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目から鱗

2002年4月15日 のほほ


二ヶ月ぶりの「駄文」、お待たせしました。
ネタはいくらでもあったんですが、本業の多忙さとやる気のなさが災い…

では、本題。

京都議定書発効への道のりが難航している中、二酸化炭素排出削減のために何をすべきか、国の方針が示された。
産業界の反対を考慮してか、民生=家庭での取り組みを中心に策をたてているようだが…
ところで、二酸化炭素排出が問題になるのは、それにより温室効果が強化されて地球が温暖化するからである。
そして、地球温暖化により引き起こされるのが、海面上昇。
極地の氷が溶けることで、海面が上昇し、太平洋の島々が「沈没」してしまう危惧がある。

さて、この二酸化炭素排出という点で「地球に優しい」と最近宣伝されているのが、原子力発電である。
火力発電に比べて、ほとんど二酸化炭素を排出しないということで、そう言われているのであるが。
しかし、原子力発電には、地球温暖化防止という面で致命的弱点があった!
それは、排出される「冷却水」である。

日本の原子力発電所は、なぜかほとんど海に面して立地している。
それはなぜか。
原子炉は、核分裂により大量の熱を発する。あとは火力発電と同じで、この熱により水を沸騰させ、発生した蒸気によりタービンを回し発電する。
そして、この高温の蒸気は、パイプ内を循環する海水により冷やされている。蒸気から熱を奪った海水は、そのまま海水中に放出される。熱とともに。

「建設オピニオン」誌の記事によると、排出された冷却水は、取り込まれたときより7度上昇しているという。
各種統計によると、原子炉の発電量10万キロワット時あたり、2万2千トンの温水が排出されている。
日本全国の原子力による年間発電電力量は3170億キロワット時。計算すると年間680億立方メートルの温水が、日本近海に排出されていることになる。

むろん、火力発電も同様に温水を排出している。
原子力と火力あわせると、すさまじい量の温水が海に排出されているのだ!!

これを知って、まさに「目から鱗」。
このことを考えている人、あまりいないだろう。
手遅れにならなければいいのだが……

とにかく、原子力発電は地球に優しくも何ともないということだ。



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