北井一夫のライツミノルタ 　「ライツミノルタ使い」として知られていた北井一夫によるアサヒカメラの連載組写真である「村へ」は１９７４年１月号から１９７５年１２月号まで、「そして村へ」は１９７６年１月号から１９７７年６月号まで４２回休みなく掲載された。一つの主題でこのように長く続いた企画は他にないのではないか。しかもその企画の途中で第一回木村伊兵衛賞（1976年）を受賞する。この夏休みに東京都写真美術館で、その写真を見直した。雑誌掲載当時は「従来の古臭い農村表現を打ち破る若々しくなれなれしさのない視線」を感じていたのだと思うが、今それが感じられない。この人気のあった写真家とその写真は何だったのか、そして今後何であるのか。

(2000-8-27作成)

北井一夫（きたいかずお）
1944   旧満州に生まれる。
1965   日本大学芸術学部写真科中退
1972    アサヒグラフ連載「沖縄放浪」「フランス放浪」
1974    アサヒカメラ連載「村へ」「そして村へ」
1976    「村へ」で第一回木村伊兵衛賞
1979    アサヒカメラ連載「ドイツ表現派への旅」
1980    ニホンカメラ連載「通天閣界隈」

マネしてＣＬにキャノンの２５ｍｍをつけてみた。



【カメラの触感】