趣味−読書−ノンフィクション

本屋で時々興味をもてるような本に出会います。今回はそれらノンフィクションをいくつか紹介します。

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レンヌ・ル・シャトーの謎
 著者 マイケル・ベイジェント,リチャード・リー,ヘンリー・リンカーン
 訳者 林和彦
 発行 柏書房
 ISBN4-7601-1443-2

原題“聖なる血と聖杯”で知られる書。フランスのある地方で起きた話を調べるうちに、キリスト教にまつわる事件にかかわる羽目になった、という話です。

トリノ聖骸布の謎
 著者 リン・ピクネット,クライブ・プリンス
 訳者 新井雅代
 発行 白水社
 ISBN4-560-02893-1

トリノの聖骸布にかかわるうちに、隠されていた歴史上の秘密を知ってしまう話です。聖骸布にどうして人間の形が映りこんでいるのか?本当に奇跡の賜物なのか?著者たちに“聖なる血と聖杯”で出てきた秘密結社の分派がコンタクトした模様です。

正直なところ、私は秘密結社、大好きです。でも一般的な“ユダヤ陰謀論”は割と底が浅くてつまらない感じがします。上記の本の内容は秘密結社の活動の全貌が見えない状態のままですが、これらの本では著者の情報の扱いが冷静で好感が持てます。

イギリス・シンドローム 私はいかにして「反・イギリス真理教徒」となったか
 著者 林信吾
 発行 KK ベストセラーズ
 ISBN4-584-18310-4

ちまたに氾濫する、「イギリス人はこれほど大人なのに、日本人はこんなに駄目だ。」という趣旨の本に対する反論の書です。
「自分をほめてあげたいと思います」には爆笑しました。

イギリス人はおかしい
 著者 高尾慶子
 発行 文藝春秋
 ISBN4-16-353730-9

リドリー・スコット邱で家政婦として働いていた女性がみたイギリスです。リドリー・スコットのお母さんはやたらと気が強いが愛すべき人物として書いてありました。

イギリス人はかなしい
 著者 高尾慶子
 発行 展望社
 ISBN4-88546-013-1

“イギリス人はおかしい”の続編。前作よりプライベートな話が多いあたりに物足りなさが残りました。ただ、ダイアナ妃に対する印象が前作と違うのは興味深く感じました。

これらの本に出てくるのは以下のようなことでしょうか?

  1. イギリス (に限らないのだろうけど) は日本と比べれば十分大きな階級 (世襲ではないが身分みたいなもの) 差があること
  2.  イギリスの顔として我々が目にするのはイギリスのエリート層であり、彼らは真のエリートたる自覚と努力をしているので他者を十分魅了するだけの能力がある
  3.  日本人はお人好しなのでその部分ばかりを見てすべてを見た気になっている。ところがイギリスに住んで見ると、モンティ・パイソンさながらのどたばたが本当に起きている
  4.  このように、一部分だけを見てイギリスを礼賛するのは滑稽なのだが、日本にはそういう情報誌か届いていない。そのことを憂慮したい

カルト資本主義
 著者 斎藤貴男
 発行 文藝春秋
 ISBN4-16-353040-1

特にバブル崩壊後に猖獗をきわめ始めた、“カルト”な資本主義を取材した本です。誰もが
「みんなの幸せのために」というお題目を掲げそのつもりで活動しているもののているが、そのやり方を進めると、いったい誰が徳をするのか?と著者は疑問を投げかけています。

人はなぜ歴史を偽造するのか
 著者 長山靖生
 発行 新潮社
 ISBN4-10-424101-6

『トンデモ本の世界』で出てくるような話かと思って読み始めた本です。世の中には荒唐無稽な史実を作り上げ、広める人がいる。たとえば、天津教の竹内(たけのうち)文書では、神武天皇以前にウガヤフキアエズ朝73代の天皇がおり、地球全土を支配し、天岩舟という飛行船に乗って世界中をあまねく国見したと言ったような。そしてそれは時としてナショナリズムと結びついたりもする。どうしてこのような事が起きるのか?この本はまず偽史が世の中を騒がせた例を示しています。
この本の最後のほうで作者は以下のように述べています。
正しさに取り憑かれた人間は、悪徳に溺れているという自覚を持つ人間以上に始末に負えない。彼らは自分自身をも騙しているからだ。「思想の毒」とは、そうしたものだ。
私がこの本を気に入ったのはこの点でしょうか。いろいろなことが起きようとも妄想に至らず、常に何をすればよいかを判断してゆきたい、この本は、私にそう思わせてくれました。

『ちびくろサンボ』絶版を考える
 編集 径書房 (こみち しょぼう)
 ISBN なし?

ちびくろサンボが人権団体が問題視し、最終的に絶版に至った頃、問題提起としていろいろな人に話を聞きまとめた本です。

ちびくろサンボよすこやかによみがえれ
 著者 灘本昌久
 発行 径書房
 ISBN4-7705-0171-4

『…』絶版を考える からほぼ 10 年後 (1999 年) 出版されました。差別の意味合いが拡散する中、従来の手法…糾弾による解決…が行き詰まっているのではないか、という部分が見えてきます。

なぜ公立高校はダメになったのか
 著者 
 発行 亜紀書房
 ISBN

関東で言われる公立高校の凋落は、関東地方での人々の構成の変遷とかかわっているのではないかという考えから問題の発生原因を解き明かしています。就職列車に乗った人々がどこへ行ったのか、そして高校進学率が上昇したときに、子供や親の考え…それは二通りあったようですが、と学校側の考えがどのように乖離していたかなどが説明されています。
非常に説得力がある内容でしたがそれゆえに今の子供の問題は解決が難しいと感じました。また、

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