「空の向こうへ」


空の向こうへ飛んでゆきたい
飛べないから
苦しんでる人々

一台の戦車が家を潰してゆく
中には幼い子供が取り残され
命は瓦礫に散った
絶望に叩き落されて
泣き叫ぶ母親は言う

「神よ、あの人々を呪いたまえ、、、」

声にならない祈り
通じるはずも無い

空の向こうへ溶けてゆきたい
飛べないから
苦しんでる人々

戦争というのは大義名分があって
支配者が自己都合でこじつけている
配下の兵士が次々と戦死する中
自分だけ一夫多妻で笑ってる

荒地に咲いた赤い花は
それは美しいケシの花
まるで人の血を吸い取ってるようだね
略奪と麻薬に染められて
逃げる術持たぬ一般市民の悲劇

空の向こうへ飛んでゆきたい
飛べないから
こんな醜い世界で生かされてる

冷たい鉄格子の中
手足縛られ処刑台へ強制連行される
傍には空腹の野良犬が
「肉」を目当てにうろつく

空の向こうへ飛んでゆきたい
翼は無いけど
もう飛ぶしかない
こんな世界など未練は無い

空の向こうへ
別れを告げるよ
さよなら