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平和ボケ

2001年9月29日 のほほ


空母キティーホーク出撃を「護衛」する自衛隊の護衛艦。
先日、東京湾でお目にかかった光景である。日本がアメリカと共に報復攻撃に参加することを国民に印象づけたものであった。
数日後、インドネシアのイスラム過激派が、まだ攻撃の計画はないと前置きしながらも「アメリカに味方するなら日本も敵だ」と明言した。

そんな「歴史の転換点」とも言えるこの出来事が、実は防衛庁長官の独断で行われたというとんでもない話が聞こえてきた。
例の"字も読めない"官房長官が「少なくとも私は聞いていない」と会見で発言したのだ。
(長官は「秘書に伝えた」と言っているようだ。ま、官房長官も後で「勘違いだった」って言いそうだな…あまりに重大すぎてヤバイから)

宣戦にも等しい行動が独断だったなんて、まさにかつての日本軍そのものではないか!

そもそも、テロが予想されるという情報を入手していながら、空港を管理する国土交通大臣に伝えていなかったという「前科」持ちのこの長官、以前は自衛隊の制服組つまり「退役士官」だという。
国内であまりに卑下される自衛隊の現状を変えてやろう、などと考える「憂国の士」気取りだとするなら、御免こうむりたい。

ひるがえって、当事者アメリカの国務長官パウエルも退役軍人である。
しかし、くだんの防衛庁長官と正反対に、過剰なほどに用心深く物事を進めている。
時が経つに連れて、テロ組織には派手な武力行使では対処できないことに気づいたのかもしれないし、実は間近に迫る攻撃をカムフラージュするためのポーズなのかもしれない。
だとしても、彼の冷静な対応ぶりが印象的だ。

本来軍人は、戦争の困難さを一番知る立場から、過激な行動は取らないものである。
しかし、政治家や世論は、戦場を知らないだけに、攻撃的になるものである。

どうやら、平和ボケの「軍人」は、真の軍人とはほど遠いもののようである。

あと、出撃が取り消しになった自衛隊のイージス艦関係者が残念がっていると聞く。
彼らは、「自分たちこそが国を守る」なんて変な自負を抱いているのだろう。
しかし、それはとんだ勘違いだ。
現代戦、特に今回のようなテロとの戦いは、戦場よりむしろ後方こそが狙われるのだ。
あなたたちの軽率な行動が、かえって日本国民を危険にさらすかもしれないことを気づくように。



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