携帯とルール違反
タイトルから想像がつくと思うが、今回のエッセーは、携帯電話を学校に持ってくるな、というルールについてである。
私が高校生の時は、携帯そのものが普及していなかったので、こんなルールを言われた覚えはないが、
今の高校なら、校則とまではいかなくても、先生などから「携帯は持ってくるな」といわれることが多いと思う。
個人的には、携帯を学校に持ってくること自体は悪いとは思わない。
登下校時など、連絡をとりたいと思う場面もあるだろうからだ。
でもなんでそんなルールがあるのか。それは授業中に携帯をいじる生徒が多いからだろう。だったら話は別だ。
授業時間は携帯をいじる時間ではないのだ、でもそれを守らない、だったらルールを作っちまおう・・・という流れじゃないだろうか。
ここで今更そんなルールを繰り返すつもりはない。
・・・しかし最近、このルールを通して、ルール違反について考えさせられる出来事があった。
私の授業中、携帯をいじっている生徒がいたのだ。
しかもあろうことに、たまたま校内を巡視していた校長先生に、携帯をいじっているのが見つかり、
そのまま校長先生に、携帯を没収されてしまった、という出来事が起きた。
私は授業後すぐ、担任の先生にこのことを報告した。
その後すぐ、本人もやってきて、担任から注意を食らった。
これが単なるルール違反のせいで起きた出来事とは私には思えなかった。
嫌な思いをする人が出たからである。
携帯を没収された生徒自身はいうまでもない(実際、その後ちょっと元気がなかった)。
没収されたその日の放課後に、携帯を返してもらえるわけではないからだ。
そして、その生徒の担任も、校長先生から「何を指導しているんだ」と注意される。
そうするとその先生もつらい思いをするにちがいない。
さらに、授業をしていた私自身も、正直ショックで、悔しい思いをさせられた。
校長先生に携帯を没収させてしまったことと、
教室全体や生徒の様子をしっかり見れていなかったことを思い知らされたからだ。
ただし、担任の先生が、私のショックや悔しさを理解してくれたのは救いだったが。
最後に私自身のことを書いてしまったが、
ルール違反を犯すことによって、自分だけでなく、こんなふうに自分以外の人にも迷惑をかけてしまう。
ちょっと我慢すれば、誰も嫌な思いをしなくて済むのに・・・。
なぜルール違反が悪いのか、その理由はここにあるのかもしれない、と思った。
(2003年12月7日)