『ぜいとぅーん』35号(2009.2.6発行)


(続)イスラエルの兵役拒否

イスラエルでは、18歳から男性3年、女性1年9ヶ月の兵役が義務づけられています。また、その後も予備役兵として1年に1ヶ月の兵役に就きます。

『ぜいとぅーん』30号(2007.10.4発行)で、ガリラヤのシンディアナのユダヤ人スタッフ、ハダスさんの娘のケセムさんが兵役の年齢を迎える、ということを書きました。その後どうしていたのでしょうか。

 

「今は、ボランティアに参加して兵役を『延期』しています。南部ネゲブ地方のベドウィン(イスラエル国籍のパレスチナ人)の学校に行ったりしています。普段はユダヤ人の若者たちの共同生活で、週末だけ家に帰ります」

「でも、いつまでも延期はできないから兵役拒否の方法を悩んでいます。兵役拒否の方法には4つあり、委員会に出て話をしなければなりません。

  1. 宗教的な理由(ユダヤ教の宗教学校進学)
  2. 身体的な困難
  3. 精神的な困難
  4. 政治的な兵役拒否(博愛主義など)

簡単なのは「精神的に問題があって無理」と言うことですが、私はきちんと政治的に拒否している、と言いたい。でも、その場合、いろいろ質問され、考えを変えるよう説得されます。「博愛主義や非暴力主義と言うけれど、相手が撃ってきたらどうするんだ?」など。うまく答えられる自信がありません。それに、政治的に拒否して刑務所にも入りたくありません。」

ハダスさんは、「両親が反シオニストでイスラエルの国家に反対していて兵役を許さない、って言えば?(実際に、他のユダヤ人スタッフの娘さんが過去に「親が許さない」ことを理由にして兵役を拒否したそうです)」「刑務所に入ると言っても、1ヶ月か2ヶ月でしょう??」などと言っていましたが、ケセムさんは親のせいにはしたくない様子でした。

ユダヤ人女性が兵役を拒否した場合、これまで投獄はほとんどなかったのですが、最近対応が厳しくなり投獄されることもあります。

そして、ハダスさんが弟のことを話してくれました。(ケセムさんにとっても初めての話だったようです)

 

1982年のイスラエル軍によるレバノン侵攻の際、弟は「人を殺したくない」と軍務拒否をしましたが、その後も、年1ヶ月の予備役にはずっと就いていました。

ある日、ジェニンの検問所で通行人のチェックをしていたとき、オリーブ農家のアベッドさんがやってきました(分離壁ができる前はガリラヤ地方からジェニンに買い物などに行く人は多かった)。弟は、恥ずかしくなって詰め所に隠れたそうです。私と一緒にアベッドさんとは家族ぐるみのつきあいをしていたから、IDをチェックして「通れ」なんて言えなかった。それ以来、予備役兵としての兵役も一切拒否するようになりました(拒否し続けているうちに、召集も来なくなりました)。

 

*ユダヤ系国民の9割がガザ攻撃を支持、という中で、ごくごく少数の人たちです。今回、12日頃に初めてガザでの「軍務拒否」があった、と聞きました。

 

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