◆近年カメラ事情
2000.12.24 開設 《 Photographer 真樹 》
第1回(2000.12.24) 1.近年カメラ事情とデジタルカメラの利点 2.近年デジタルカメラ事情 3.最高級一眼レフカメラは、銀塩からデジタルに移行するとは本当か? 第2回(2002.8.4) 1.ここ一年半のカメラ業界の変化 2.今後の動向
第1回(2000.12.24) 1.近年カメラ事情とデジタルカメラの利点 思えば三十年程前のカメラは露出計すら付いていませんでした。その後、露出計内臓、自動露出、オートフォーカス、 アイコントロール(視線入力)と、カメラの進歩も目覚しいものが有ります。撮影者の技術をカバーしてくれ、 誰でも美しい写真の撮影が楽しめる様になりました。 またここ数年デジタル化の波が押し寄せて来ており、近い内に現在の最高級一眼レフは全てデジタル化に移行して 行くと予想されます。今まで、皆様もカメラの撮影で失敗した事は無いでしょうか? すぐ見たくなった事は無いでしょうか?そんな方々はデジタルカメラを見直しする時期が来ております。 実は最近のデジタルカメラは、こんな所が進歩して来ているのですよ。知っていましたか? まず銀塩カメラに引けを取らないほどの高画質になり、撮ったらすぐその場で見る事ができ、通信で送る事も出来ます。 また撮影後に画像の色彩のデジタル処理が可能です。それにフィルムを使用せずにメモリーカードを使用しているので、 撮影で失敗しても、その場でその画像を削除する事ができ、繰り返し何度でも使用できるのです。 言い換えますと一枚のメモリーカードでフィルム何本分でも繰り返し撮影できると言う事なのです。 さらに判りやすく言うと、フィルム代が不要になるのですよ!!頻繁に撮影をする人でしたら、一年間のフィルム代で デジタルカメラ代が捻出できます。 さあ皆様も屋外に飛び出し、思う存分、そして気がね無く写真撮影を楽しみましょう! そう、貴方はもうプロカメラマン!! 2.近年デジタルカメラ事情 現在デジタルカメラ市場は大きく別けて、カメラメーカーと電気メーカーが有ります。 元々カメラメーカーは銀塩カメラから来てますので画質重視、電気メーカーがビデオ等の画像から来ていますので 機能重視でした。この所は両者とも高画質に走り出しています。カメラメーカーは銀塩一眼レフカメラの交換レンズ が使用でき、またCCDの受光面を大きくして高級銀塩一眼レフカメラに匹敵する性能に近づいて来ております。 来年は、CCD受光面が35ミリカメラのフィルム面と同じサイズ(24×36ミリ)のものが出て来ます。 電気メーカーは画素数を増やしはしていますが、CCD受光面を大きくしていません。 (1/2インチと言っているCCD受光面は、6.4×4.8ミリですので、もの凄く小さいのです。) 現実的には、300万画素位で精細ではA4位の印刷には耐えられます。一方、銀塩カメラもカラーでの引き伸ばし では四ツ切(A4より一回り大きい)迄が限界です。今後は上位デジタルカメラは精彩(色合い)を上げる方に 行きます。 ★CCD受光面が小さいとノイズが発生しやすく高精彩には出来ません。 ★レンズ交換式のデジタルカメラは、レンズ交換時にCCD受光面にゴミの付くのを、特に気を付けなくては いけません。一度ゴミが付いたら、除去するまで画像にゴミが写りこみます。ちなみに銀塩カメラの場合は ゴミが付いても、フィルムが走りますので同じ所にズ〜と停滞する可能性は低いのです。 3.最高級一眼レフカメラは、銀塩からデジタルに移行するとは本当か? もっぱらの噂で、最高級一眼レフカメラは銀塩では無くなりデジタルカメラに移行して行くと言う情報が有ります。 事実、色々のカメラ量販店で聞くと、『キヤノンはEOS−1Vが最後の最高級一眼レフだと言っている。 次はデジタルに行く様だ。ニコンもF6を作るかどうかは判らない。』と聞かされます。 世の中の流れで有り、最高級一眼レフカメラのユーザー構成を考えれば、いずれは銀塩からデジタルに移行して行く のは確実でしょう。しかし、先日キヤノンのカメラ事業部の方に聞いた所『それは噂でEOS−1Vの後も作ります。』 と言う答えが帰って来ました。美術性の高い写真撮影の可能な最高級銀塩一眼レフカメラの命が続く事で安心しました。 情報を総合致しますと、デジタルカメラが下記の部分が銀塩に追いつくまでは、銀塩・デジタルの双方で、最高級 一眼レフカメラを目指し作るのではないでしょうか? 1.精細は追いついておりますが、精彩の部分ではまだまだです。銀塩でのリバーサルフィルムの色をデジタルで 出すのは非常に困難です。デジタルでリバーサルフィルムの色を画像処理技術により出す事は、誰でも簡単に 出来るものではありません。 2.銀塩フィルムでの綺麗なボケ味(具合)をCCDで再現するのが困難である。 3.値段の割に凝固なボディーに出来るか?(銀塩カメラ並みのボディにできるか?)
第2回(2002.8.4) 1.ここ一年半のカメラ業界の変化 @最高級一眼レフは、まだデジタルに移行したとは言えないものの報道陣の多くは、最高級デジタル一眼レフの、 ニコンD1X(533万画素・ボディ価格:59万円)、キャノンEOS−1D(415万画素・ボディ価格:75万円)の 使用が、かなり目立つ様になって来ました。 但し、色合いの面から芸術写真家では、まだ銀塩一眼レフと言えるでしょう。 ★600万画素一眼デジカメは、精細では銀塩に追いついていますが、精彩(色合い、発色)ではまだです。 A低価格一眼レフは、ここ数年、同価格帯の普及型(二眼)デジカメの販売好調のあおりを受け、大変苦戦しています。 ここ数年、普及型(二眼)デジカメの対抗として、低価格銀塩一眼レフは、ボディとズームレンズ2本セット (標準・望遠)で、定価12万円前後のものを店頭価格5〜6万円に設定していますが、大変苦戦しています。 ★低価格銀塩一眼レフは、今後もどんどんシェアを減らす事でしょう。 2.今後の動向 @カメラ全体の動向 ここ数年は銀塩カメラのシェアが減り、デジタルカメラのシェアが拡大しています。 今後もその傾向は加速するでしょう。 A一眼レフカメラのシェア動向 ここ数年、一眼レフカメラのシェアは減少傾向に有ります。 普及型(二眼)デジカメの販売好調から二眼レフカメラ全体のシェア拡大に貢献しています。 しかし最近では、キャノン、ニコンから下記の中級デジタル一眼レフが相次いで発売され、価格も一般の方が 趣味用途で購入可能な手頃の価格設定となり販売が好調の様です。 一眼レフカメラ全体のシェア拡大の救世主と成りつつあります。 ・キャノン EOS−D60 (2002.3月発売) 630万画素 ボディ価格:35.8万円 ・ニコン D100 (2002.6月発売) 610万画素 ボディ価格:30万円 最高級デジタル一眼レフの、ニコンD1X(533万画素、ボディ価格:59万円)、 キャノンEOS−1D(415万画素、ボディ価格:75万円)は高価な為、ほとんどが業務用又はプロカメラマンの 使用でした。 中級デジタル一眼レフの、ニコンD100、キャノンEOS−D60は、手頃な価格の為、購入者は業務用途 (プロカメラマン含)と趣味用途(アマチュア)の半々の割合です。 B今後のデジタル一眼レフの動向 先にも述べましたが、現在のデジタル一眼レフの600万画素と言う数値は、精細では銀塩一眼レフカメラに十分 追いついています。 では次に、最高級デジタル一眼レフのスペックで必要なのは、600万画素・秒間5コマの連写です。 従ってしばらくすると発表される事でしょう。 その他、当分の課題は、下記内容でしょう。 ・高精彩(リバーサルフィルムの色合いに近づけるか?) ・画素数のさらなる増加(今後も画素数の増加に向かう事でしょう。ポスター等の大判印刷も可能になります。) ・フルサイズCCD(CCDの受光面を銀塩35ミリフィルムと同じ面積に!)