『ぜいとぅーん』9号(2003年3月25日)より

本の紹介


デイヴィッド・バーサミアン=インタヴュー
『帝国との対決 イクバール・アフマド発言集』太田出版

 いま、世界を理解するのに最良の一冊。題名も装丁もかたいですが、内容はとても明快で読みやすい。あたたかく人びとに語りかける言葉です。アフマドはインドに生まれ1947年にパキスタンに移住、57年にアメリカへ渡りました。離散パレスチナ人でありアメリカに住むエドワード・サイードの友人ということもあってパレスチナにもかかわりがあり、「帝国」に対峙しかつ第3世界ナショナリズムにも批判の目を向けた立場から発言をしています。でも、きつい感じがなく、温かい人柄が伝わる文章なのです。

 アメリカを理解するなら、マイケル・ムーア『アホでマヌケなアメリカ白人』(柏書房)がおもしろい。これは、題名と装丁がくだけていますが、内容はしっかりしています。アメリカの分析・批判だけでなく、オルタナティヴな政策や行動が提起されています。彼は先日、アカデミー賞ドキュメンタリー部門賞を取りましたが、「イカサマの理由によって戦争が始まった。イカサマの情報が流れている」「我々はこの戦争に反対だ。ブッシュよ、恥を知れ。お前の持ち時間は終わった」と受賞会場で発言し拍手とブーイングを受けたそうです。