オリーブ石けんの色

毎回、色の異なるオリーブ石けん。『ぜいとぅーん』15号にも少し書きましたが、質問を多く頂いていますのでもう一度。まずは、作り方をおさらい。

  1. 石けんの原材料を大きな容器に入れて一日おいた後、原料が均質に混ざるように調整しながらじっくりかき混ぜる。液がドロッとしたら清潔で平らな床に液体を注ぐ。翌日石けんが少し固くなったら縦長にナイフで切る。
  2. 石けんを機械に入れて、細い口からトコロテンのように搾り出す。戸外で自然乾燥させると粒状になる。この状態で長期保存が可能になる。
  3. 乾燥させた粒状の原材料を混ぜながら圧縮し、麺状に出す。これを2度繰り返すと、より均質で硬い石けんができる。最後に棒状の形に出す。
  4. 足踏みミシンのような道具を操作しながら石けんを切り、刻印する。最後の仕上げに室内で自然乾燥させる。

現在提供中のオリーブ石けんは今までと違って緑色になったため、驚かれた方が多かったようです。ナーブルスで作っているこのオリーブ石けんは香料や着色料その他をいっさい加えず、オリーブオイル・水酸化ナトリウム(苛性ソーダ)・水のみで作られています。このため、オリーブオイルの状態(色・透明度・成分)、原材料の微妙な配合、乾燥の度合いで色が変わります。オリーブオイルは同じ種類の木であっても、場所や年によって微妙に色合いが異なります。また、おり(搾りかすの一部。オリーブを搾ったときに浮遊するオリーブの成分)が混ざったオリーブオイルを使えば茶色がかった色になりますし、おりが沈んだ後の上澄みのオリーブオイルを使えば薄い色になります。(どちらにしてもノンフィルターで養分を残しているため使い心地は変わりません。)

現在提供中のオリーブ石けんが、緑色でちょっと柔らかいのは、乾燥が少し足りなかったためです。2003年の12月に製造したのですが、石けん工場で十分に乾燥させる時間が取れなかったのです。

まず原材料の入荷が遅れました。イスラエルの製品やイスラエルを通じた製品をパレスチナに運ぶときは、検問所の通過も簡単です。ところが、原材料(石けんの場合だったらオリーブオイルと苛性ソーダ)やコンクリートなどの建設資材を運び入れるのは、検問所の通過が難しいのです。つまり、イスラエル政府はパレスチナを市場(消費地)としているけれど、生産地にはしたくないのです。

そして冬は雨期。(4月〜9月は一滴も雨が降らない乾期で、10月〜3月が雨期です。)粒状で乾燥させるには、乾期であれば数日でも十分ですが、雨期は1週間以上かかります。

さらに、石けん乾燥中の2003年末〜2004年始めは、ナーブルスは戒厳令に近い状態、イスラエル軍の侵攻・銃撃が続いて連日死者が出るような状況でした。ただでさえ出荷は難しいのに、この状況では、タイミングを見て出荷してしまわないと、今度いつ出荷できるかわかりません。そのため、乾燥が十分でないまま「ガリラヤのシンディアナ」に出荷しました。シンディアナは倉庫に石けんのための部屋を作り、そこで乾燥させました。(写真)

次回入荷のオリーブ石けんは、十分乾燥された、固く緑がかったグレーの色をしています。順次切り替わります。

 

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