「バルト海の航路」


静かに広がる海
涼しい風が吹き抜けて

草木も動物も
そして人間も
短い夏を精一杯楽しむ
ストックホルムの街

ゆっくりと陸から離れる
船の上から
まだ沈まない太陽を見てる
午後11時
水平線が赤く染まる

気がついたら
しばらく眠っていた

中世より続く
このバルト海の航路で
船に揺られた
幼い頃の思い出は

お土産に買った
ただ一体の木彫りの馬だけが
静かに
今へと語り継いでいる