祝 ハリウッド映画化決定!

アヤシイぞ! DB実写版
〜噂のドラゴンボール実写版(台湾製)鑑賞レポート〜

 1998年の秋、子どもが学校の帰りに映画会のチラシをもらってきた。町の多目的ホールでアニメなど6本立ての上映をやるらしい。チラシが割引券を兼ねていて、料金はひとり800円、1枚で5人まで有効とある。

 一目見たとたん、私の目はチラシに釘付けになった。(チラシをみたい人はここをクリック!)
「ドラゴンボール」だと!? それもアニメじゃない。実写だ。(あとでチラシを確認したら、正確なタイトルは
「ドラゴン7(セブン)ボール」だった。)

「悟空と亀仙人に強力なライバル出現!おなじみの仲間達が顔を揃えて、一大アクション映画!」
 おなじみの仲間って誰なんだ!?
 サングラスをかけ、亀の甲羅を背負っているのはまぎれもなく亀仙人だろう。
 それじゃ、その横に立っている少年が悟空? 髪に花をさし、ムームーを着てマシンガンを持っているのはブルマかランチさんか?
 これは何としてでも観に行かねばなるまいて。


……というわけで行って来た。
 DB実写版、時間にして45分くらいだっただろうか。ジャッキー・チェンの初期の映画のような感じ。香港映画かと思っていたら、
台湾映画だった。

 悟空役の男の子は見ようによっては可愛いと言えなくもないんだけど、目バリがきつくて、すねた表情は
若い頃のコロッケに似てる(^^;)。カニ頭ではなく、ごく普通の短髪。
 道着は色が違っていた。山吹色の部分が赤、紺色の部分が黒で、靴は赤。デザインは原作の道着を再現しようとしている努力のあとがうかがえる。悟飯じいちゃんも全く同じ道着だった。

 オリジナルタイトルは「新七龍珠」。そこに「ドラゴン7ボール」と日本語のタイトルがかぶさる。
 多分、2作目なんだろう。設定も何も説明なしで、どんどん話が進んでいく。
 原作に忠実だったのは唯一亀仙人だけで、設定だけを借りた全くの別物として見たほうがいいかも。ちなみに亀仙人は亀老師さまと呼ばれていた。
 音声が不鮮明でよく聞き取れなかったので、残念なことに物語の流れしかわからなかった。

 ストーリーはパオズ山の悟飯じいちゃんと悟空の家から始まる。
悟飯じいちゃんは60歳代くらい。銀髪をおばさんっぽいショートヘアにして眼鏡をかけている。
 冒頭、悟飯じいちゃんと悟空の闘いのシーンがあるのだが、じいちゃんが悟空に修行をつけてやってるのか、ただじゃれ合ってるだけなのか、よくわからない。悟空はヌンチャクを扱うブルース・リーのごとく
如意棒を使いこなしていた。
 二人とも身のこなしが軽く、木から木へ飛び移ったり、飛んだり跳ねたりとよく動く動く。

 さて、家の中でじいちゃんが悟空に
ドラゴンボール(無色透明で、実物よりやや小さく、手のひらに握って隠れるくらい)を見せ、「わしの命はどうなってもいいから、これを守れ」と言っていると、突如として金髪碧眼の美女がマシンガン持って乱入!
 まさか、これがブルマと言うんじゃあるまいな; と思っていると、特撮モノの悪党みたいなやつらが戦車で現れ、さっきの美女も悪党の一人と判明。
レッドリボン軍のつもりなんだろうか?

 そういや、悪党の隊長らしき男はグラサンかけててメタリック軍曹のようなイメージだった。みんな中世の騎士の鎧のようなコスチュームで、ザコどもは銀色のお面のようなものをかぶっていた。

 家は爆破され、じいちゃんとDBが奪われてしまう。そこへジープに乗った、テンガロンハットにウェスタンブーツの、一文字眉も凛々しい髪の長い女性が登場。悟空にやたら「悟空」と呼びかける馴れ馴れしさを見ると、
どうやら彼女がブルマらしい。
 空中を飛んで(と言うより、滞空時間の長いジャンプという感じ)悪党どもを追いかけようとする悟空を、ブルマは無理矢理ジープにひっぱりこんで二人して悪党を追いかける。しかし、返り討ちにあって、ジープは爆破されてしまう。

 場面変わって海の中の小島。赤い屋根に白い壁、窓枠や階段も真っ赤の極彩色の中国風カメハウスに、おなじみ
亀仙人が登場。でっかい亀の甲羅を背負っている。この甲羅、危険な時はまさに亀のように頭と手足を引っ込めて、中に隠れることが出来るらしい。

 じいさんは腰を振り振り、ファンキーなダンスを披露。筋斗雲の上に乗ったとたん逃げられて空中から落っこちたり、逃げる筋斗雲にロープを引っかけて、サーフボードに乗ったまま水上スキーのように海上を引きずられる―――などのマンガチックなドタバタがしばし続く。

 そうこうするうち、
水上バイクに乗った金色のマントの男登場。
 なんなんだ、こいつは。髪はボサボサで、後ろで申し訳程度にお下げにしている。ヒゲの剃りあとが濃くて、ハの字眉毛が気が弱そうな感じ。

 金色の縁取りのある白い服、白いブーツ、まさか、王子のつもりでは―――と一瞬悪い予感がよぎったけど、大きな刀を振り回し、言葉をしゃべる白いオウムを連れているところといい(プーアルの代わりらしい;)、
ヤムチャのようだ。
 ただし、彼の名前はラ○○(忘れた;)とかいった。
 亀仙人に強盗呼ばわりされたヤムチャは、苦し紛れに、「亀老師さまを襲いに来る奴がいると知らせに来た」と出まかせを言う。

 そこへ、モーターボートに乗った悟空とブルマ登場。
 なぜか14〜15歳くらいのサリーのような服を着た少女と、丸いサングラスに、これも短髪の後にお下げをくっつけた、ウガンダのようなデブ男が一緒。
 ブルマはここでは長い髪に赤いハイビスカスの花をさし、太股までスリットの入った赤いムームーというハワイアンスタイルで亀仙人を悩殺;;。

 亀仙人は「ワシを襲いに来たのはおまえか!?」とデブ男や少女に順に訊いていくが、ブルマの姿を見るや、へろへろ〜になって、「こんないい女がワシを襲う訳がない」などと言いつつ、上から下までなめ回すように見る。

 「誰が亀老師さまを襲うなんて言ったの?」と尋ねるブルマに「あいつだ」とヤムチャを指す亀仙人。ヤムチャの姿を見つけたブルマは「ラ○○!」と彼の名を連呼しながら追い回す。
 
女性恐怖症らしいヤムチャは、ベッドの下に隠れたりして家中を逃げ回る。
 結局、襲いに来たのはお前だろうと誤解された悟空と亀仙人の立ち回りのあと、ブルマたちが来訪の意図を告げる。

 悪党たちにブルマと悟空と少女の村にあったDBを計3個、奪われてしまったので、どうすればいいか亀仙人に知恵を貸してもらいに来たのだった。
 デブ男の正体は不明のまま、彼がなんで一緒についてきたのかもわからない。

 亀仙人は筋斗雲を呼んで、「これは嘘つきや、心根の卑しいものは乗れない雲じゃ」と言い、皆に乗ってみろと言う。
「ワシは乗れる!」と豪語するも、亀仙人はもちろん乗れない。
 続いてヤムチャが挑戦するが、筋斗雲は彼が飛び乗ると散り散りになって逃げてしまい、ただひとり乗ることの出来た悟空が筋斗雲をもらうことになる。
「オラが呼んだら来いよ」と言う悟空に「OK」という字を作って飛び去る
お茶目な筋斗雲(笑)。

 ヤムチャも自分の持っているDBを1個差し出すことになるのだが、感激したブルマにほっぺたにチュッとされてひっくりかえる。
 彼の目がスロットマシンのようになり、最後にハートマークが二つ揃うという、
芸の細かい演出が泣かせる。

 そうこうするうち、悪党たちがエアカー(というより、古い特撮映画のUFOっぽい)のようなものに乗って襲って来て、戦いのあげくカメハウスは爆破される。(爆破するのが好きやな〜、この監督)

 強いんだわ、亀仙人。気功波だって撃っちゃうしね。かめはめ波ではなかったのが残念だけど。彼の気功波は、両手をまっすぐ掲げ、それぞれの手のひらから別々に光線状のものが発射されるという仕組み。

 悟空はカメハウスが爆発する前に筋斗雲を呼び、如意棒を伸ばしてブルマ達をすくい上げる。ブルマも少女もデブ男も一緒にそれで逃げるんだけど、筋斗雲って悟空しか乗れなかったんじゃないのか?

 最後にジャングルの中にある少女の村で決戦があり、悪党の親玉(大王と呼ばれていた)が出てくるのだが、
どうやらピッコロ大魔王のつもり(?)らしい。
 でも、顔を真っ青に塗っていて、半魚人のような耳に悪魔に取りつかれた山羊のような大きな黒い角が2本あるという、
なんやようわからん外見(^^;)。

 戦いが始まり、デブ男がマシンガンで悪党一味の金髪美女を射殺。メタリック軍曹と闘う亀仙人を助けようと、マシンガンを構えるブルマ。しかし、動き回る二人になかなか照準を合わすことが出来ない。

 やっとぶっ放すのだが、軍曹の下半身だけ残して大爆発が起こる。
武器で敵を片っ端からぶっ殺すという、なんかDBらしからぬ展開(^^;)。
 
どうした悟空!? なにも活躍してないぞ!!(笑)

 人質になっていた悟飯じいちゃんを救うものの、DBはすべて大王に奪われてしまう。ここで亀仙人が助かった悟飯じいちゃんに初めて「悟飯!」と呼びかけるので、ああ、全然原作と似てないけどやっぱり悟飯じいちゃんだったのね、と、なんだか感激。

 決戦の前、デブ男がDBの最後の1個を持っていたということが判明する。彼は「師匠に言われて秘密にしていた」と言うのだが、
結局この男の正体はわからずじまい。師匠って誰?
 大王に洗脳された村人たち(なぜかインドのサリーのようなものを着ているのだが、顔はベトナム人っぽい)が、悟空たちに襲いかかったりして、
またまた大ピンチ!

 亀仙人が、「6個のDBは全部、大王の腹の中だ。残りの1個をあいつに飲ませてしまえ」と言う。
 
亀仙人と大王の気功波と気功波がぶつかり合う大決戦!
 押し返されそうになる亀仙人の背中を支えて、そっとフォローする悟飯じいちゃん(笑)。

 なんとか亀仙人が勝ち、無理矢理、大王の口にDBを押し込もうとする。ここで悟空が如意棒を伸ばして、最後の一撃でDBは大王の腹の中へ。
 大王は爆発し、7つのDBは空に昇って残っていた最後のエアカーを巻き添えにして爆発。
 空は別に真っ暗にもならず、
神龍が現れる。神龍は緑色ではなく全体が金色に輝いていて、横になった状態で天高く浮かんでいる。

「おまえたちの望みを言え。1つだけかなえてやる」と言う神龍に亀仙人とデブ男が何か言おうとするが、とっさにブルマたちが横から二人の口を押さえてしまう。
 うーむ、この展開を見ると、第1作目では彼らが「ギャルのパンティーおくれー!」とか何とか叫んだのかもしれない。

 そう考えるとこのデブ男は
ウーロンなのだろうか? そして、少女はスノという設定なのだろうか??
(男がウーロンの扮装をしているシーンが下の<追記>で紹介したHPに載っているのだが、私は見た覚えがない。日本語版を作る際にカットされたのだろうか?)

 少女が「世界を元に戻して」と言って、願いはかなえられ、村人たちは正気に戻る。そして、神龍が消えると同時に7つのDBは四方八方へ飛び去って行くのだった。
 めでたしめでたし。

 最後にヤムチャが
「オレの願いはおまえと決着をつけることだ」と悟空に言い、悟空とヤムチャが空中へ飛び上がり、闘うところでストップモーションになる。
 子供たちが台湾語で歌うテーマ曲が流れて終わり。

 エンディングもへったくれもなかったので、声優名とか確かめられなかったが、オリジナルの声優さんたちとは別人が演じていたことだけは確かだった(当たり前だ)。
 それにしても悟空は主人公らしくなかったなー。全然活躍しなかったし、亀仙人の独壇場だった。

 この映画も入れて全部で6本立てだったのだが、他の映画を観ても古いTVアニメを1話ずつ適当に寄せ集めた安っぽいセットという感じ。会場の入り口ではポケモン商品が当たるくじ引きで客集めをやっていて、文房具やおもちゃを売っていた。

 映画で子供を集めて、こういうものを売るのが目的の企画なのかな。主催は
日本ムービー企画となっていた(電話番号の市外局番は06。ということは大阪の会社らしい)。
 あなたの町にもやってくるかもしれない。観てみたい人は要チェックだ!(笑)


− 追記 −

 このページを見た方々からいろいろと教えていただきました。 
 shinyaさんという台湾の方、ぎんさん成宮りょうさん、本当にありがとうございました。そして、DATゾイドさん、HPの紹介を快く了解してくださってありがとうございました。
 提供していただいた情報を元に補足を少々。

◆◇◆ 必 見!! ◆◇◆
 DATゾイドさん運営の
ゾイド穴では、「ビデオスープ」というコーナーの「アジアン映画」のページの下の方で「新七龍珠」の解説をされています。素晴らしくツボをついた表現で(って、ライターさんなんですね! 納得)、大爆笑してしまいました。ぜひぜひ行ってみてください。
 登場人物の映像は
ここ

 また、DATゾイドさんによると、DBの実写版は台湾製の他にも、韓国製と香港製があるそうです。
「韓国製はとにかく金がかかってなくて、亀仙人のカメハウスのセットにいたっては板キレ一枚で悟空のキントウンも地を這う始末。ウーロンはただのハリボテです。
 香港製の方は、厳密にはゲームのストリートファイターの実写版で、一時間半くらい延々とストIIのキャラ達がボスを倒そうとしているのですが、ラスト五分で急に悟空が横から出てきてボスを倒すというめちゃくちゃなモノです。ひでぇ」

 ……だとか。ここまでやってくれるとかえって清々しいものを感じますな(笑)

 こちらにも詳しく画像やレビューが載っています。「a Black Leaf」さんの「アジアからの刺客!ドラゴンボール実写版」

 韓国製DBの画像「かに温泉」さんの「ドラゴンボール(韓国版)」をご覧下さい。このページの上にも「ドラゴンボールっぽい奴等」というアヤシげな画像がいろいろと……。あまりのすごさに感動します(純粋なファンは見ない方がいいかも(^^;))。

 こちらにさらに詳しく載っています。「a Black Leaf」さんの「【実写版】韓流ドラゴンボールですが何か質問ある?」のページ。

 さて、shinyaさんの情報によると「新七龍珠」が製作されたいきさつは……
 「この映画は93年製作で、資金がないため、上映も1週間ほどで収益も少なかったらしいです。ただ、記念としての価値があるため、ビデオ化された」とか。

 ぎんさんと成宮りょうさんの情報によると、悟空とヤムチャ役の俳優さんは、なんと「来来キョンシーズ」や「幽幻道士」と言うタイトルで、十数年前に日本で大ブームを起こした台湾映画や番組に出ていた子役たちなのだそうです。

【配 役】(敬称略) いただいた情報をもとに配役などをまとめてみました。
監 督 陳俊良    
悟 空 陳子強  キョンシーものではチビクロ役をやっていた人で、最近の出演は映画「金田一少年の事件簿」
 彼の顔を見てみたい人は、成宮りょうさんのHP「AQUA ZONE」へGO!!
 「新七龍珠」ではフィルムがボロかったのと、メイクが変だったせいでよくわからなかったけど、このHPで写真を見てビックリ。カワイイじゃないか!(笑)
 「AQUA ZONE」の中の「新七龍珠」の紹介ページもぜひ見てね。映画のシーンが載っています。ウーロンが化けた(?)ブルマが亀仙人にパフパフ……なんてシーンも見られる(そんなシーンあったっけ; 覚えてないや(^^;))
ヤムチャ 鄭同村  キョンシーものではトンボ役をやっていた俳優さんです。
 ぎんさんが運営されている「Green House」へ行けば、彼のことがわかるよ! キョンシー映画に出ていた頃の写真もあります。
ブルマ 謝金燕  彼女は有名ではないけど、父親が有名人だそうです。なんとかの七光というやつですね(^^;)。
 ブルマの台湾名は「ヤートゥ」。「小娘」という意味だそうです。台湾では女子生徒がブルマをはくということはないので、ブルマの意味じたいがわからないそうな。
 同じ理由でブルマとトランクス、ブラの名前のつながりが台湾の人にはわからないらしい。
亀仙人 黄仲裕 脇役専門の俳優さんらしいです。

 以上です。貴重な情報をどうもありがとうございました。(^-^)
※私はキョンシーものは見たことがありません。メールやBBSでキョンシーの話題を振られてもお答えすることができませんのでご了承ください。

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