「破滅的戦争を止めよう! すべての陣営の労働者が戦争の代償を支払わされている!」

2006年7月20日
ワーカーズ・アドバイス・センター(WAC-MA'AN)、ナザレ


訳者補足:マアンはイスラエル国内及び東エルサレムのパレスチナ人労働者のための団体で「ガリラヤのシンディアナ」と連携して活動しています。スタッフにはパレスチナ人もユダヤ人もいます。イスラエルの総人口約680万人中約130万人がパレスチナ人で、イスラエルの中で民族的・階級的に差別を受けてます。一方、イスラエル軍がレバノンに侵攻し、ヒズブッラーがイスラエルにミサイルを撃っている現在、イスラエル市民の死者の半数以上がパレスチナ人であるという複雑な現実もあります。(8月7日現在) 詳しくはこちら


[]内は訳者註。

7月12日以来イスラエルは、レバノンに対し圧倒的かつ残忍な戦争をしかけている。何百人もの無実な民間人を殺害し、中には一家族丸ごと殺されたケースもある。さらにイスラエルは、レバノン南部の基幹設備[発電所や道路など]の大半を破壊し、人道に対する災禍をもたらした。最も苦しめられているのは、労働者層と貧困者層である。それと同時にイスラエル軍は、ガザを容赦なく打ちのめ続け、そこでもまた無実の民間人を殺害している。こうした破壊活動すべての背後にある目的は、イスラエルの戦争抑止力を取り戻すことだ。イスラエルは、一方的に、すなわちパレスチナ人やシリア人らに譲歩することなく、振る舞い続けられるように、抑止力を必要としている。

だがこの戦争のなかで、イスラエル側もまた、ユダヤ人とアラブ人合わせて50万人以上の住む北部地域において、民間人の死傷者を出している。この衝突のすべての陣営の労働者階級は、戦争の結果がどうなろうとも、そこから得るものは何一つない。

パレスチナとレバノンの民兵組織については、われわれWAC(イスラエル内の革新派のアラブ人とユダヤ人労働者を代表する)は、その武力行使を正当化することはできないと考える。そうした武力は、パレスチナとレバノンそれぞれの民衆に諮られることなく行使されたし、またイスラエルがアラブ側の分裂につけこみつつ軍事力を誇示するために、きわめて好都合な口実を与えた。

われわれは、イスラエル軍の行き過ぎた武力行使を許容する国際社会の消極姿勢を懸念をしている。そして、世界の諸政党や労働組合など労働者の組織が、イスラエルに対して、停戦し国際的な境界線[レバノンとの国境およびグリーンライン]まで撤退するよう要求していくことを呼びかける。

イスラエルは、自分たちが最初に攻撃を受けたのだと言って、大規模な破壊活動を正当化している。だが、もしイスラエルが本当に和平に関心があるのであれば、もう何年も前に、シリアと、レバノンと、そして何よりパレスチナ人たちと、それぞれに協定に漕ぎ着けていたはずだ。イスラエルがなすべきだったのは、1967年[第三次中東戦争]に征服した地域[西岸・ガザ地区とゴラン高原]からの撤退と、その地域の人びとの正当な諸権利を承認することであっただろう。

イスラエルのそうした全面的な撤退なしには、和平も安定もありえない。もう戦闘を終わらせ、この地域のすべての人びとの独立と発展を保証するような諸原則に基づいた交渉を開始すべきときである。(早尾貴紀訳)