『ぜいとぅーん』32号(2008.3.8発行)


昨年に続き、今年も1月〜3月にオリーブオイルとザータルの品切れが続き、ご迷惑をおかけして申し訳ありませんでした。4月上旬に入荷予定です。入荷後は注文が重なるため、お届けに時間がかかりますがご了承ください。(注:入荷予定は4月下旬になりました)

ガリラヤのシンディアナ

オリーブオイル

今回は、アーラ村のムギーラさんのオリーブオイルが届きます。一昨年にも日本向けに出荷してくれた農家です。

今回、契約農家からの生産者団体の買い入れ価格が25%アップし、生産者団体からパレスチナ・オリーブへの出荷価格も値上がりしました。しかし、シンディアナは、安定価格を目指していますし、パレスチナ・オリーブの販売価格は1年間据え置き、様子を見ることにしました。対円だけでなく、対シェケル(イスラエル通貨。パレスチナでも使用)でもドルが大幅に下落していることもあり、生産者団体が安定した出荷価格をつけにくくなっています。

値上がりの原因の第一は、今シーズンはオリーブの裏作であったこと。オリーブには収穫量の多い表作と少ない裏作が交互にあります(品質に違いはありません)。ガリラヤ地方もヨルダン川西岸地区でも、昨年の収穫量の3分の1と推定されています。

灌漑をしていないオリーブ林は、より裏作の影響を受けます。灌漑をしているユダヤ農家はあまり影響を受けないのです。イスラエルのオリーブオイル消費は年6%で増え、オリーブの生産を2倍にしようというイスラエル農業省の5カ年計画の最中で、ユダヤ人農家は助成を受けていますが、イスラエルのパレスチナ農家は対象に入っていません。

値上がりのもう一つの原因は、需要が増加したこと。

1991年の湾岸戦争前、ガリラヤ地方やヨルダン川西岸地区の余剰オリーブオイルは、ヨルダンを通じて、サウジアラビアなどの湾岸諸国に売られていました。しかし、湾岸戦争でパレスチナ・ヨルダンと湾岸諸国の関係が悪化したため、輸出の道が閉ざされていました。

一方、イスラエルの大手企業は、パレスチナの農家のオリーブオイルを買いたたいていました。さらに、ヨーロッパから安いオリーブオイルが入ってくるようになり、パレスチナの農家は売り先がなくなっていました。

しかし、数年前から湾岸諸国への出荷が再開し、また、ヨルダン川西岸地区でも欧米へのフェアトレードが始まってきました。オリーブオイルの需要が伸びてきたのです。また、2005年10月、パレスチナの「オリーブオイル評議会」が設立されました。搾取されないように、イスラエルのオリーブオイル評議会とともに、最低取引価格を決めています。イスラエルとパレスチナで価格に差をつけていません。

いいニュースのようですが、需要が伸びても、パレスチナの農家は供給を伸ばせていません。今年の価格の上昇は、収穫量の減少をカバーはしません。また、ガリラヤでもヨルダン川西岸地区でも、水の使用が難しく、一般に栽培技術も進歩していないため、収穫量が増えないのです(水を使用すると収穫量は2倍になると言われています)。イスラエル軍によるオリーブ林の破壊も続いています。

時期によって表向きの情勢が変わっても差別・占領といった枠組みは変わらないこの地域。何が人々の利益なのか、生産者団体と一緒に考えながら続けていきたいと思います。

ところで、ガリラヤ地方に住むシンディアナのスタッフは、日常的にヨルダン川西岸地区に行くことはできません。イタリアの団体の招聘で、ペルージャでシンディアナのスタッフとパレスチナのオリーブオイル評議会のメンバーが出会う、というような皮肉なことがありました。(「地中海の人々の平和と統合の機会」セミナー。イタリアの団体はパレスチナのオリーブオイルの製造技術向上を支援)

ザータル

『ぜいとぅーん』29号でお知らせしました通り、今シーズンから生産者がイルブーン村のナフーレさんに変更になります。最初はエスニックな味が受けいれられないかもしれない、と試しに輸入を始めたザータルでしたが、すっかり定番商品になりました。

キャロブ・シロップ

1瓶130g 630円、250本限定

カウカブ村のムスタファさんが、農薬を使わないで育てているキャロブから作りました。キャロブ・シロップは乾燥した黒いさや(豆も入ったまま)を水に浸けて煮詰めただけのもの。砂糖は加えていません。十分に自然の甘みがあり、見た目と味は黒蜜に似ています。限定入荷で販売して今回で3年目になるキャロブ・シロップ。ファンも増えてきました。パンやヨーグルトにかけてお召し上がりください(8ページ参照)。

生アーモンド(ドライアーモンド)

1袋100g 680円、150袋限定(一人5袋まで)

イクサール村のアーモンドがお試しで入荷します。ローストしていない、乾燥させただけのアーモンドでそのまま食べられます。大きめの実で風味豊かです。「ウンム・ル=ファヘム」というパレスチナの地元種の品種です(「ウンム・ル=ファヘム」という村が停戦ライン近くにあります)。

水利用の制限のためにアーモンドはオリーブと同様、天水によってのみ栽培していましたが、農家が収穫量を上げていくには、水が不可欠です。イクサール村の人々は、「イクサール灌漑協同組合」を作り、(難癖をつけて断られながら)苦労の末、水を使用する許可を獲得しました。これは、イスラエル内のパレスチナの村では例外的なことです。

食べ始めるとやめられない、止まらないアーモンドです。ぜひ、お試しください。

アーモンドはバラ科サクラ属。アジア西南部が原産地と言われています。パレスチナでは、2〜3月に花が咲きます。見た目は桜(ソメイヨシノ)にそっくりです。(逆に日本の桜の写真をパレスチナ人に見せると「アーモンドでしょ?」と言われます。)

ナツメヤシのかご

3,150円(22x14cm)〜、限定入荷

何度か通信でもお知らせしている、シンディアナとマアン(イスラエル内とエルサレムのパレスチナ人労働者のための団体)の共同プロジェクト。シンディアナの商品販売のレベルに達するのは数人です。重量感のあるしっかりしたカゴで大人気。価格の改定で値上がりしています。詳細はお問い合わせ下さい。

オリーブの枝で編んだカゴは季節が合わず、残念ながら入荷しませんでした。

 

石けん工場

オリーブ石けんもオリーブオイルと一緒に入荷します。(手作りのため、毎回微妙に色が異なりますがご了承ください)

3月初めに電話で状況を聞きました。

「ガザのように軍事侵攻はひどくなく、日常生活は送ることができている。子どもたちも元気だ。しかし、ガザの状況悪化に合わせて、2008年初頭からヨルダン川西岸地区の検問所の通過が厳しくなっている。今日は、ナーブルス、トゥルカレム、ジェニーンを移動したので疲れた。トゥルカレムの検問所では2時間待たされた。

今年は、石けんに使うオリーブオイルの価格も2倍になった。検問所のせいで輸送が難しい状況は変わらないし、パレスチナの経済は壊れたまま。顧客は海外に探すしかない状況だ。品質に自信は持っているから、頑張って売ってくれ!!」

 

イドナ村女性組合

イドナ村女性組合では、東エルサレムで作っている無漂白の綿布など原材料が値上がりしているため、商品の品揃えや価格の変更が検討されています。パレスチナ・オリーブの現在ある在庫の価格は変更しませんが、今後値上げの可能性があります。

イドナ女性組合で、製品の責任者であり、新製品の開発なども行なっていたヌハさんが、昨年結婚し、まもなく出産します。出産前までは毎日センターに通う予定だそうです。2年前には自分の夢は「イドナ女性組合を大きくすること」と答えていたヌハさん。小さな団体では個人個人の状況が団体全体にも影響します。ヌハさんに頼ってきたイドナ女性組合のあり方も否応なく変わらざるをえません。

 

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