趣味−電気・電子・情報−BCL

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最初に電気に興味を持ったものといえば、小学校の理化の教科書の直列つなぎと並列つなぎといったあたりになると思います。それから子供の科学を読み出しましたが、親に買ってもらい出したころより少し前あたりに、スーパーヘテロダインやレフレックス回路を使った記事が多数掲載されていました。そのような記事は県立図書館に保存されているバックナンバーを読んでいました。本物のラジオは、親が家族のために買ったものを除けばゲル検ラジオキットを買ってもらったのが最初でした。配線はカシメで行なう、はんだ付け不要のキットでしたが不器用な子供が作るには十分難しかったので、親に作ってもらいました。

当時、ラジオのキットはいくつも出ていて、何度か買ってもらいましたが半田ごてを当てると動かない…そういう状態が続きました。ゲルマニウムトランジスタは熱に弱いのに 60W の半田ごてを使っていたのが間違いだったのかもしれません。それでも何度か挑戦した後に、まともに動く一石レフレックスラジオキットを作れました。このラジオで夜 10 〜 11 時ころの番組を聞くようになりました。最初にラジオで聞いた曲はベィ・シティ・ローラーズのサタディナイト(ただし、日本で大流行する一年前だったと思う)か、サンタナの哀愁のヨーロッパのどちらかです(資生堂 CM の BGM だった?ギンザ・レッド・ウィウィは多分三番目)。もちろん当時“卒業”のヒットで流行ったサウンド・オブ・サイレンスやダニエル・ビダルの天使の落書き・カトリーヌ…しかし最近ダニエル・ビダルさんが登場したときに歌うのがオー・シャンゼリゼばかりなのはちと残念です。権利関係で歌えないのかなぁ?…、誰が歌っていたのか知りませんが最近秋葉原で流れているのを聞いたドミニクなども耳に入っていたのですが、自分のラジオで聞いた最初の曲はこれでした。

ギルバート・オサリバン、パーシーフェイスオーケストラ、エアロスミス、QUEEN、トム・ロビンソン・バンド (2・4・6・8モーターウェイ)、 ELO も (ロッカリア、トワイライト、ホールド・オン・タイト) ラジオで聞きました。でもレッド・ツェッペリンとか ELP とは縁がありませんでした。昔はナレーションから曲名と歌手名を聞き取るしかなかったので苦労して書きとめたりもしました。

ところで木麻早さんの司会で、彼女の曲“思い出は美しすぎて(?)”が最初にかかっていた番組(スポンサーは日本マランツ)は何だったのでしょうか?私はミュージック・イン・ハイフォニックだと間違えて覚えていましたが、こちらは日立がスポンサーで城達也さんが司会だったとか(そういう番組も聞いていたことがあります)。


BCL から話がずれてきたので閑話休題。BCL は流行る前には SWL (Short Wave Listening) と言われており、双方向の会話を楽しむ HAM からみると一段下に見られていた、そうなのですがニュー・カマーにとっては特に気になりませんでした。スカイセンサー5800やクーガ−1600?フェライトアンテナを回転させられるようになった最初のタイプがでて少したったころに興味を持ち、スカイセンサー5900を親に買ってもらいました。当時スカイセンサー5900を買うと VOA スペシャルイングリッシュ用英英辞書がついてきました。覚えてみようかとちょっぴりがんばりましたが Administration の項目で挫折しました。いま、アドミニストレーターという言葉がかなり広まっていることを考えると複雑な気分になります。ちなみに弟はクーガ−2200を買ってもらっていました。


とはいえ、どんどん海外放送を聞きまくってはレポートを書き、ベリカードを手に入れていたなんてことはなくラジオ・オーストラリア、ドイチェ・ヴェレを時々聞いていた程度です。英語の認識能力も低かったので一度か二度くらいは Special English の時間に VOA にダイアルを合わせたと思いますが、何を言ってるかわからなかったと思います。それよりもラジオオーストラリアを聞いているとすぐ隣でラジオジャパンが始まってカバーしてしまうこともあり、
『これが混変調か』
と関心したことがあります。スカイセンサー5900のフィルタは今一つ切れが悪く(その分音質はよかった。中波受信向けに調整されていた?)もう少し分離性能がよくならないかそれなりに悩みました。いろいろ捜した中で、誠文堂新光社のムックのなかにQマルチプライアの記事(ただし、真空管の回路)があり、これが作れないか結構検討しました。2SK19 あたりを使えばなんとかなりそうでしたが製作にはいたりませんでした。結局 BCL がすっかり下火になったころ、東京に遊びに行ける余裕ができ、秋葉原の店でセラミックフィルタを見つけたのでスカイセンサー5900に取り付け、積年の思いを果たしました。ただし、それで音質は落ちました。それはともかく、当時さすがに難局 RAE の受信はできませんでしたがラジオの製作にローディングコイルをつけたループアンテナを使い、良好ではないにしても RAE の受信ができたという記事が出た時
『たいていのことはできるようになるものだな』
と思いました。

もちろん私も部屋に電線を張り巡らせた単純なロングワイヤアンテナを作ったり、フィーダーを買ってきてループアンテナもどきのものを作ったりもしましたけど本格的にやるにはお金もないし根性もありませんでした。バランについてもいろいろ調べましたけど、アミドンのトロイダルコアは高かったし取り扱っていたトヨムラ (後に亜土電子工業と合併して T-ZONE になり、さらには CSK の傘下になったところ) は地元にはなかったし (言い訳です)。


ところで、高性能受信機を手に入れたら、次にやりたいことは高性能受信機を作ることです。残念ながら受信機に限らずコンピューター (AT 互換機のような、パーツを組み合わせるタイプの話ではなくバスを一本一本半田づけし、ROMを焼いて取り付けて動かしたかった、ということ) も自作にはいたってません。コミックマーケットに参加されている Dr. キッチュは同人誌を見る限りでは、自分が作りたかったものをかなり作り上げていたようなので非常にうらやましく思っています。

しかしまぁこういう駄文を書きつつ自分の人となりを思い返すと、目的が発散してしまってものにならないというところがまずいなぁ、と感じます。


ということで、中途半端ですが(BCL の活動も中途半端だったので)このあたりでひとまず終わります。

Qマルチプライア
当時の雑誌には負性抵抗がどうのこうのと書いてありましたが…つまりは発信しない程度に正帰還をかけた同調回路です。Qマルチプライア内部の同調回路で選択された周波数大域のみ増幅されます。帰還量を上げると見かけ上の通過帯域が狭くなります。
またQマルチプライアの出力を反転させて接続すると、特定の帯域のみ増幅率分の一に減衰させるノッチフィルタになります。

ローディングコイル
ダイポールアンテナやループアンテナのような、特定の波長に共振するアンテナは、利用したい周波数によってアンテナのサイズが決まってきます。UHF あたりなら比較的サイズが小さくなるが HF 帯のアンテナサイズは 10m, 20m といった誰にでも扱えるわけではないサイズになります。そこで、アンテナの途中にコイルを入れるとより短い長さでも、目的の周波数に共振するようになります。この挿入するコイルのことをローディングコイルといいます。感度はフルサイズのアンテナより落ちたと思いますが、そこは妥協するということで。先ほど (ダイポールアンテナという言葉をすっかり忘れていて) 検索していたら、携帯電話のホイップアンテナの中にもローディングコイルを使っているものがあるようです。

バラン
片側が接地した不平衡な回路と接地していない平衡回路を問題なく接続するための回路です。トロイダルコアを使った単なるトランスなバランは理解できたましたが同軸ケーブルを導波路として使っているバランはぜんぜん理解できませんでした。理解できなかったといえば水晶発信子を一個だけ使ったクリスタルフィルタ (真空管を使った回路図が描かれていた) もまたさっぱり理解できませんでした。ラダー型やラティス型のフィルタはまだ理解できた雰囲気を味わえたのですが、だからとといってきっちり計算して理解したわけではありません。


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