Challenge No.76(2002年11-12月号)
良心的兵役拒否者との連帯「軍事刑務所上空を舞う凧」

西尾ゆう子さん訳


 

9月28日午後4時(土曜日)、6番軍事刑務所を見下ろす斜面で、収監中の良心的兵役拒否者を励ます集まりがあった。

集まりを主催したのは、「良心的兵役拒否者支援フォーラム」。このほかに、ヤーファ、ナザレ、マジダ・ル=クルームにあるバカー・センターの青少年組織も参加した。ほぼ100名(センターに所属する若者、フォーラムのメンバー、収監者の家族、友人など)が手作りの凧に平和と連帯のメッセージを書きこみ、その凧を軍事刑務所の上にあげた。参加者らは収監者を励ますためにムハンマド・ダルウィーシュの詩『凧(ティアラ)』をアラビア語とヘブライ語で唱和。刑務所内の兵役拒否者らは中庭から手を振ってこれに応えた。

手を振って励ましの声に応えた拒否者の中には、Yoni Yehezkel(19歳)もいた。Yoniはこの時、28日間の禁固刑に服していた。彼は最近、3度目の禁固を言い渡されている。自由な時間の合間をぬって、YoniはKhittam Na'amneh[訳註:チャレンジのスタッフ(パレスチナ女性)]と対談した。

ヒターム:凧があげられた日にはどんな気分だった?

ヨニ:わくわくしたよ。とても意味のある行動だと思った。みんなが言っていることはよく聞こえなかったけど、激励の言葉はたくさん耳にはいってきた。アラビア語の歌も聞くことができた。本当にすばらしかったよ。

ヒターム:軍務を拒否したのはなぜ?

ヨニ:『防衛の盾』作戦までは、自分は軍隊に入るべきだと思っていた。でもあの作戦後、占領地区で行われている犯罪にかかわっている組織に入ることは、どうしても良心が許さなかった。心理的な不適応を理由に兵役を免れることもできた。そういう友人もたくさんいたしね。でもぼくは、軍隊は良心による拒否を認めるべきだと思っている。正面から立ち向かいたかったんだ。

2月から『良心的兵役拒否者支援フォーラム』で活動している。テルアビブでの連帯集会があった時からだ。『フォーラム』は、政治的には国際主義的なアプローチをとっている。アラブ人の若者にもはたらきかけている。彼らとの交流はとても大切だ。アラブ人がぼくたちを支援してくれれば、この拒否活動には新しい意味が加わることになるからね。

『良心的兵役拒否者支援フォーラム』には数十人の拒否者がいる。メンバーの年齢は若く、イスラエル社会の基盤にある軍国主義的な価値観に異議をとなえている。彼らの拒否にこめられた勇気あるメッセージに注目する人はほとんどおらず、適切な関心が向けられているわけでもない。『フォーラム』では拒否者の意見表明をたすけ、社会に影響をおよぼしていくための組織作りを支援している。

 

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