簡単ですが、番組のレポートを。 NHK総合で10月23日(金)20時〜20時45分放送。再放送は24日(土)10時から。NHK大津放送局製作 ※関西地区のみ ナレーションは世界のナベアツ。名前の下に(滋賀出身)とテロップが出る。ヘタだったけど真面目くさって頑張って語っていた。 9月中旬、三井寺を訪れる貴教。音楽を志した10代のころ、近くでバイトしていたことがあるが、訪れたことはなかったという。 フェスを開催するきっかけの話が出る。2008年10月の滋賀観光大使就任の映像。「イナズマ」の命名の由来。 三井寺に戻り、小林執事補さんと一緒に琵琶湖が見渡せる高台へ。歓声を上げる貴教。対岸に烏丸半島の風車が見える。 三井寺は歌川広重が描いた近江八景の中で「三井晩鐘」として描かれている。琵琶湖の湖面に響き渡る美しい鐘の音もまた優れた風景のひとつだとして描かれたもの。晩鐘は日本三名鐘のひとつである。 鐘の厚みに驚く貴教。鐘をついてみる(参拝客もつけるらしい)。 「あったか味のある音」「遠くで聞くと金属の音がするが、近くだと低い周波数の音がいつまでも響いている」と感想をもらす。 鐘の音に耳をすます貴教の顔がアップになる。グレーのカラコン。色白で肌がつやつやできれい。とても39目前のオッサンには見えん(←おい;)。 場面は烏丸半島に変わる。いくつかの候補からここが選ばれた一番大きな理由は、琵琶湖に面しており、水や風を肌で感じながら、自然と自分が共存していることを感じてもらい、この自然をどうやって残していくか考えてもらえるんじゃないかと思ったからだとのこと。 小学校入学式のとき(昭和52年)の写真と小5のとき(昭和56年)の写真が映る。かわええ〜。 彦根市で生まれ、野洲市で育った。祖父に連れられて琵琶湖で釣りをしたという生い立ちが語られる。 琵琶湖の南、瀬田川へ。川に棲む魚を通じて生態系の変化を調べ、琵琶湖を元の姿に戻そうというNPO「ぼてじゃこトラスト」(活動14年目。メンバーは100人近くいる)のおじさんたちと会う。 「ぼてじゃこ」とは「たなご」の愛称。ぼてじゃこの一種、カネヒラを見せてもらう貴教。祖父と釣りをしたときによく見たが、今は数が減っているという。 釣りをする貴教。 休耕田を掘って池にしたという「ぼてじゃこトラスト」所有の池へ。 ぼてじゃことめだかを放ち、ハスを植えたらイトトンボがやってきた。自然環境を整えると、見事に生物は戻ってくるんですと語るおじさん。 池のほとりの小屋にある水槽には魚たちが泳いでいる。約460ある、ほとんどの河川が琵琶湖に注いでいる。林業、農業、漁業に携わる人たちが琵琶湖を守る一点でつながっているところが素晴らしい県だと思うと話すおじさん。 「琵琶湖の水を守ろう」をテーマにしたイナズマロックフェスの広報活動のため、1週間で関西から北陸まで2府5県を精力的に回る貴教。これだけ地方を回るのはデビュー以来。ラジオやテレビなどに出演する姿や新幹線で移動する姿が短く切り替わる映像で見せられる。 7月1日「びわ湖の日」。嘉田知事とともに清掃活動に参加する貴教。船から湖岸に降り立ち、「沖から琵琶湖を見たことがなかったんで初めての体験です」と話す。知事と一緒に山積みになった雑草(?)をトラックから大きいフォークみたいなもので降ろす。 黙っていては伝わらない。自分が先頭に立って動くことで若い者がエコについて考えてくれたら・・・とナレーションで貴教の思いが代弁される。 場面は変わって大津市の成安造形大学。フェスのボランティアを募集するポスターが。100名以上の応募があったという。(ここの学生さんやったんか! トイレ掃除やらゴミの始末やらライブ会場の受付やら、献身的に働いてくれてました) ボランティアスタッフが着るTシャツのデザインも募集される。さすが造形の大学だけある。これにも100もの応募があり、黒地に黒のスニーカー(紐は紫)から稲妻が上に向かって走っていて、なぜかウサギの絵がついている作品に決まる。琵琶湖から大きなパワーを放電するというイメージで作ったと説明する女子学生。 うわ〜、ボランティアの子たち、そんなTシャツ着てたんや。気づかなかったなあ。テンパってて。次回のフェスではじっくり見るからね。そして「ありがとう」って言うからね! 近江八幡市の西の湖。琵琶湖のほとりに生える「よし」を使ったよし笛で音楽活動をしている「日本よし笛協会」の男女登場。地元ではよし笛を授業に取り入れているとか。 1本1本手作りのため、音色が違う。吹き方は簡単で、上唇を少しかぶせて下唇を当てて吹くだけで吹ける。 音が鳴り、「鳴った!」と喜ぶ貴教。 国が指定した文化的景観の第1号だという場所に立つ。 貴教「東京でこれだけの幅の空を見ようと思ったら大変ですよ」 その風景の中、協会の人が「もみじ」を合奏する。聴き終わって拍手し、「あったかい音ですね」と感想を言う貴教。 水鳥にとってもよし原はねぐらになる。そのよし原がだんだんなくなっていっていると話す女性。 貴教「琵琶湖は当たり前のようにあるもんやと思ってたけど・・・最近、自分にとって地元にあったものがどういうものだったかを考えるようになって・・・そういうことをちゃんと伝えていってくれる人がいるということはすごく大切なことなんだと思います」 本番前日(9月18日)。 フェスの持つ意味合いについて、「自分なんか何をしても変わらないと思う人とか、そういう考え(何かを変えようという考え)を持たない人に音楽を通じて考えてもらえたら」。 インタビューの最後にぽつりともらす。「ここ数日全然眠れないんですよ」 そうだろうね。これだけの規模を主催した人間として背負った荷物はとてつもなく大きくて、それは一介のアーティストが背負わなきゃいけない重圧をはるかに超えてるよね。ファンクラブのメッセージでもしばらく前から「2時間くらいしか眠れない」って書いてあったもんな。 フェス当日。19日(土)。 ナベアツとの2ショット。滋賀出身のお笑い芸人が場を盛り上げたというナレーションのところでナベアツ登場。「滋賀の人?」「滋賀から来た人?」と観客に手を挙げてもらい、県外が圧倒的に多いと「滋賀以外っていうことを誇らしげにするのやめてもらえません?」と笑いをとる。 ボランティアTシャツを着た学生たちがライブ会場の入り口でリストバンドを渡したり、ゴミの始末をしている様子が映し出される。 夕焼けがきれいな空。姿は見えないが、ステージからはTAKUYA∞の歌声が聞こえる。 turboコールの中、バックステージの貴教。1日目のトリはa.b.s.とナレーション。映像提供はフジテレビNextとなっていた。 アンコールで、フェスTシャツを着た貴教が「今日のこの日が来るまで、この1年間、ほんまに大変なことばかりでした。スタッフや滋賀県職員のみなさん、観光のみなさん、滋賀県でフェスをやることを承諾してくれた滋賀県に住んでらっしゃるみなさん、本当にありがとうございました」と感謝の言葉を述べる。 「a.b.s.らしいスタイルで感謝の気持ちを表したいと思います。新曲!」と、「From Dusk Till Dawn」を歌う。フルではなかったかな? カットされたか、ちょっと短かったような・・・でも、地上波で放送されたのはこれが初じゃない?琵琶湖の景色を思いながら作った曲ということで流されたみたい。 琵琶湖の風を受け、髪をなびかせながら熱唱する貴教。野外ライブならでは、湖岸ならではの風景ですなあ。感無量。 2日目(20日)。 MICROと肩を並べて仲良さそうに歩いている。T.M.R.の衣裳に身を包み、メンバーと気合を入れる。 いきなりラストのロングTシャツ姿。ハアハアと息を弾ませている。前髪も乱れて落ちてきている。 「僕にとって琵琶湖はしるし。湖があるからここが僕の出身やねんって言える。家族もいるし、育ってきた人生もあるし、オレは一生どこに行っても滋賀県の人間や」 そしてラスト。「13年前、このシングルを抱えていろんなところを回りました」と「HEART OF SWORD 〜夜明け前〜」途中カット(ひでぇ;;) 会場では気づかなかったけど、だいぶ疲れてるみたいだった。でも、前奏前のフェイクは惚れ惚れするほど美しかったし、最後のフェイクはパワフルだった。 「愛してるぜイナズマ!」 歌い終わり、最後の伴奏が流れる中、貴教の目から涙が流れる。 「よっしゃー。最後いっせいに跳ぶぞ。せーのっ」ジャンプ! 「この言葉を最後に言いたいと思います。また会おうぜー!!」 深々と礼。 グランドフィナーレの花火。ステージ横で見上げて歓声を上げる貴教。 終演後、ボランティアの学生がゴミを集めて清掃をしている。 10月6日。成安造形大学では、フェスを振り返る特別授業が行われていた。フェスの感想を述べる学生。(そういえば女子ばっかりだったな) 終盤、サプライズで貴教登場。え〜〜〜〜っと驚く学生たち。 「音楽だけじゃなく、みんなで一緒にモノ作りができたらいいなと思います。いつか一緒にまたやりましょう」と話す貴教。 フェスがあった烏丸半島の芝生広場で。「穏やかですね。あんなに騒がしかったなんて信じられない。音楽と人が奏でる音・・・生命力というか、そういうのを感じる。すべてはここから始まるような気がします」 アーティスト西川貴教にとって、ふるさと滋賀は新たな出発点となった。(と締めくくりのナレーション) |