進化し続けるイチロー

 

最近、一冊の本を買った。

その本のタイトルは「イチロー 勝利の方程式」(永谷脩:著。三笠書房)

これを読んで、私はさらにイチローという人間を尊敬するようになった。

 

イチローの名前を知らない日本人はもはやいないだろう。

1シーズン210本安打、7年連続首位打者、リーグ最多の16個の刺殺、216打席連続無三振・・・など

誰もが認める実力を引っさげて、2001年、ついに大リーグに立ち向かっていった男である。

 

なぜイチローはこんなにも実力をつけられたのだろうか。

私だけでなく、多くの人々がこのような疑問を抱いていることだろう。

この本が全てではないだろうが、やはりこの本はその疑問の多くを解決してくれることだろう。

イチローの姿を通して、ここでは、やりたいことを実現する人間が何をすべきか、というのを

自分なりにまとめてみたいと思う。

 

まず、目標をできるだけ具体的に決めることである。

イチローは、小学校の卒業文集から、「一流のプロ野球選手になりたい」と記している。

しかし、それだけなら誰でもできる。

イチローが書いた目標は実に具体的である。契約金は一億円、西武か中日に入りたい、

選手になったらお世話になった人たちを試合に招待する・・・

実際は、契約金4000万で、オリックスに入団したのだが、

なぜイチローはこんなにも夢を実現できたのだろうか。

目標を決めるだけでは不足である。その実現に向かって、努力を積み重ねる。

「ぼく自身は、練習に裏付けられた自信だと思いますけれど、当たり前のように思っていました」

とイチローは言う。

 

努力は必要だが、やみくもなだけの努力は意味がない。

イチローは目的に向けて、理にかなった努力をしている。

練習はただすればいいものではない。テーマを決めることが重要なのである。

例えば、どういう状態にすれば体のキレ、腰の回転が一番良いか・・・

自分のテーマをチェックできれば回数はそれほど問題ではない。

自分から進んでできる能動的なものでなければ、練習ではないし、努力は実を結ばない。

 

そして一番難しいのは、「やり続ける」ことである。

継続は力なり。イチローの座右の銘であるという。

私も勉強や仕事を通じて、継続の難しさは痛感している。私は続かない人間である。

しかし、目的をもち、それに向かって理にかなった努力を継続すれば、やりたいことを実現できる、ということである。

それはやはりイチローが証明している。言葉ではない、実績・行動が証明している。

だから強い。言葉はいくらでも嘘をつける。

 

入団当初、イチローはお世辞にも体にめぐまれているとは言えなかったようだ。

高校の野球部のときの監督は、イチローのことを「モヤシ」と評していた。

同期入団の田口壮外野手の筋肉質な体を観たイチローは、これじゃだめだ、と痛感したという。

それから、イチローのトレーニングが始まる。

筋肉トレーニングはもちろん、海外に行くときも、宿舎はジムのあるところを選んだという。

そして、ジムでトレーニングすることから逆算して、その日の生活時間をたてる。

理にかなった努力をする、それは綿密な計画が必要である。

「計画をきちんとたてる」というのも、夢実現のために必要な行動である。

 

大リーグに挑戦することが決まったが(2001年2月1日現在)、

私は、イチローは大リーグでも結果を出せると信じている。

なぜなら、イチローは目的に向かって、理にかなった努力を続けてこれた人間だからである。

大リーグの過密スケジュールに彼のスタミナが耐えられるかが不安視されているが、

それでも彼は、スタミナをつけるための努力を積み重ねるのだろう。

同じく大リーグに飛び込む、元阪神の新庄剛志選手とは比較するまでもない。

 

以上、イチローの姿を追って、夢実現のために何が必要か、をまとめてみた。

上に書いたことを私が実践できているかというと、そうではない。

しかし、イチローのような行動をすれば、やりたいことを実現できる、という確信はある。

あとはやるかやらないか、だと思う。

 

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