、大辻清司、佐々木昆、渡辺義雄、藤田雄三
候補者 大田順一、大西みつぐ武田花
コメント 海中生物への関心が、その後、白保やガラパゴスに向かっていく。


1988年第14回 受賞者 宮本隆司 (みやもと りゅうじ) 1947生--
受賞作品 建築の黙示録
初出
選考委員 石元泰博、篠山紀信、長野重一、渡辺義雄、佐藤靖
候補者 中川道夫、橋口譲二
コメント 同じ年に「九竜城砦」を撮っている。


1989年第15回 受賞者 武田 花 (たけだ はな) 1951生--
受賞作品 眠そうな町
初出 ミノルタフォスペース
コメント 武田泰淳の娘という看板を背負った、元祖ねこ写真家。

受賞者 星野道夫 (ほしの みちお) 1952--1996没
受賞作品 Alaska
初出
コメント 星野は田中光常の助手から出発。私は星野さんのおかげで「極北の動物誌」という名著を知った。
選考委員 石元泰博、篠山紀信、長野重一、渡辺義雄、佐藤靖
候補者 瀬戸正人、三好耕三

1990年第16回 受賞者 今 道子 (こん みちこ) 1955生--
受賞作品 EAT
初出 コダックフォトサロン(1987)
選考委員 石元泰博、篠山紀信、長野重一、渡辺義雄、佐藤靖
候補者 長倉洋海、三好耕三
コメント


1991年第17回 受賞者 柴田敏雄 (しばた としお) 1949生--
受賞作品 日本典型
初出 ツァイトフォトサロン(1988)
選考委員 石元泰博、篠山紀信、長野重一、渡辺義雄、藤沢正実
候補者 今枝弘一、港千尋
コメント


1992年第18回 受賞者 大西みつぐ (おおにし みつぐ) 1952生--
受賞作品 周縁の町から
初出 新宿ニコンサロン
受賞者 小林のりお (こばやし のりお) 1952生--
受賞作品 FIRST LIGHT
初出
選考委員 篠山紀信、高梨豊、長野重一、奈良原一高、藤沢正美
候補者 児玉房子、鬼海弘雄
コメント

1993年第19回 受賞者 豊原康久 (とよはら やすひさ) 1957生--
受賞作品 Street
初出
選考委員 篠山紀信、高梨豊、長野重一、奈良原一高、藤沢正美
候補者 佐藤時啓、森村康昌
コメント


1994年第20回 受賞者 今森光彦 (いまもり みつひこ) 1954生--
受賞作品 世界昆虫記
初出
選考委員 高梨豊、長野重一、奈良原一高、藤原新也、山崎幸雄
候補者 高木由利子、長島有里枝畠山直哉、松江孝治
コメント






1995年第21回 受賞者 瀬戸正人 (せと まさと) 1953生--
受賞作品 Silent Mode, Living Room Tokyo
初出 川崎市民ミュージアム・東京都写真美術館
選考委員 高梨豊、長野重一、奈良原一高、藤原新也、山崎幸雄
候補者 金村修、百々新、畠山直哉松江泰治
コメント 「Silent Mode」はオートカメラのサイレントモードで、地下鉄の女性客を至近距離からノーファインダで撮影したもの。「Living Room Tokyo」は、雑多な雑魚寝部屋を撮っている。候補に残った百々新は20歳とのこと。注目。

1996年第22回 受賞者 畠山直哉 (はたけやま なおや) 1958生--
受賞作品 LIME WORK, 都市のマケット
初出 シナジー幾何学刊、ギャラリーNWハウス
選考委員 高梨豊、長野重一、奈良原一高、藤原新也、山崎幸雄
候補者 尾仲浩二、金村修
コメント 鉱山を生命体として俯瞰し、その人工化として都市のコンクリートを等高視する。画面中央を焦点とする完璧な遠近法撮影は、絵画では当たり前だが、写真となると不自然と感じられるのが面白い。

1997年第23回 受賞者 都築響一 (つづき きょういち) 1956生--
受賞作品 RADSIDE JAPAN/珍日本紀行
初出 写真集(アスペクト刊)
選考委員 高梨豊、長野重一、奈良原一高、藤原新也、山崎幸雄
候補者 笠井爾示、金村修、ホンマタカシ
コメント 雑誌SPA!に5年間に渡って連載された日本各地の珍妙なる景観の集積。


1998年第24回 受賞者 ホンマタカシ 1962生--
受賞作品
初出
選考委員
候補者
コメント


1999年第25回 受賞者 鈴木理策 (すずき りさく)  1962生--
受賞作品 PILES OF TIME
初出
選考委員
候補者
コメント


2000年第26回 受賞者 長島有里枝 (ながしま ゆりえ) 1973生--
受賞作品
初出
受賞者 蜷川実花 (にながわ みか) 1972生--
受賞作品
初出
受賞者 HIROMIX  (としかわ ひろみ) 1976生--
受賞作品
初出
選考委員 篠山紀信、高梨豊、都築響一、藤原新也、広瀬博
候補者
コメント 3人の女性の同時受賞である。この賞がかって持っていた影響力があればスキャンダルというべきだが、すでに受賞が一部の話題でしかないので、問題視されない。1983年の対象者なしと対照的である。

2001年第27回 受賞者 川内倫子 (かわうち りんこ) 1972生--
受賞作品 「うたたね」「花火」


初出 写真集
コメント
受賞者 松江泰治 (まつえ たいじ) 1963生--
受賞作品 「Hysteric松江泰治」
初出 写真集
コメント
選考委員 篠山紀信、土田ヒロミ、都築響一、藤原新也、広瀬博
候補者 尾仲浩二、左内正史、野口里佳、若木信吾

2002年第28回 オノデラユキ (おのでらゆき) 1962生-- 
受賞作品 「camera Chimera」
初出 写真集(水音社刊)
受賞者 佐内正史 (さない まさふみ) 1968生--
受賞作品 「MAP」
初出 写真集(佐内正史事務所)
選考委員 篠山紀信、土田ヒロミ、都築響一、藤原新也、岩田一平
候補者 大竹伸朗、神蔵美子、秦如美、楢橋朝子、野口里佳

2003年第29回 受賞者 澤田知子 (さわだ ともこ) 1977--
受賞作品 「Costume」他
初出 写真集
選考委員 篠山紀信、土田ヒロミ、都築響一、藤原新也、岩田一平
候補者 エリック、岡田敦、石塚元太良、楢橋朝子、吉永マサユキ
コメント


2004年第30回 受賞者  中野正貴(なかの まさたか)
受賞作品 「東京窓景」
初出 河出書房新社
選考委員 篠山紀信、土田ヒロミ、都築響一、藤原新也、岩田一平
候補者 梶井照陰、内原恭彦、藤岡亜弥
コメント 伊兵衛賞の最高年齢受賞。50歳の新人賞だ。





2005年第31回 受賞者 鷹野隆大 (たかの りゅうだい)
受賞作品 「IN MY ROOM」
初出 蒼穹舎
選考委員 篠山紀信、土田ヒロミ、都築響一、藤原新也、奥田明久
候補者 安村崇、原美樹子、佐藤信太郎、牧野智晃、大橋仁
コメント

2006年第32回 受賞者 2007年4月号にて発表
受賞作品
初出
選考委員
候補者
コメント



【カメラの触感】