まめ情報

交通

イスラエル内のパレスチナ人が移動する主な手段は7人〜9人乗りの乗り合いタクシーです。ある村とある村の間を走り、その間は乗り降り自由、距離に応じて運賃を支払います。ガザ地区や西岸地区もほぼ同様です。

イスラエルのバスや電車の交通網は、基本的にユダヤ人の町を結んでいて、パレスチナ人にはとても不便です。パレスチナの村々や町を結ぶ交通はありません。これは、イスラエル内のパレスチナ人が受けている差別の一つです。

シンディアナの女性たちも、自分で車を運転したり、誰かに乗せてもらったりして通っています。車を持つ、運転すると言うとぜいたくな話のように聞こえるかもしれませんが、生活必需品です。

ナザレで働く女性スタッフが住む村からはナザレに行くバスも乗り合いタクシーもありません。そのため、ナザレに行く人の車に乗せてもらったり、途中までタクシーを使ったり、かなり苦労してナザレに通っていました。その後、ローンを組んで苦労して車を買ったそうです。

車はもちろん中古車です。日本のようにピカピカの車は見たことがありません。アラビア語でも外来語で「ガレージ」と呼ばれている自動車修理工場があちこちにあります。オリーブオイルを運び、あちこちを走り回るシンディアナの車が、窓も壊れボロボロなのは、18号で報告した通りです。

村?町?

イスラエル内のパレスチナ人の村は、村と言っても、人口が1万人もいる町が多くあります。それでも行政区分は「村」になります。イスラエル内で行政区分上アラブ・パレスチナ人の「市」はナザレ(人口7万人)だけです。パレスチナ人が多い南部沿岸の都市ヤーファは、行政上隣のテルアビブに統合され、「テルアビブ・ヤッフォ」という区分になりました(ヤーファはアラビア語、ヤッフォはヘブライ語)。北部沿岸の都市ハイファには、今でも少数ながらパレスチナ人が住んでいますが、主に一街区に固まっています。その北にある都市アッカも古くからパレスチナの町で観光地ですが、パレスチナ人の追い出しが進んでいます。

村から都市へ、という移住は多くの国で見られますが、イスラエル内のパレスチナ人には移住する都市部がそもそもありません。そのため、村の人口は増えますが、今度は家を建てるための土地がありません。イスラエル国土の93%はイスラエル土地管理局の管轄下にあり、たとえパレスチナ人の所有地であっても自由には使えないからです。

倉庫が移転したコフル・カナ村(人口1万7千人)やオリーブオイル圧搾工場のあるアラーベ村(人口1万4千人)をはじめ、多くの場合管理が及ぶのは村の土地の3分の1に過ぎません。残りの場所では、自分の土地であっても、家を建てることができず、家族が増えてやむを得ず「違法に」家を建て、結局はイスラエル政府に家が破壊されてしまうことが多くあります。

 

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