WordPro の変遷

Windows 3.1 の時代 Lotus は AmiPro というワードプロセッサを販売していました (厳密に言えば AmiPro を作っていた会社を買収して権利を手に入れたと思う)。AmiPro の人気は非常に高かったそうです。

Windows 95 が発売される直前、Misrosoft 以外の会社は戦々恐々としていました。

Windows 95 が発売され、わずかに遅れて Microsoft Office が発売された時に Lotus は WordPro (16bit 版が WordPro 4.0?, 32bit 版が WordPro96 だったと思います) をリリースしました。しかし…営業戦略上リリース時期は非常に大切なのかもしれませんが…それは非常に完成度が低いものでした。用意された機能は膨大なのですが、遅い (リソースをがんがん食いまくる)・落ちる・文字化けするなどさんざんなものでした。

もっとも、恐らく少なからぬ人 (Lotus Fan に限る) は“今度の新作ソフトはボロボロに違いない”と予測していたと思いますし、私もそう思っていました。どうせ改良版が後で出るだろうから今後のために Super Office 96 は買っておこう。だけど、契約からいえば旧版は破棄しないといけないけど…旧版 (AmiPro) を使いつづけるか、と。もちろん、Lotus Fan 以外の人がそんなことを知るよしもありませんから、結構たくさんの人が何も知らずに店頭で買って怒ったのではないでしょうか。

一番問題だったのは Lotus がこの不具合について完全に沈黙を決め込んだことでしょう。この当時出た一太郎もぼろぼろだったのですが、まだ対応してくれる部分があった…浮川社長も謝りましたし…ようです。後、マスコミもこの点に全く触れなかったのが印象的でした。Lotus に気兼ねしたのか、それもこの件を突っ込むと Windows 95 と Microsoft Office の関係 (Microsoft は OS もアプリケーションも同時に開発しているからそれぞれの部門で連絡を取り合って他社より早く商品を出しているんじゃないか、とよくささやかれていること) に触れなければならなくなるので Microsoft にたいして気兼ねしたのか?

一年ほどたって WordPro 97 が発売され、問題は大分解決しました。不具合は残っているものの少なくとも WordPro は動かせないソフトではなくなりました。かなり軽快に動くようになり、安定してきました。WordPro は正式なアナウンスは無いもののその後も細かなリビジョンアップが続いていたようです。

WordPro 2000 が先日発売されました。これはマイナーバージョンアップ程度の、中規模の変更があったようです。一部の仕様の変更があり、またある程度のエンバグも起きているようです。取り敢えず気がついた分だけ並べますと

表内の連番の扱いが代わった

表内で複数行に渡って
同じアウトライン連番を
指定すると、行方向に
セルを渡った時の連番
値の変化が異なる
WordPro 2000 以前 WorPro 2000
1. **  同じセル内で改行
2. ++  すると連番となり
1. **  同じセル内で改行
2. ++  すると連番となるが
3. ○○  セルをまたいでも連番となる 1. ○○  セルをまたぐと連番は
4.
5.
1. △△  初期化されるように
2. □□  なった

これは改良といえば改良なのですが、WordPro 2000 以前の仕様を積極的に使っていた場合もあったのでとまどいました。

表の中で縦書きモードのセルを作り、中央揃えを指定するとセル高さが極端に大きくなる。対策は該当するセルの高さを自動から固定に変更し、値を指定すればよい

インデントの指定が変わった

rtf で書き出したファイルを WordPro で再読み込みできなくなることがある:これは結構悩ましい問題ですが、最初から rtf として作成したダミーファイルを読み込み、WordPro 文書を copy & paste して上書き保存すれば再読み込みできる rtf 文書になります

rtf で指定できる書式が少なくなった?:セル中のデータを中揃えする情報が rtf では保存されなくなった

Exif (jpeg 画像の中でもデジカメで採用されている記録形式) 画像を直接取り込めない


1-2-3 の変遷

そのうち書きます


About Micrografx's Designer Series

Windows 3.1 (Win 16) period

東京の大学に国内留学していたときに、Adobeのに比べて非常に安かったことと評判も悪くなかったので購入した。特によかったのは Designer のマニュアルで、この中にチュートリアルがかなり用意されておりそれらを地道にやった…今やっている情報処理の勉強並に疲れたが…おかげで Draw Soft というものをそれなりに使えるようになった。また、一緒に入っていた株式会社 EAST (オーベルジュ・ドゥ・アンサンブルが利用しているサーバーがこの会社) の Postscript Printer Driver も役に立った (でも 32bit 版のドライバは買いそびれ今は Distiller を使っています)。Kai's Power Tool は…そんなに使わなかった。

Windows 95/NT (Win 32) period

Designer

こちらの要求のレベルが高くなってきたためか、以下のような不満も出るようになった

  1. Windows Meta File で出力したとき、文字の配置が乱れることがある
  2. 曲線を変形させるときに、点やアンカーの位置を数値で指定したくなったができない模様
  3. グラデーションのかかり方があまり緻密でない
  4. 文字の流し込み時、あまり凝ったことができない
  5. 表示画面の更新がされず、明示的にキーを押して更新しなければならない時がある (i-Grafx で改善された)

i-Grafx Designer

乗り換えてすぐなので使い勝手が向上したかどうかよくわからないところがある。ただ、Designer で感じた不満の部分はあまり改善されていない模様。改良されたのは FlowCharter にあった機能 (吸着線など)が拡張されて取り込まれたことか?マニュアルが味も素っ気も無い物に変わったのが残念。