■老境に入ったここ数年身辺の趣味のものを整理してきている。最近では多くのLPレコードは聴くことが少ないにもかかわらず、住居の大きなスペースを占有している。以前、200枚ほどを近所の古書店に持ち込んだが、1枚10円〜数10円ほどであり、わざわざ重い思いをして持ち込むほどのコレクションではない。だから、そのまま捨ててしまえれば良いのだが、古いものでは、50年以上前のものもあり、それなりに思い出も少なからずあって、思いきれない。誰かに見せびらかす訳でもなく、内心の小さな満足だけなのだが、それでも捨てきれない。
■そこで、録音してデジタル化して残せば、思い切れるだろうということで、ハイレゾ録音できる環境を整備した。LPを水洗浄して、ローランドのキャプチャー装置で、ハイレゾで録音する。本なら1冊15分くらいですむけれど、(実際は1000冊自炊するのに3年掛かった)、レコードは実時間での録音が必要なので、いくら根気と暇があっても、週末に1日、5〜7枚程度。初めて1ヶ月、50枚ほど自炊できたに過ぎない。一応目標は1000枚、500Gバイト。根気は続かないからこれも数年がかりになるだろう。
■実は、自炊のすんだレコードはまだ捨てられいないのだ。LPを捨ててしまうと、音は残せてもジャケットが残せず、むしろ音源そのものより、ジャケットへの愛着が強いということが分かった。ということでジャケットもデシタル化しようと、このアーカイブ・ページを作った。CDになって、ジャケット芸術というか、レコード・ジャケットが持っていた情報が完全に無視されるようになった。いろいろなところで、デジタル・アーカイブが作られているが、ライナー・ノーツの記録が集積されている話しは聞かない。著作権上で疑義はあるが、いくつかの印象深いライナーノーツは埋もれてしまうのは、いかにも惜しいので、
読めるようにしておきたい。いろいろな音楽評論家の熱のこもった紹介文には、単純に影響を受けたものだ。 |