WIZARDRY RPG

- OutLaws Edition -

■ルールセクション■


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◇死神と死神憑きの導入◇

 ここでは特殊な地下迷宮で確認された特異な現象である“死神”とその出現によって引き起こされる状態異常「死神憑き」を紹介します。これらは選択ルールとして扱いゲームに慣れた段階で使用して下さい。

 

1.死神(Grim Reaper)の出現

 “死神”とは闘争期の時代、城塞都市ドゥーハンで起きた災厄によって王城の地下に出現した地下迷宮にて発生した怪現象です。その後、危険と死の予兆として幾つかの地下迷宮でもその出現が確認されています。
 “死神”は、まず暗闇にわだかまるおぼろな黒い霧状の存在として出現します。やがて、黒い霧ははっきりとした形を成してゆき、黒い長衣をまとった骸骨のような姿を取ります。そして、地下迷宮を探索する者を求めて彷徨するようになります。
 実体化した“死神”は、地下迷宮の探索を行う冒険者を発見すると追跡を始め、その中の運のない犠牲者に憑りつこうとします。

 “死神”は特定の条件を満たした地下迷宮にのみ出現します。闘争期以前に建造された地下迷宮であり、魔道儀式や呪法など何らかの手段で異界(冥界や魔界など)との接点が作られ、この世界と異界の境界が曖昧になった状態になると出現するとされます。つまり、自然な状態において“死神”が出現することはありません。

 “死神”は実体化しても幽体状態であり、戦うことはできません。壁や扉を透過して移動することができるため、その襲撃を回避することは限りなく難しいです。ただし、なぜか水上を移動することはできないようで、堀や水路で隔たった場合は橋などが渡っていない限り、移動することができません。また、地下迷宮を出て地上に出現することもありません。

 地下迷宮の探索中に“死神”に遭遇した場合、その場にいるキャラクターは全て(【幸運】*3)%を目標値にD100で抵抗判定を行います。成功した場合、“死神”から逃れることができます。失敗した場合、「死神憑き」状態となります(複数のキャラクターが抵抗判定に失敗した場合、最も【幸運】の低いキャラクターが「死神憑き」状態となります)。
 仮に全員が抵抗に成功しても、“死神”はそのパーティを追跡します。いずれ、誰かしらが捕まり、憑りつかれることになるでしょう。

 

2.死神憑き <Possessed>

 “死神”に憑りつかれた者は「死神憑き」状態となります。「死神憑き」状態となると、様々な効果が及びます。まず、暗闇の中においては薄らと青白い燐光に覆われ、その瞳は深紅の光を宿すようになります。また、陽光ないし人工の灯りの下においては、一見普通に見えますが、影が無くなります。これは、身体が半ば冥界に属すようになったためだとも云われます。そして、その深紅の瞳は、この世ならざるものが視えるようになります。具体的には実体化することのできない下級の浮遊霊や精霊などが視えるようになるのです。逆にそれらからも存在を認識され、付きまとわれるようになります。また、同様にこの世ならざる異界の扉を視認し、それを開けて侵入することができるようになります。
 その他に、下記の特殊能力を得るようになります。

【特殊能力】

・死神の加護 : 死神の加護を受けることによって、戦闘時に攻撃の命中補正+10%、AC−2、魔法無効化+10%の効果を得ます。
・死神の刃 : 装備している武器のダメージダイスが1個増加します。また武器のダメージが神聖ダメージとなります。
・直死の魔眼 : 「斬り術」技能に+5%の補正が付きます。また、「斬り術」技能を習得していなくても攻撃命中時に5%の確率で致死攻撃を行えるようになります。
・死者の呪い : 半ば冥界に属す存在となったため、神聖ダメージ属性の魔法や不死属二倍打撃の効果をもつ武器による攻撃を受けるとパワーヒット扱いとして二倍のダメージを受けます。
・灰化の呪い : 「死神憑き」状態で死亡した場合、「灰化」します。

 「死神憑き」状態は、スピリットアウェイ・ポーションを服用するか、寺院で祓ってもらう(1,500GP)ことによってのみ回復することが可能です。