「青い月の下で」
今日も夜が訪れる
そしていつもの月が昇り始めた
月を眺める人々
しかしその光景は何かが違っていた
月は青白い光を放つ
その月の下に集まる人々
目は虚ろに見え
太陽の光を嫌っているようだった
虚ろな瞳は涙目で
迫害しないでと訴える
涙を流すことはできても
過去を流すことはできないと
青い月に集まる人々に
深く刻まれた差別の歴史
精一杯の自己表現は
社会によって却下されつづけた
青い月に集まる人々は
特異性を社会に認められなかった
彼ら彼女らを
理解してくれる人もいなかったわけではない
しかし世間に出れば
偽善的な物言いと片付けられる
それは目に見えていた
不自然さだけがその根拠だった
今日は青い月が昇る日
月光の下に集まる人々
何をするというわけでもない
本当に普通の人なのだ
虚ろな瞳は涙目で
存在を認めてと訴える
語りきれない過去はもういらない
せめて未来は解放に導きたいと
今日は青い月が昇る日
大きい月は存在感を増す
黙して語らぬ月は満ち
集まる人々を照らし出した
虚ろな瞳は涙目で
人の生き方の自由を訴える
勝手な都合で人の優劣を決めないで
私達も普通に生きたいのですと
虚ろな瞳は涙を見せず
集まった人々で仲間を見つけた
顔は青い光に照らされて
それは解放された瞬間だった
虚ろな瞳は涙を見せず
青い月無しでも笑えるだろうか
そのためには社会が彼ら彼女らを
認めてやらなければならない
あなたは認めますか
あなたは認めませんか
青い月の下に集まった人々を
真実を知られなかった人々を