サービス業に必要なもの

 

今日(2月22日)、たまたま札幌のあるイタリアンレストランに行って来た。

日記にも書いたが、私はラザニアを注文。それはとても美味しかった。

 

しかしそれ以上に感動したのが、ここの店員さんの接客態度である。

私が食事を半分ほどすませたころであろうか。彼(管理人注:この店員さんは男性だった)は

私のところへ水を入れに来てくれた後、「お味はいかがでしょうか?」と尋ねてきた。

私は「美味しいです」と素直に答えた。

実際美味かったのだが、この店員さんの接客態度は、サービス業にあるべきものであった。

 

人にサービスをする職業とは、とかく客を上から見下ろしがちである。

もちろんそれは全員ではないが、客を見下ろすサービス店員は、意外と印象に残るものだ。

自分のするサービスに自信をもつべきなのは当然だ。

自分のサービスに対しおどおどしている接客は、受けていてあまり気持ちのいいものではなかろう。

 

しかし、自信を持つ中にも、「もっと改良すべきこともあるんじゃないか」そういう謙虚な心がけも必要だと思う。

サービスをころころ変えろ、というつもりはない。

ただ、自分のするサービスを時にはしっかり見つめ直すことが必要ではないだろうか。

そして客から要望やクレームが来て、それが自分のサービスの質向上につながるなら、

思い切って、変えるべきなのだ。

自信のみを表に出していては、客の見えない不満や要望が見えなくなるものだ。

そして無意識のうちに、客に大して横柄な態度をとることもしばしばである。

だから私は、客に対して私語を禁ずるラーメン屋など、たとえ味は美味くても行きたくないし、

ここで話している店員さんの態度に感動を覚えるのだ。

 

なぜ私はここでこんなにサービス業についてこだわるのか。

それは私が今しているバイト、すなわち塾講師も、一種のサービス業だからだ。

生徒は塾にとって客である。生徒がいるから、私たちも仕事をさせてもらえるのだ。

それは感謝である。

ただし、生徒にこびへつらえ、といっているのではない。

私は自分のする授業が完璧だと思ったことはない。

成長しているな、とは思っていても、これでいい、と思ったことは一度もない。

こうすればもっとわかりやすいんじゃないか、こうすればもっと生徒の印象に残るんじゃないか・・・

試行錯誤は続くのである。

だから私は、生徒に対して、授業のアンケートをとる。

そして、要望や意見が、生徒のためになる、すなわちサービスの質向上につながるのなら

積極的にそれを取り入れる覚悟で、今の仕事をしているのである。

その気持ちを失っては、おしまいだと思っている。

 

周りに対して素直に耳を傾けるのも、人間が進化するための条件の一つだと思う。

 

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