先日、TVをぼんやり見ていたら「宮沢賢治」の人生が、ちょろりと紹介されていた。
「アメニモマケズ・・ソウイウヒトニ・ワタシハナリタイ」
そう・・有名な詩で私は9歳位から知っていた。なぜ9歳かと言うと、その頃の
うちの台所には、この詩ののれんがかかっていたから・・・。
その頃の私は「今日の夕飯は何かなあ〜〜〜」と台所の前に立ちながら
その、のれんをしげしげと眺めていた・・。
「ん〜〜なになに、東に・・・な人があれば飛んでいき、西に・・・」
うろ覚えだけど・・
私は子供の頃の方が冷めていたのかもしれないなあ・・昔は
「こんな人に、なりたいかなあ〜〜大変そう・・」と思った・・・。
でも今は単純に「かっこいい」と思える。
宮沢さん・・あなたは、かっこいい・・・・。
あの時代の農業指導は死活問題、命がかかってる。娘たちの身売りも
かかっている。不作になれば「手違い」じゃ済まない。
どれだけ、たくさんの人に責められるか・・どれだけ、たくさんの
悲しみを見なきゃならないか・・・責める方も必死だろう。
家族を売らなければならないんだもの・・・。
どれだけ辛かったかな?どれだけ悲しかったかな?
だから、あんな詩が書けたんだろうな・・
数え切れない程の本当の悲しみの前に自分が責任者であり、そして「無力」で
あると感じた時、
人は、きっと、ああいう詩を書くんだろうな・・・。
ああ・・現場に戻りたい・・調査員もいいけど・・直接、人の悲しみと手を
取り合える・・・現場が・・いいな・・・・。
[2001年10月4日 21時10分33秒]