東京旅行記2003
2003年9月、2年ぶりに東京に行ってきた。
目的は14日(日)、15日(月)の学会参加のためだが、今回は学会の前に2日間、セミナー(集中講義みたいなもの)があったので、
12日(金)から東京入りした。実に3泊4日、ずいぶん東京に長居したものである。
今回の東京行きの目的は2つあったことを書いておこう。
@学会参加(セミナー参加、発表も含める)
A古本屋で専門書を探す
そこで、全国学会デビュー戦の感想も交えつつ、旅行記みたいなものをここで書いてみたいと思う。
当然、これから書く内容は、上の2つの目的が核となる。
では1日目。9月12日(金)
実は室蘭の某銀行員の誕生日で、ちゃんと覚えてはいたのだが、まぁ後でお祝いすればいいかと思い、
とりあえずそのことは忘れることにする。
ま、それはともかく、この日は朝一のJALで東京に向かうため、6時半前に起きて、7時に家を出る。
父に空港まで送ってもらい、空港で朝食をとる。
何か弁当を、と思っていたが、サンドイッチがコーヒー付きで390円、という話を聞いて、節約をとった私は迷わずそれを買った。
ロビーでテレビを見ながらサンドイッチをほおばる。そうして食べ終わったのが離陸10分前。
コーヒーを慌てて口に流し込む。アイスコーヒーでよかった。ホットだったら、やけどで離陸どころではなくなる。
・・・ギリギリだったが、何とか飛行機に乗り、9時20分過ぎに羽田着。その後、品川に直通する京急に乗り換え。
20分後には品川に着き、今度はホテルのある目黒に行くために、山手線に乗り換え。
そして駅のコインロッカーに、学会に必要のない手荷物を預け、今度は都営バスで、いよいよ会場の明治学院大学に向かう。
羽田に着いてから、京急→JR→都営バス、と早くも3回乗り換え。大都市の公共交通が複雑なのを実感する。
そして大学着。最近建て替えたらしく、きれいな校舎である。
しかし、東京は暑い。今年のこの時期は異常に暑いらしいのだが、たとえるならばまさに熱風。
特に暑いのが苦手な私には地獄である。ちょっと歩けば汗をかく。そして室内は冷房が効いているものだから、室内外の温度差が激しい。
そしていよいよセミナー開始。このセミナー、ドイツ人講師(世界的に著名な教授)を招き、2日に渡り、2時間×4コマ。全部英語。
だが、この教授の英語は、わりかしゆっくりで、聴き取りやすいのが良かった。内容も興味深く、この日のセミナーはあっという間に過ぎた。
昼休みは学食でラーメンを食べる。なぜかうちの大学のラーメンより美味い。
セミナー終了後は、ホテルにチェックイン。その後、五反田に繰り出し、ネットで見つけた沖縄料理屋「結ま〜る」という所で食事。
しかしこの店、どちらかというと地元密着型の居酒屋で、観光客が一人で入るような店ではなかった。
ちょっと場違いな気もしつつ、私がたのんだのは、そうめんチャンプルー、ラフテー(豚の角煮)、さんぴん茶。
なかなか美味かった。どうせならゴーヤーチャンプルーにも挑戦して良かったかもしれない。今度は札幌の沖縄料理屋で食べてみよう。
その後、ホテルに戻り、向かいのコンビニでミネラルウォーターと
急に食べたくなったのでプリンを買い、食べながら発表の準備(一人リハーサル)をして、就寝。
2日目。7時に起きて、朝食。ここの朝食はバイキングスタイル。バイキング好きの私には良かった。
なぜか朝鮮から来た観光客が多く、その場にいた日本人は私だけ、という時間もあった。
そして10時からセミナー開始。正午になり、2時間の昼休み。この日は先輩と3人でカレー屋さんに行く。
午後2時、セミナー再開。最後の2時間とふるいたたせる。
それにしてもこの先生、用意したプリントに、受講者の反応・質問を受けて、柔軟に講義内容をアレンジする。
熱心さと柔軟さに頭が下がる。そのおかげか、セミナーは終始理解しやすいものであった。
午後4時、セミナーが全て終了。私は、古本屋で専門書を買うために、神保町に向かう。
いわゆる神田の古書街である。北沢書店という洋書専門の書店がこの日のお目当てだったのだが、
土曜日で人手も足りないらしく、店の半分は定休日。結局ここでは欲しい専門書は見つからなかった。
その後、色々な店を見て回るも、いいのが見つからない。そもそも、言語学の専門書は多くないらしい。
別の本屋で立ち読み。すると、高円寺というところにも語学の古本屋があると知った。
この日は結局、大学(白金)→地下鉄で神保町→JRで高円寺→地下鉄で再び神保町、と移動したのだが、
欲しい本は見つからず、無駄足に終わってしまった。
新書を扱う三省堂書店で本を探しているときなど、
新刊は翌日以降の学会で展示し、しかもちょっと値引きしてくれることを思い出す始末である。
夕食は、やはり神保町のトンカツやで食べる。700円でなかなか美味しいトンカツ(プラスご飯とシジミ汁と山盛りのキャベツ)が食えた。
神保町での収穫がトンカツだけってのも寂しいが。
そして3日目。いよいよ学会がスタート。私の発表もこの日である。
学会自体は12時から受付開始なのだが、私は1時間早く大学に入った。
図書館でちょっと調べ物をしようと思ったからだ。
それなのに、図書館は日曜なので休館。うちの大学は日曜祝日でも開いてるぞ。
しょうがないから外で本を読んで時間をつぶす。
そして1時、特別講演で学会がスタート。講演の講師は、セミナーをやってくれたあのドイツ人教授。
2時間の講演後、ちょっと休憩し、いよいよ研究発表とワークショップが開始。
今回は、特に研究発表採択者が多く(去年の1.5倍。40人以上)、一つの発表を聞きに来る人の数がいつもより少なかった。
やりやすいような、寂しいような・・・
私の発表は5時過ぎ。司会の先生とは当然初対面だったが、話し掛けやすい先生でよかった。
いよいよ発表。宿での練習では一応時間内(25分)に収まったので大丈夫だろう・・・
・・・と思ったが、練習より3分ほど押している。まずい。何食わぬ顔で発表をしつつも、内心焦っていた。
オーディエンスの顔をゆっくり見る精神的余裕もなかった。
どうでも良いが、うちの大学の関係者が2人しかいなかったのは寂しいぞ。(指導教官すらいなかった)
なんとか25分の発表も終え、いよいよ質問タイム(実は発表よりも難しい)。
なかなか質問が出てこない。内容が難しかったか、面白くなかったのだろうか・・・
質問タイムは厄介だ。質問が殺到すれば答えるのに窮することもあるし、質問が来なきゃ来ないで不安である。
結局3つの質問が来たのだが、現時点でわからないことを突かれ、答えるのに戸惑ってしまった。
質疑対応を満足にできず、時間もオーバーしかけて、さらに発表内容をやや詰め込みすぎたため、
今回の発表の満足度は低い。だが、司会の先生は「堂々としていて、内容もわかりやすかった」と言って下さったので、
全国学会デビュー戦としては、まずまずだったのかもしれない。
その後は、懇親会に参加する。こういう学会の懇親会に参加するのは初めてで、
しかも私以外うちの大学から参加しないかもしれなかったので、参加するかは迷っていた(何しろ私の顔見知りがほとんどいないのだ)。
しかし発表後、司会が「他に質問等ございましたら、懇親会の場でお尋ねください」とおっしゃる。
そうなるとさすがに参加せざるを得ない・・・結局一人で参加したさ。でも、参加してよかった。
懇親会で発表後の質問をしてくれた人が本当にいたのと、私と同じ分野を研究している学生と知り合いになれたからだった。
他にも、分野は違うが、本州の研究者や学生と話をする機会に恵まれた。
発表を終えた後だったので、食事や酒の美味しさといったらなかった(懇親会前に発表するのが精神的には良いと実感)。
会が終わったのが夜9時過ぎ。ホテルに帰る。
さて、最終日。9月15日。4日も旅行してると、想像以上に疲れがたまる。
私の場合、この日の朝、パッと起きれなくなってることに気づき、「あぁ地味に疲れてるんだな」と思ったが、起きて朝食だ。
どうでもいいが、朝食は3日間メニューはほとんど変わらなかった。
変わったのは、2日目の魚が鮭だったのが、3日目にはサバになり、4日目(この日)鮭に戻ったことと、
サラダのドレッシングが、2日目にはごまドレッシングとフレンチドレッシング、3日目はこれに和風ドレッシングが加わり、
4日目にはごまドレッシングが消えたくらい、というどうでも良い変化に気づくしかないほど、メニューは変わらなかった。
ホテルのチェックアウトを済まし、9時半、大学着。10時に学会スタート。私の発表はすでに終えたので、この日は気楽に発表を聞けた。
全国学会で質問もできるようになったくらい、精神的に余裕ができているのに気づく。
ところで、自分が良い発表をするためには、良いものも悪いものも、とにかく他人の発表をできるだけ多く聞くのが大事だ。
それに質問ができればなお良い。いろんな発表を聞くのはためになる。しかも興味深い内容ばかりである。
そして6時近く、全日程が終了。空港に向かいチェックインをすまし、夕食を食べる。空港の食事は量の割に値段が高い。
8時10分、離陸。この瞬間が、私に旅の終わりを最も感じさせる。
1時間半後、千歳に到着。寒い。とっても寒い。なんせ東京との気温差は15度以上なのだ。
さて、長くなったが、最初に挙げた目的に沿ってまとめよう。
@学会発表:初めてにしてはまずまずだった。今後の研究に向けて反省点も収穫もあった。
A古本探し:一つもいいのが見つからず。結局学会の場で本を買った。
そして今日になって、どうせならもう1泊してゆっくり東京を回ればよかった、と後悔しているところである。
次は11月に静岡である。
※いつもながら長文で失礼致しました・・・
(2003年9月21日)