ツアー NOT AT ALL
管理人注:今回のエッセーは、一人のファンの視点で書かれています。
シングルカットレベルの曲だけでなく、アルバムの1曲もポンポン飛び出します。
従って、チャゲアスファンでなければ、このエッセーは何を言っているか分からない時も多いかと思いますのでご了承ください。
また、完全にネタバレの内容ですので、これからコンサートに行かれる方もご了承ください。
10月21日、日曜日。この日から二日間、札幌にCHAGE&ASKA(以下チャゲアス)がコンサートにやってくる。
ツアータイトルは"NOT AT ALL"。「こんなもんじゃないぜ」という意味らしい。
チャゲアスのファンクラブに入る私も、当然チケットをとって、コンサートに行ってきた。
10月の日記にも書いたが、当時私は風邪の治りかけ、加えて前日はバイトを休んだのだが、ツアーは別格。
と考えて、会場である厚生年金会館に乗り込んだ。
チケットを切り、お約束の手荷物検査をパスし、ツアーグッズを買った。
今回はパンフレットとストラップとテレホンカードだ。私にしては随分奮発した。
さて、開園時間の6時半を5分ほど過ぎた辺りから、オープニングフィルムが始まった。
チャゲアスのコンサートは最近は、このオープニングフィルムから始まるパターンが多い。
今回のフィルムの内容は以下の通りである。
21世紀になっても、チャゲアスの二人は忙しく動き回っていた。
そんな中、少し癒されたいと考えた二人は、インターネットでコピーロボットを注文する(パーマンに出てくる、まさにアレです)。
ラジオ出演、グラビア撮影などの仕事はコピーに任せ、本物の2人は競馬や宴会などで豪遊する。
しかしそのとき、二人に連絡が入る。コピーロボットがツアーステージに立って、コンサートをすることになったというのだ。
慌てて本物は舞台袖に駆けつけるが、コピーはロボットらしくぎこちない動きで、ステージに立っている。
さらに慌てた二人は、コピーロボットたちを呼び寄せ、何とか自分たちがステージに立つ・・・
そしてここから、現実のコンサートとシンクロされて、興奮のステージが幕を開ける・・・。
チャゲアスのオープニングフィルムはただのフィルムではなく、必ずこうやって現実のコンサートと融合させる。
急に現実に戻された観客は、一瞬にして興奮と熱気の中に身を置くのだ。
今回は、十何年ぶりのホールツアーである。今まではアリーナクラスのツアーだったから
今までよりステージと観客の距離が近い。
だから一階席の最前列の客なんかは、じかにチャゲアスに触れることもできたし、実際そのような光景は何度も見られた。
そのたびに2階席の客は嫉妬し、ステージのスタッフ(警備?)は、アーティストに客が触れないように、間に立つわけだ。
ちなみに私はというと、そんな客に軽くうらやましいと思った客の一人である。
1曲目。これは毎回のツアーで私の記憶に強く残るのだが、今回はOne dayで幕開けだ。
確かツアーでやるのは初めてじゃなかったか・・・。
1発目からASKAは、ステージを動きまわる。テンションは最初から高い。これでも彼らは43歳だ。
曲目は後で書くことにして、ここから先は、私の特に印象に残った歌を抜き出していこうと思う。
まず、「砂時計のくびれた場所」。私にとって隠れた名曲で、これを生で聴けたのは貴重だ。
アルバム「Pride」に入っているので、良かったら聴いてみて欲しい。スケールの大きなバラードである。
また、この曲はASKAの伸びのある高音も魅力で、この日も高音は健在だった(さすがに伸びはちょっと苦しそうだったが)。
キーは落とさず歌っていたので、嬉しいと同時に、高音がまだ健在で安心したものだ。
かつての名曲"SAY YES","YAH YAH YAH"の時も歓声が特に大きく盛り上がった。
なんでも"SAY YES"の方は、当初は歌う予定がなかったのだが、前に帯広と旭川で内緒で歌ったところ
インターネットで広まり「ずるい!」という声が絶えなかったのでやむを得ず、というらしいが、
久々に生で聴けたのは良かった。
"YAH YAH YAH"も久々に生で聴いた。この曲で観客とアーティストとの一体感は頂点に達したと思う。
サビで拳を突き上げるのはもう常識に近い。また、この曲では高音も伸びも健在だった。
そして「告白」「Moon Light Blues」で客は固まるかとろけるかしていたようだ(CHAGE談)
これも昔の名バラードだ。「告白」はCHAGE曲の中でも名曲にランクインするはずだ。
さらに、今年発売されたシングルも、CHAGEの「アジアンレストランにて」以外全て披露された。
「パラシュートの部屋で」「ロケットの樹の下で」「C-46」(演奏順)
いずれも音楽番組で、一部カットされたままオンエアされたもので、この日はようやく生でフルコーラスを聞けた。
「C-46」はツアーのラスト曲だったが、CDで聴くよりも声がきれいだったように思える。
さて、曲についてかいつまんで話すとこんなもんだろうか。
それでは、下に曲目リストを載せておこう。(フィルムとMCは省略)
One day
もうすぐだ
明け方の君
Born the trap
no doubt
砂時計のくびれた場所
告白
Moon Light Blues
君は何も知らないまま
SAY YES
パラシュートの部屋で
HOTEL
higher ground
YAH YAH YAH
can do now
NとLの野球帽
ロケットの樹の下で
C-46
10月の日記にも書いたが、年に1回はコンサートに足を運びたい、と改めて思う。
コンサートとは、音楽を聴く人にとって最大の贅沢なのだから。
風邪を押して行ったものの、やはりそれに値する。たぶん熱があっても行ったことだろう。
ここではMCの内容は書かないことにする。面白かったのだが、この場で上手に伝えられないと思ったからである。
ただ、CHAGEのこの一言が印象的だ。
「今は信じられない出来事が続いて混沌とした世の中だけど、今ここでまちがいなく楽しい時間をすごしています」
最後に、エンディングフィルムの内容を書いて、エッセーを終わりにしよう・・・。
本物のチャゲアスは、コンサートを何とか無事に終わらせ、舞台袖から楽屋に向かう。
「自分が歌うところを客観的に見てみたかった」と理由をつけたものの
結局仕事から一時解放されたい、という欲望を満たすためにコピーロボットを使ったに過ぎなかった。
そんな自分たちの行動に反省する。「こいつら(=ロボット)に今回は教えられちゃったな」(CHAGE)
会場の出口に差し掛かった二人は、それぞれ約束していた女の子に会ったのだが、
とりあえず「悪い、用事思い出した」とその場をしのいでめいめいに女の子と遊びに夜の街に繰り出す二人。
しかし結局街の中で鉢合わせし、「なあんだ、そういうことか」と笑い飛ばし、
最後は二人の"See Ya!"のあいさつで、コンサートは終わる。