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夫の独り言

マイノリティーズ(Oct.15, 2000)

 江國さんの本を読んでいて私が感じるのは、普通とはちょっと違う人に対する江國さんの暖かい眼差しです。たとえばそれは、ゲイであったり、アル中であったり、いい気な大人であったりします。英語ではこのような人たちをminoritiesと言います。私がアメリカに留学していたとき−−−留学と言っても3ヶ月の短期ですが−−−英語の先生の一人はゲイでした。それまで、身近にゲイの人はいなかったので、あまり良い感じは持っていませんでしたが、その先生に会って、ゲイに対する考えは変わりました。変わったと言うより、偏見のようなものが無くなったと言った方がいいかもしれません。男の人で、女ではなくて男が好きな人。たったそれだけ。それだけの違いを大きいと見るか小さいと見るかはその人によるのでしょうが、私は個人的にはその先生が好きで、今でもたまにメールをしますし、日本に来たときは妻と二人で東京に会いにも行きました。アメリカにいた頃感じたことの一つに、世の中にはいろいろな人がいて、その中の一人である自分も、これでいいと思えることです。自分はこれでいい。そして、今は地球のここにいて、こんな生活をしている。
そういう感覚は、「空港効果」*に近いものがあるのかもしれません。
江國さんもアメリカに留学していますね。きっと留学中に、いろんな人を見てきたのでしょう。今後、江國さんが作品の中でどんな人を書いていくか楽しみです。

*「空港効果」は「都の子」に入っているエッセイです。