編集後記

パレスチナを移動する主な手段は、乗客が7人ほど乗れる乗り合いタクシーです。私が外国人であるため、質問するよりされる方が多くなってしまうのですが、車内の人たちと話が弾むこともあります。

ベツレヘムからエルサレムに戻る途中の乗り合いタクシーには元気な女子学生が乗り合わせ、車内全体が笑いの絶えない和やかな雰囲気でした。

イスラエル軍による路上の検問で混雑し、私たちの乗り合いタクシーも待たされました。その時女子学生が後ろを振り返り車が数珠つなぎになっているのを見て「結婚式みたい」と言うので、車内は爆笑。結婚式のとき新婦を迎え、新郎の家や結婚式会場に向かう際、先頭のお花やテープを飾った車の後を親族の車が続く様子を連想したのです。

パレスチナの、状況を笑い飛ばす精神には、いつも驚かされます。困難な状況が続く中、家族を大切にし、日々を楽しみ、日常生活を続けて行く。友人たちは「それしか方法がないから」と言いますが、簡単なことではないでしょう。

パレスチナもイスラエルも、まもなく選挙です。シンディアナのユダヤ人スタッフの子供が「高校の友達にシンディアナの活動のことを話すことはあるけれど、議論にはならない。」と言っていました。選挙を機会に、本当の平和、共存とは何なのか、議論になることを願っています。

振り返って、平和で豊かな時代なのに自殺者が3万人を超す状況が続いている日本のことを考えさせられました。いまの日本社会の重苦しさはなんだろう。貧富の格差が広がり、時間に追われ、家族や友人とゆっくりした時間、暖かい時間を持つことが少ないのはなぜだろう。

日本は、このまま「強者の論理」で、国内的には競争社会、不平等社会、相互扶助のない社会に進むのか。国際的には、武力で物事を解決することに参加して行くのか。私たちが本当にどのような社会、国家を目指すのか正念場の一年になりそうです。

パレスチナ・オリーブの商品を販売する中で、買って下さっている皆様の平和への想い、活動をお聞きすることが多く、励みになっております。また、イスラエル、パレスチナで友人たちが頑張っているのだから、社会を変えて行くことをあきらめてはいけない、とも思います。

ひとりひとりが大事にされる社会を目指しフェアトレードを続けますので、今年もよろしくお願いします。(文:皆川万葉、編集作業:ほんかわ、イラスト:あだち)

 

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