WIZARDRY RPG

- OutLaws Edition -

■ルールセクション■


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◇追加種族と追加職業◇

 ここでは特殊な背景をもつ追加種族および追加職業を紹介します。いずれも強力ではあるものの、扱いに難のあるものばかりです。これらは選択ルールとして扱いゲームに慣れた段階で使用して下さい。

 

1.追加種族

1−1.ノスフェラトゥ <Nosferatu>

 ノスフェラトゥとは人間が呪術などによって生きながら闇の世界の住人となった姿です。生命を失うことによって負の生命を受け入れ、死から解き放たれた存在――不死者(アンデッド)となったのです。
 外見は血の気が引いた土気色の肌へと、瞳の色は深紅となり、生気を感じられない姿へと変わり果てます。その代わりに強靭な肉体と精神力を手にします。生きていたときは肉体を痛めるために無意識化で制限していた限界を越えて、活動することができるようになります。また、負の生命力によって、破損した肉体はすぐに再生します。
 しかし、生者を超越した存在となった代償として、普通の食事が一切受け付けられないようになり、温かな血肉を欲するようになります。また、陽光に当たると肌が灼かれるため、日中は素肌を晒すことができなくなります。
 さらに教会は教義に反した不死者の存在を認めず、祓魔師を派遣して追討しようとします。そのため、人間社会に紛れて暮らすことは困難となることでしょう。

【基本特性値】

  体力 知性 敬虔 生命力 敏捷 幸運
基本特性値 10 12 12 10 10
最大特性値 20 22 22 20 20 15
成長補正 +5% +10% +10% +5% +5%  

【特殊能力】 

 ノスフェラトゥは不死者であり負の生命力で“生きて”いるため、魔法全般への抵抗、あらゆる状態異常への抵抗に+5%の補正がつきます。
 またHPが0以下になった、あるいは致死攻撃を受けた場合、通常のキャラクターと同じく「死亡」しますが、それは一時的な活動停止に過ぎません。通常の蘇生手段(魔法など)によっても蘇生は可能ですが、負の生命力によって、時間が経過によって活力が補充されれば、ひとりでに甦ります(「死亡」からの蘇生は21日から【生命力】を引いた日数、「灰化」からの蘇生はその二倍の日数を要します)。
 さらに高い再生能力によってHP回復能力を持ちます(戦闘時は毎ラウンド最大HP5%分の回復、非戦闘時は現実時間5分につき最大HP5%分の回復を行う)。一方で、陽光の下ではHP回復能力は機能せず、むしろ太陽の光に灼かれダメージを受けます(戦闘時は毎ラウンド最大HP10%分のダメージ、非戦闘時は現実時間5分につき最大HP10%分のダメージを受ける)。
 不死者(アンデッド)となったため、分類は不死属となります。そのため、僧侶の特殊能力ディスペルによって浄化、退散されます。僧侶のディスペルを受けると「灰化」してしまいます。また、神聖ダメージ属性の魔法や不死属二倍打撃の効果をもつ武器による攻撃を受けるとパワーヒット扱いとして二倍のダメージを受けます。代わりに、即死系の魔法(法術のバディやバカディなど)の効果を受けることはありません。また、モンスターの特殊能力である「死の宣告」も効果を受けることもありません。ただし、「斬り術」などの致死攻撃を受けた場合は通常と同じく抵抗に失敗すれば「死亡」します(活力源である負の生命力を絶たれるため)。
 ノスフェラトゥは呪われた存在であり、呪われたアイテムを装備しても呪いによるペナルティの影響を受けません。

◇対ディスペル率◇

レベル 対ディスペル率
−5%
−5%
−10%
−10%
−15%
−20%
−25%
−30%
−35%
10 −40%
11 −45%
12 −50%
13 −55%
14 −60%
15 −65%
16 −70%
17 −75%
18 −75%
19 −80%
20 −80%

1−2.魔人/聖人 <Devil/Saint>

 魔人もしくは聖人とは、人間が悪魔や神格から啓示を受けて契約を結び、その加護を受けて魔性や神性を備えた存在となったものです。もはや限りなく悪魔や神格に近しい存在――眷属とも云えます。
 魔人の身体には、悪魔との契約の証として“魔の刻印”が刻まれます。対して、聖人の身体には、神格との契約の証に“聖痕”が刻まれます。それ以外、外見は人間であった頃と変わりはありませんが、その内面は大きく変化しています。加護を与えてくれる悪魔や神格の影響を受け、その意向を忠実に履行することがその行動原理となります。この世界における悪魔や神格の代行者として、その影響力をより拡大していくことが使命となるのです。あるいは、敵対する他の悪魔や神格の影響力を損ない、その駆逐を目指すことになるかもしれません。
 魔人や聖人は啓示を与えた悪魔や神格を信仰する集団の支援を受け、その集団の指導者となることが多いことでしょう。その集団の勢力拡大を目指していく過程で、敵対する悪魔や神格を信仰する別の集団と争うことになるかもしれません。しかし、争いを怖れてはなりません。なぜなら、啓示を与えた悪魔や神格が、それを求めているのですから。

【基本特性値】

  体力 知性 敬虔 生命力 敏捷 幸運
基本特性値 10 10 10 10 10 11
最大特性値 20 20 20 20 20 21
成長補正 +5% +5% +5% +5% +5% +5%

【特殊能力】 

 魔人や聖人は高い魔法特性から、魔法全般への抵抗、あらゆる状態異常の抵抗に+5%の補正がつきます。さらに、すべての魔法の呪文習得ポイントに+1の補正がつきます。
 また、魔人や聖人は人間属でありながら、魔性や神性を備えた存在であるため、分類は魔人属ないし聖人属となります。そのため、魔神属二倍打撃の効果をもつ武器による攻撃を受けるとパワーヒット扱いとして二倍のダメージを受けます(魔神属と天使属は本質的には同種族のため、その眷属である魔人属、聖人属も同じ効果を受けます)。代わりに、即死系の魔法(法術のバディやバカディなど)の効果を受けることはありません(ただし、法術のモガトを受けると、加護を与えている悪魔や神格の属す異界へと送還されて「死亡」します)。

【技能】

 魔人および聖人は魔神語と天使語を習得しています。

1−3.ハイエルフ <High Elf>

 上代のエルフとも呼ばれる太古の種族です。多くのハイエルフは、黄金期の終焉とともに西海の彼方に在るとされる“西方楽土”へと去りましたが、ごくわずかながらもこの地に残った者たちが、今なお旧き伝統を継承していると云われています。
 エルフ同様にほっそりとした身体は軽く、まるで鳥のように感じさせますが、より引き締まった頑健な肉体をもちます。平均身長は男女ともに180cm程と標準的なエルフよりひとまわり大きい体格が特徴です。肌は緑がかった白で、ときにわずかに頬を紅潮させる他は表情らしい表情を見せることはありません。
 現在、ハイエルフとして確認されているのは、北海に浮かぶブリストル島の“霧の玉座”に君臨する“永遠の女王”と呼ばれる存在です。一説に依れば、遥か古代、黄金期の時代から老いることなく美しさを保ったまま生き続けているともされます。しかし、この地の出身のエルフは故郷のことについて決して語ろうせず、その真相は定かではありません。

【基本特性値】

  体力 知性 敬虔 生命力 敏捷 幸運
基本特性値 12 12 11
最大特性値 19 22 22 19 21 19
成長補正   +10% +10%   +5%  

【特殊能力】 

 ハイエルフはその高い精神力から、魔法全般への抵抗に+5%の補正がつきます。また、あらゆる状態異常の抵抗にも+5%の補正がつきます。さらに通常の場合は起きたい時間に必ず起きることができます。

【技能】

 ハイエルフは古代語とエルフ語を習得しています。

 

2.追加職業

2−1.秘術騎士 <Arcane Knight>

 秘術騎士とは、魔術を操る戦士です。彼らは教会に属す場合もありますが、多くの場合は魔法学院にあってその守護を担う護衛士です。魔術師になるよりもより過酷な条件の中で、選ばれた生まれつきの天才が秘術騎士としての教育を受けるのです。
 戦士と同様の装備を整え、魔術師と同等の魔法能力を備えた秘術騎士は、それだけでも強力な存在ですが、魔力を操る術を備えた秘術騎士はさらなる強力な戦技を身に付けました。それが、秘術剣――武器を媒体に、直接敵の体に魔力を叩きつける技です。いかな魔法無効化の結界を身に纏った異界の魔物といえども、この技を防ぐ術は持ちません。
 深い英知に、鍛え抜かれた鋼の肉体を備えた秘術騎士は、新たな賢者のひとつの姿ともいえるでしょう。

【性別条件】

・男性/女性

【戒律条件】

・善/中立

  体力 知性 敬虔 生命力 敏捷 幸運
必要特性値 13 12   10 12  
成長補正 +10% +5%   +5%    
初期HP 1D8+4
HP上昇値 1D8+4

【習得可能技能】

・戦闘系 : 短物、剣、戦斧、棍棒、長柄、投擲、投石具、弓、火器、楯
・魔法系 : 魔術、秘術
・学術系 : 歴史学、神秘学、紋章学、地誌学、工芸学、機械学、医学、薬学、書術、航海術、言語
・運動系 : 水泳、登山、探索、騎乗、剛力、移動、反射
・特殊系 : 鍛錬、精神修養

【特殊能力】

・魔法強化 : 魔法の威力を強化して行使する能力を持ちます。

【初期習得技能】

・「剣」1レベル、「秘術」1レベル

【初期装備アイテム】

・ロングソード、レザーアーマー、バックラー、バスキン

■秘術剣 <Arcane Blade>

 秘術騎士は自分の使用する武器に魔力を込めることによって疑似的な魔剣――秘術剣とすることができます。戦闘開始後、直ぐに宣言することによって秘術剣を準備することは可能です。一度発動した秘術剣はその戦闘中、効果を維持します。
 秘術剣は最大3つまで効果を累積させることができますが、累積するコストの上限は、自身の「秘術」技能レベルとなります。例えば、「秘術」技能3レベルの秘術騎士は、秘術剣で「必中の刃」「必殺の刃」「火炎の刃」を累積して使用することができます。しかし、「神速の刃」はコスト5のため、「秘術」技能5レベルになるまで使用することができません。
 また、「火炎の刃」「冷気の刃」「電撃の刃」「烈風の刃」の効果を累積させることはできず、どれかひとつを使用した場合、他の効果を重ねることはできません。
 秘術騎士は自身が手にしたひとつの武器にのみ効果を与えることができます(つまり、両手にそれぞれ武器を持ったとしても、どちらかひとつの武器にしか秘術剣の効果を与えることはできない)。

◇秘術剣の効果表◇

名称 効果 コスト
必中の刃(Striking Blade) 命中補正が+15%上昇する。
必殺の刃(Keen Blade) パワーヒット率2倍となる。(最大20%)
火炎の刃(Flaming Blade) ダメージダイス1個増加する。武器のダメージが火炎ダメージとなる。
冷気の刃(Frost Blade) ダメージダイス1個増加する。武器のダメージが冷気ダメージとなる。
電撃の刃(Shock Blade) ダメージダイス1個増加する。武器のダメージが電撃ダメージとなる。
烈風の刃(Blast Blade) ダメージダイス1個増加する。武器のダメージが烈風ダメージとなる。
神速の刃(Speed Blade) 攻撃回数が1回分上昇する。

2−2.調停者 <Quencher>

 “道”と呼ばれる独特の思想によって、より高位の存在へ上ることを目的に修行を重ねるものが調停者です。彼らは自然に逆らわず、あるがままに同調することによって、自らを自然と同化させ昇仙する――つまり、仙人となることを究極の目標として掲げています。その修行の過程において、この世界の均衡を傾げる存在を嫌い、あるべき姿に正すことを使命としています。
 この混迷期にあって、世を忍び深山に篭って修行に明け暮れていた調停者も、異変の謎を解明し、それを正すために山を降り、旅に出るようになりました。世界が本来あるべき姿を取り戻すよう、均衡を傾げる存在を除くため、調停者は剣を取るのです。
 

【性別条件】

・男性/女性

【戒律条件】

・中立

  体力 知性 敬虔 生命力 敏捷 幸運
必要特性値 15 15 15 15 15 15
成長補正 +10% +5% +5% +5% +5%  
初期HP 1D8+4
HP上昇値 1D8+4

【習得可能技能】

・戦闘系 : 短物、剣、戦斧、棍棒、長柄、投擲、投石具、弓、火器、楯、拳闘、斬り術
・魔法系 : 錬金術、心霊術
・学術系 : 歴史学、神秘学、紋章学、地誌学、工芸学、機械学、医学、薬学、書術、航海術、言語
・運動系 : 水泳、登山、探索、忍術、騎乗、剛力、移動、反射
・特殊系 : 鍛錬、精神修養

【特殊能力】

・魔法強化 : 魔法の威力を強化して行使する能力を持ちます。
・移動力上昇 : 移動力+1となります。
・移動射撃 : 戦闘移動後に射撃を行うことができます。
・基本AC低下 : 1レベルで基本ACが9、レベル上昇毎に1ずつ低下します。
・素手戦闘 : 素手でのダメージは手が1D6、足は1D10となります(手はそれぞれ主、補武装扱い。足は両手武装扱いとなります)。また、素手での攻撃は「斬り術」による致死攻撃率+5%となります。

【初期習得技能】

・「剣」1レベル、「忍術」1レベル

【初期装備アイテム】

・刀、脇差、道衣、脛巾

 

3.追加職業の経験値

◇必要経験値◇

レベル 秘術騎士 調停者
1,300 1,800
2,600 3,600
5,200 7,200
10,400 14,400
20,800 28,800
41,600 57,600
83,200 115,200
166,400 230,400
10 332,800 460,800
11 530,000 660,000
12 730,000 860,000
13+ +200,000 +200,000

 

4.追加職業の魔法能力

4−1.マジックポイント

◇基本MP表◇

・専門職 : 魔術師、僧侶、錬金術師、霊能者、召喚師
・補助職 : 君主、闇騎士、戦乙女、侍、秘術騎士、弓使い、吟遊詩人、修道僧、忍者
・複合職 : 司教、聖、探求者、陰陽師、魔女、妖術師、英雄、調停者、全能者

  専門職 補助職 複合職
基本MP値

4−2.魔法の習得

◇呪文習得ポイント◇

・専門職 : 魔術師、僧侶、錬金術師、霊能者
・補助職 : 君主、闇騎士、戦乙女、侍、秘術騎士、弓使い、吟遊詩人、修道僧、忍者
・複合職 : 司教、聖、探求者、陰陽師、魔女、妖術師、英雄、調停者、全能者

レベル 専門職 補助職
複合職
12
12
15 10
10 15 10
11 18 12
12 18 12
13 21 14
14 21 14
15 24 16
16 24 16
17 27 18
18 27 18
19 30 20
20 30 20

4−3.魔法強化

◇魔法強化回数表◇

・専門職 : 魔術師、僧侶、錬金術師、霊能者
・補助職 : 君主、闇騎士、戦乙女、侍、秘術騎士、弓使い、吟遊詩人、修道僧、忍者
・複合職 : 司教、聖、探求者、魔女、妖術師、英雄、調停者、全能者

レベル 専門職
複合職
補助職
10 10
11 11
12 12
13 13
14 14
15 15
16 16
17 17
18 18
19 19
20 20 10