イスラエル政府がWACの解体を要求!


労働者を組織する権利は基本的かつ不可侵だ!

イスラエルの非営利組織(NPA)登録局の局長ヤロン・ケダールは、ワーカーズ・アドバイス・センター(WAC、アラビア語とヘブライ語ではマアン)の閉鎖を決定しました。登録局は、WACが「労働者の権利を守る」とは違う目的、「政治組織である『デモクラティック・アクションのための組織(ODA、アラビア語でダアム)』の利益を促進する目的で活動している」と非難しています。とりわけ、WACの資金がODAに流れていると指摘しています。

WACはこれらの非難を受け入れられません。WACは2000年にNPAとして登録して以来、すべてのエネルギーと資源を注いで、組織化されていない労働者、とくにアラブ・パレスチナ人の労働者の利益を促進してきました。労働者を組織して、ワーキング・グループを作り建設会社の仕事を確保したり、役所との交渉に当たるなどしてきました。WACの運営と会計に関する全ての書類を登録局に提出しましたが、登録局は、WACからODAに1シェケルでも資金が流れているという証拠を見つけることはできませんでした。

登録局はなぜWACの閉鎖を決定したのか?

話は登録局の前任者アミラム・ボゲットから始まります。彼は、WACの登録を拒絶しようとしました。2000年5月、エルサレムの裁判所は登録を認めるよう命じました。しかし、1年後、ボゲットは「WACは、政治活動の隠れ蓑で設立された目的を達成していない」という口実で調査を行ないました。その動機は裁判所の命令に対する異議申立てでしたが、ボゲットは、誰が申立てを行なったのかを明らかにしませんでした。調査リポートが公表され、ついに情報源が明かされました。WACに裁判で負けたことがあり、不満を持っていた元の労働者が申立てを行なっていたのです。ウソの証言によって、彼は登録局から、WACのライバルとなる非営利組織を設立する許可を得ました。

登録局の調査官は、レポートの中で「(WACは)職業紹介の分野で精力的に活動している」と認めざるをえませんでした。しかし、彼は、この活動の隠された目的はODAを前進させるものだと加えました。隠された目的とはどういうことでしょうか。それが隠されているならば、彼はどうやってそれを知ったのでしょうか。それともそれはもはや隠されていないのでしょうか。それを彼は光の下にさらしたとでも言うのでしょうか。ならば、なぜその証拠を示せないのでしょうか。存在しないイラクの大量破壊兵器のように、存在しないWACの目的は隠されたままです。

調査レポートは、他の非営利組織もそうであるように、「ODAの中心メンバーによって設立され、運営されている」と述べています。それがどうしたというのでしょう。一人の人間が、政党と非営利組織の両方で活動することは法的にも認められています。ODAは合法的な団体です。登録局は、何人かのメンバーを気にしています。1980年代、彼らはPLOと接触したことで罪に問われ、その結果、何人かは刑務所で服役しました。これが抗争の核心です。レポートはこう述べます。「これらの活動家はデレフ・ハニトッツを前身に持つ、と私に言った」と。そして調査官は、名前を並べました。登録局はこれが今回の件に何の関連がありうるのか何も言っていません。かわりに、サブリミナル効果を意図したメッセージを伝えています。「このような人々はNPAに参画させるべきではない。」

WACとODAの理念的な関連について言えば、誰もその共存を否定できません。そのような関連は、NPA法にいかなる意味でも違反していません。イスラエルの全ての政党は、多かれ少なかれ、NPAと理念的な関連性を持っています。

公共団体として、WACには数百名のメンバーが属していて、彼らだけがその機関の構成を決定する権利があります。

今日、WACのメンバーは600名以上にのぼります。国籍、ジェンダー、信仰、政治的傾向を問わず、全ての人に開かれています。アラブ人とユダヤ人メンバーの協働と平等の精神で、労働者とそのコーディネーターによって運営されています。リーダーは民主的な選挙で選ばれます。その何人かは実際、社会主義的な指向の持ち主です。しかし、そのことは、あくまでメンバーの民主的な意思によるものです。メンバーが、メンバーだけが、指導者を決定する権利があります。彼らが、彼らだけが、WACの方針と議題を決定する権利があります。登録局が、この方法に介入しようとすることは、すべてのWACメンバーの基本的な権利を侵害することになります。

この4年間、WACは、イスラエルで最大の建設会社を含む15の建設会社と労働契約を結んできました。それによって、数百人のイスラエル市民に仕事を確保しました。クネセット(国会)の外国移民労働者に関する委員会に定期的に出席しています。職業安定所と商工業省には、代表団として認められているのです。

イツハク・ガルノア率いる第3セクターのためのイスラエル・センター(ネゲウ゛、ベン・グリオン大学)による研究によれば、この抗争にはより広い文脈があります。社会変革のために活動する、結果として政府と対立するNPAの問題に関して、政府の一部、とりわけNPA登録局が過剰に介入することを警告しています。ガルノアは、登録局とアラブ・セクターで活動するNPAの関係について、自分の本の1章を割いています。彼は、登録局には偏見があることを指摘しています。

WACへの嫌がらせは、今日のイスラエルにおける社会経済的状況の背景に照らしても考えてみる必要があります。政府は、近年、社会福祉を削減し、何万人もの人々を社会保障のネットワークから排除しました。周縁の町、とくにアラブの村は社会経済的に荒廃しています。新自由主義により、政府は、権利を奪われている人々、無視されている人々のために正義を追求するWACのような組織を追いつめています。

労働者を組織する権利を求めて、WACは国内外で広報活動を始めました

WACは決して後退したり、登録局の命令に屈服したりしません。WACは世界中の労働組合と連帯関係、協力関係を持っています。ILOをはじめ、これらの労働組合に支援を求めたいと思います。「結社の自由と団結権の保護」(1950年施行のILO条約87号、イスラエルは1957年批准)は、全ての加盟国に労働者に結社の自由を与える義務を課しています。これには、条約に適するよう、政府の介入なしに組織の内部規則、運用(行動)計画、指導者を決定する自由が含まれています

WACは全ての人権団体、イスラエルにおける結社の自由と言論の自由に関心を持つ全ての人々に、NPA登録局との闘いに参加するよう呼びかけます。

(皆川万葉訳)

 

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