No Negative

 

私はどちらかというと、マイナス思考が先立つ方だ。

でもそれではいけないと思って、逆のプラス思考に変えるよう意識してきた。

そうすると気づく、プラス思考を取れる方が、なんだかんだと楽しいし、力が湧いてくる。

(ノー天気とはまた違った気分である)

 

知っての通り、私は大学院生である。

いつになるかはやってみなければわからないが、とにかく博士論文を書き上げることが当面の最大目標だ。

ところがこの博士論文、学問の世界で貢献するに足りるレベルでなければならない。

とすると当然、難しいものである。

それに気づくと、博士課程での生活は、はっきり言って苦しいものだ。

 

でも、苦しい=博士論文をあきらめる、というのは全く別の話だと思う。

 

ある先輩が言う。

「博士論文より就職だ」と。

別の先輩も言い切る。

「博士課程は就職するためにある。論文を書くための場所ではない」と。

 

現実が厳しいということはなんとなくわかった。就職が大事だということもわかる。

でも、論文をあきらめろ、という感じのこの言葉は、聞き飽きた途端に、反発を覚えるようになる。

「俺は絶対に論文を書いてやる」と。

だから私は徹底的に計画を立てた。今はそれを実行している段階だ。

望んだ結果が出るかどうかはわからないが。

 

こう私が考えていることを、私がもっとも尊敬できる先輩の一人に打ち明けた。

「それで良いと思う。そういう言葉は聞き流しなよ」というのが答えだった。

 

否定的でなくて、肯定的な考えを持ち続けるのは、簡単ではないが、

やはりプラスに考えられる人の方が、私としては理想だ。

 

(2004年2月27日)

 

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