1年目の非常勤講師を終えて
今月(2004年3月)、1年目の非常勤講師を終えた。
4月からは2年目に入るわけだが、ちょっと1年目をキーワードと共に振り返ってみたいと思う。
「初授業」
生徒も私も緊張した。英語は「自分以外の世界を見るという考え方を身に付ける」ために学ぶ、などと言ったものだ。
今でもこの考えは変わっていないが、これは彼らに通じただろうか。
「予習」
始めはちゃんとやってきていた。しかし。
だんだんやらない生徒が出てくる。
特にリーディングのクラスでは新出単語すら調べてこなくて、
あまりの準備の無さに半分キレつつ、単語意味調べチェックを、新しいレッスンに入るたびに実施することを宣告。
これはなかなか効果があった。ほとんどの生徒が最後まで続けていたが、
最後の方になると、「おい写させろよ」なんて私の目の前で単語の意味を写す生徒も出てくる始末。
「テスト前の自習時間」
実は、私が一番楽しかったのは、普段の授業よりこのテスト前の自習時間だった。
私が授業をしない分体力が楽だからではない。
この時間は、生徒一人一人と個別でコミュニケーションを取れる数少ない機会だからだ。
「調子はどうだ?」「おっ、ちゃんと出来てるな」「違う違う、こう考えるんだ」なんて声をかけた。
普段は声をかけない生徒からも質問されることもあったこの時間。2年目も必ず機会を作ろう。
「学校祭」
生徒に誘われたのだが、結局都合がつかず行けなかった。
その翌週、「先生来なかったでしょ」と言われ申し訳なく思い、来年は必ず行くぞ、と誓った。
「アンケート」
私は学期末最後の授業で、必ずアンケートをとっている。
私の授業の良いところ、悪いところ、要望を主に書いてもらっている。
先生方で授業参観する機会があればいいのだが、それがないので、
だったら毎回授業を受けている生徒の意見を聞いて、授業の質を上げよう、というのが狙いだ。
(ちなみに、この意図は生徒に伝わっていたもよう)
遠慮しないで書いていいんだよ、と言ったところ、
もうちょっと遠慮してくれないかな、と思ってしまうくらい、率直に書いてくれた。
悪いところなどは、当たっているだけにへこむことも多かったが、
概ね「わかりやすい」と書いてもらえたのが嬉しかった。
「寝なければよくわかることがわかった」と書いてくれた部活生がいたのが良かった。
「生徒の顔をしっかり見て欲しい」という意見は貴重だった。
これも、生徒とのコミュニケーションの手段の一つで、私自身楽しみにしていた。来年も続けよう。
「最後の授業」
普段私語をする生徒たちも、最後は私の話をしっかり聞いてくれた。
1年間、どうもありがとう。文句もあるが、明るいクラスで良かったよ。
それから、「来年の英文法の時間は先生に来て欲しい」と言ってくれたS君、K君、O君。ありがとう。
残念だけど来年は君たちのコースの授業は持たないんだ。
「英語科の先生方」
わが高校の英語科の先生は素晴らしい人たちばかり。
私立校だからかもしれないけど、まじめでやる気があってしっかりした考えの持ち主ばかり。
1年目の私の相談にも親身に応じてくれたり、テストの作り方など具体的な仕事のアドバイスをくれたり、
不安な新人の私に気合を入れてくれる言葉をかけてくれたりした。
だから、先生方との飲み会は楽しみなのである。来年はもっと参加したいものだ。
「1年を振り返って:まとめ」
まぁ楽しかったこと、良かったことばかりではない。
悩んだりいらだったことも多かった。でもそれは人と接していけば、仕事をしていれば必ずあること。
1年終わったときに、「喜怒哀楽色々あったけど、充実した1年だった」という後味が残れば良いのだ。
来年持つクラスも決まった。3クラスとも、進学に力を入れるコースである。
今年得たことを糧に、来年も充実させていこうと思った。
(2004年3月27日)