Challenge No.80(2003年7-8月号)
“A Job to Win”上映―テルアビブの映画館で

明城和子訳


 

6月26日、ビデオ‘48はデモンストレーションに続けて”A Job to Win”の初上映を行った。未組織の輸入労働者と、彼らが地元の労働市場にもたらす影響について公に議論されている最中だったため、これはメディアの注目を集め、取材がテレビで生放送された。上映前の抗議の監視では、WACメンバーの労働者60人が、作業服とヘルメットのまま、直接建設現場からやってきた。

“A Job to Win”は、イスラエルのアラブ人建設労働者の窮状を扱う。彼らの多くは、政府が1990年代に建設業者が海外からの安価な労働力の輸入を認めたときに失業してしまった。

イスラエルのインティファーダ(2000年10月)拡大のひとつの原因は、アラブ人の間で失業が広がったことだった。因果関係に気づき、政府は一時的に海外からの労働者の移入を停止した。しかし、建設業界は、イスラエル人は働こうとしない、と抗議している。この映画は、職を探している人々とイスラエル政府上層部、双方へのインタビューを通して、この考えに異論を唱えている。また、ワーカーズ・アドバイス・センター(WAC)がどのようにこの事態の改善に挑戦したかを描いている。(アラビア語ではMa’anと呼ばれるこの組織は、今のところ600人の地元労働者に職を見つけている。)”A Job to Win”の中で、WACの国内コーディネーター、アサフ・アディブはWACが全ての労働者の権利を掲げていることを強調する。どの産業分野であろうと、アラブ人、ユダヤ人、海外からの労働者であろうと、権利は等しく守られなければならない。

フィルム上映後、ビデオ”48主催のパネルディスカッションが開かれ、この問題についての議論や、200人の聴衆との質疑応答が行われた。パネリストはアディブ、建設作業員のナシーム・アサムネ、そしてテルアビブで移民労働者のためのホットラインの代表をしているミリアム・ダルモニ・シャルビットだった。彼らの議論の要約を以下にまとめる。

アディブ:建設業界は、地元の人間は働く意欲がないのだと文句をつける。しかし、WACが示したように、これは全くの間違いだ。問題は別のところ、つまり大きな会社が輸入労働力を待ち望んでいるところにある。安く、搾取可能な外国人労働者はいわば金鉱のようなものであり、彼らを利用して地元の労働市場をめちゃくちゃにすることができる。もし労働力の輸入が再開されれば、WACの協力で仕事を見つけた人々も、再び失業してしまうだろう。私たちが労働力のさらなる輸入に反対する理由の1つはここにある。

アサムネ:まず、私がこの映画でどれほど感動したかを述べたい。映画の中で、私自身が朝まだ暗いうちに起き、仕事に出かけ、建設現場で友人たちと食事をとっているのを観た。建設業界の主張が何の根拠もないものであることを強調したい。私がWACで働き始めた時、この町のたくさんの人々から「自分も参加したい」という電話をもらった。できるだけ多くの人を仕事につけたが、さらに多くの仕事口が必要だ。失業補償を頼りに、家でじっとっ座り続けているのが好きな人などいないのだから。

ダルモニ・シャルビット:今日ここにいられることをとてもうれしく思う。イスラエル政府は、外国人労働者が諸悪の根源であるという考えを広めようとしている。私たちは、「外国人労働者が問題の原因なのではない」というWACの意見に賛成する。私たちは、外国人労働者を地元から仕事を盗みに来た泥棒としてではなく、対等な人間として位置付ける人権団体だ。外国人労働者は、招かれてイスラエルにやってきた。しかし、到着した時には大変な苦しみを味わうことになった。仕事主に依存せざるを得ず、労働環境に少しでも意見するものは「問題あり」というレッテルを貼られる。この結果、仕事主のもとから逃げ出し、不法滞在となり、仕事に必要な許可を失う人が数多くいる。建設業界は、このような労働者を国外追放し、代わりを輸入する許可を得ている。つまり、ここには私たちが「回転ドア」方式と呼んでいる、労働者を次々と輸入しては放り出すシステムが働いている。私たちは、外国人労働者の生活をさらに悪化させるだけのさらなる労働力輸入に、そして冷酷な国外追放政策に反対する。

 

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