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政争の具

2004年6月14日 のほほ


昔から日本人は後先考えずに気分で行動する。
そして、選挙で選ばれる政治家はそれを利用しようとする。

大正から昭和初期、軍閥が割拠する中国の争乱に中立を唱えた民政党内閣と幣原外相に対し、野党の政友会は「軟弱外交」と批判。大陸への積極的進出を唱えた。
大国気取りの国民は政友会を支持し、政友会は政権を奪取した。
(まあ、民政党も含めて当時の政界全体は、朝鮮半島や満州の既得権益はそのまま握りつづける意向だったのだけれども)
結果、満州事変など軍部の出先部隊のつけあがりを招き、「15年戦争」が始まることになる。

まあ、こういう国民性、そもそもは日露戦争の講和反対に遡れるだろう。
ロシアから賠償金が取れなかった政府の弱腰を糾弾した民衆は、日比谷公園の集会をきっかけに暴徒化。東京に準戒厳令が敷かれるまでに争乱が拡大した。
すでに戦争が続けられない現状を明かさなかった政府にも責任があるが、現実を見ないで威勢のいい事を言う国民性がここでもわかる。

何が言いたいかというと、今回成立した某国ターゲットの「入港規制法」の成立に際し、野党・民主党の強硬さが往年の政友会とオーバーラップするなあと言いたいわけである。
無論、背後には強硬論を唱える世論がある。
変な方向に進まねばいいが。



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