Fate/Zeroつらつら 一巻終了編

1.カウントダウン
 章が代わる度に挟まれる時刻表示。順調に減っている所をみるとおそらくはFate/StayNightに至るまでのカウントダウンなのでしょう。
 ということは、キャッチフレーズの「これは始まり(ゼロ)に至る物語」の通りラストシーンは00:00:00:00。内容としては切嗣が士郎を見つけて泣き崩れるところあたりでしょうか。

 一巻終了時で153:41:36。6日と9時間強でゼロアワーである。

2.制服王
 大好きだ。なんていうかもう、こんな人に煽られたらそりゃ世界征服の為に大陸の端から端までついていきたくもなるだろうってお人。現状判明している宝具は轢き殺しチャリオット。ゴルディオスの結び目がついていた本体の方。人食い馬ブケファロスがライダーの所以かと思いきやこっちでしたか。
 切り札としての宝具はまだ伏せている段階だそうで、ギルガメッシュの『王の財宝』に匹敵するというのはこれでしょう。
 物量的に対抗できるのか、はたまたバーサーカー(4th)のように物量を無効化できるのか・・・
 大方の予想ではファランクスなわけですが何しろ茸師に虚淵師。想像の射角を120°超越した凄いのが出てくるかも。
 
 この人の魅力は戦闘能力もさることながら今までの月キャラ全員見渡しても相当上位に位置するであろう、その器。でっけぇよ! あんたでっけぇ人だよ! 文字通り!
 世界地図を見て世界の広さに大喜びな王様。詩集を手放さない洒脱な王様。ステルス機を買いたがる王様。無理だからゲームで我慢してくれ王様。ものは試しで真名をあかす王様。やっぱり王様とつく奴は全員うっかりだ。慢心せずして何が王かという台詞が胸に響く。公明正大な王様。っていうか構ってくれないと不機嫌になるのだろうな王様。
 そして、小物なりに頑張ってるマスターをちゃんと評価してくれるやさしい王様。うぬ。
 大活躍してくれると嬉しいけど、他の人の戦いに茶々入れながらウェイバーくんと適当に遊んでてくれるだけでも満足だよ! 長生きしてね王様! せめて4巻まで・・・

 ついでなので、誰もが思いつくであろうネタをひとつ。
 公園にてケイネスと取っ組み合って殴りあうウェイバー。
「僕だけの力で君に勝たないとイスカンダルが安心して座に帰れないんだ・・・!」

 そして十数年後。

「やあウェイバー。宿題はもう終わったか?」

 あれ?なんか混じった


2.ウェイバー・ベルベット
 ぴっちり中分けもまぶしいへたれ少年。
 先行して発売されたキャラクターマテリアルに出展「???」として唐突に現れたロード・エルメロイU世というキャラクターが居るのですが、その中分けといい眉毛といいどう見ても同一人物です。本当にありガ―――!
 キャラマテの説明によればこのエルメロイU世なる人物、十数年前にエルメロイT世にあたる人物が死亡して一族が没落した時にそれを再興し、いつしかエルメロイU世で定着してしまった人だとか。本来のエルメロイの家の継承者曰く「元はと言えばあなたのせいなんだから責任とりなさい」。
 そして、Zeroに登場するマスターの一人「ケイネス・エルメロイ・アーチボルト」。本来ならライダーを引く筈だったのに遺物をウェイバーに盗まれたのでランサーを召喚した男。そして、どうも真っ先に負けそうな男。  
 Zeroの舞台は第四次聖杯戦争。キャラマテの紹介部分はエルメロイU世が凛の後援者になったところだからStayNightの数年後。つまり十(第四次→第五次)+数年前がばっちり当てはまる。
 となると、アーチボルト家はケイネスの敗退(というより、多分死亡)によってその名誉を失い没落。生還したウェイバーに救われる、ということになるのでしょう。
 一巻時点でのウェイバーはケイネスを嫌っておりアーチボルト家が没落してもいい気味だとか言いそうですが、彼に対しイスカンダルはこう言っています。
「勝利してなお滅ぼさぬ。制覇してなお辱めぬ」
 
 ロード・エルメロイU世は、魔術師を育てる達人として知られているという。
 その心には、きっと今も彼と共に戦った偉大な王の言葉が響いているのだろう。


3.凛とエルメロイと大戦略のこと

 hollowの時に凛がリスタートの喩えとしてイギリスでやる機会があったというゲームの話に触れていて、あの機械が苦手な凛がどういう経緯でそうなったのかと思っていたけど、後に凛の後援者になるこの人がゲーオタらしいから彼がその情報の発信源なんだろうな・・・
 そして、キャラマテの絵のTシャツには「大戦略」の三文字が。彼のサーヴァントは世界征服大好きで現代兵器に興味バリバリのイスカたん。見える。見えるぞ。嬉々として大戦略(時代を考えればPS版あたり?)をしているイスカンダルとそれにイライラしながら口出ししてるうちに影響されて自分もはまってしまうウェイバーの姿が!

 ―――ああ、こいつ、本当にイスカが大好きなんだなあ・・・

 生還がほぼ約束されているウェイバーと、死亡(消滅)が確定しているイスカンダル。もう、なんていうか、別れのシーンが今から泣ける・・・


3.セイバーorz
 今回もまた苦戦しかしていない最強のサーヴァント。第四次聖杯戦争はセイバーがギルやイスカに苛められる話とのことですので、これからも延々と苦戦させられるのでしょう・・・
 魔力放出スキルの詳細がわかったのは嬉しい限り。要するにセイバーは体中にスラスターがついているフルバーニアン状態で、剣を振るにしろ単純に走るにしろ、はたまた4km先のビルに跳躍するにしろ進行方向の逆に魔力を凄い勢いで放出することで加速が可能であるという事らしい。
 なるほど、無尽蔵に魔力が使える黒の方が強いな。
 
 Zero時点でイリヤに会ってる筈だが、StayNightではノーリアクション。まあ、描写上は遠くに居るイリヤの声を聞いた程度ですし何しろアインツベルンでの彼女は道具扱いなので直接には一度も会っていないのかもしれない。


3.切嗣という男
 予想以上にヒットマン分が濃かった切嗣パパ。愛人が美人だ。
 今のところまだ子煩悩成分が強いがスイッチが入れば凄いえげつなさを見せてくれるはずです。銃の説明がやけに細かい辺りにニトロ臭。現実のスペックと食い違う? 魔術用にフルカスタマイズされてるんだから当然です。
 セイバーとアイリスフィールを囮にマスターを釣って切嗣が仕留めるという戦略のようですが、どうもStayNightで綺礼が言っていた内容からすると切嗣の方が囮だったような節も見えるのですが・・・2巻以降なにか状況が変わったのでしょうか。

ちなみに衛宮家の魔術刻印は背中にあるようだ。


 
4.山盛りハサン
 私が死んでも代わりが居るハサン。とりあえず瞬殺されたハサンとセイバー達を監視しているハサン、教会の警備を行っているハサンと綺礼の傍に居る女ハサンと4人は確認されています。
 余談だが、女ハサンの身体はどうなっているのだろうか? 没個性化されてるのだろうか?

 最初は身代わりを作る術を持つのかと思いましたが、同時に多数が存在することやそれぞれにある程度の個性があるところを見ると集団戦に長けたハサンなのではないかと思われます。
 綺礼(というか時臣)は最初からアサシン狙いで召喚を行っていたらしいが、その際に宗教人としての綺礼の影響で「暗殺教団の長」としての属性が強いハサンが出てきたのかもしれない。
 ハサンは全員ザパーニーヤ使いだそうなのですが、彼女(女ハサンが本体と想定)のそれがこの仲間を呼ぶか作るかする能力なのか、はたまたそれとは別にこの能力を持つのか、掟破りの遠坂流奥義多重召喚なのか・・・謎はつきない

 とりあえず、最終的な綺礼のサーヴァントはギルガメッシュなのでそれまでに敗退すると思われる。そうでなくともギルガメッシュと再契約した際に瞬殺されそう。

 

5.綺礼
 なんだかビジュアル面がやけに士郎と似ている若綺礼。もしくは綺麗な綺礼。
「道を極めることは出来ないが鍛えて達成できるレベルへは容易に到達する」という性質が今回明らかになり、「絶対の一は持ち合わせないがどんな剣をも複製する」士郎との対比が強まった印象。
 今のところ、絶望はしているが自分の中身を把握はしていない模様。切嗣と出会って自分の有り様を悟るのだろうか?
 そういえば、セイバーは綺礼とギルガメッシュのつながりを知らなかった。セイバー的にはギルガメッシュは遠坂時臣のサーヴァントと認識―――あ、その情報すら切嗣が伝えてないのか。

 

  オレサイキョー
6.常在有我
 十年後、「我を染めたければその三倍はもってこい」と豪語する事になるギルガメッシュ王。
 奴は、本当に反転などしていなかった! 泥を喰らう前のZeroギルガメッシュと喰らった後のStayNightギルガメッシュ、まったく同じノリです。
 そして、初登場は屋根の上、次の登場は街灯の上。○○となんとかは高い所に登るとはうまく言ったものです。 ○○の中身? 王様ですよ。

 

7.ノーブレス・オブリュージュ
 古きよき貴族体質を体現する男、遠坂パパこと遠坂時臣。凛のファザコン補正がかかっていたのか本編でちらっと出てきた時よりだいぶ悪どいイメージ。まあ、そもそもこいつが桜を間桐家に出さなければ後の悲劇はかなり規模が小さくなっていたのではという気もする元凶だからこんなものかもしれませんが・・・

 凛の頭を撫でるイベントが今のところ未発生。というかあのイベントだと戦いに赴く時臣を凛が見送る形になっているがZero一巻では凛が葵に連れられて遠坂邸を去っている。ひょっとしたら終盤、何かあって死を覚悟した時臣が凛に会いに来るイベントがあるのかもしれません。魔術刻印も移植する必要があるし。
 
 そう言えば、遠坂特製宝石通信機の数々。宝石同士を共振させて音を拾うところまでは想定の範囲内でしたが、海を越えて共感させメール代わりにするというスケールは思いつかなかった。壮大だ。
 
 あと、時臣はうっかりよりは慢心属性な気がする。


8.バーサーカー
 今回随一のダークホース。既にほぼ全員に正体の検討がついている中まったく情報無し。
 わかっている事といえば、

 ・黒いフルプレートアーマー(黒自体はバーサーカー化の影響の可能性有り)
 ・手に取ったものは全て己の武器と化す。他人の宝具から所有権を奪い、街灯の残骸でも強力な武器と化す
 ・狂ってるのに見事な技術で戦う
 ・目視ではその姿がぼやけ確認できず、マスターとしての透視能力も一切通用しない

 くらいのもの。この情報量では多分次刊発売まで正体が割れることはないでしょう。
 ―――とりあえず、弁慶はありえない

 なんとなくなんですが、あの鎧、中身がないのではという気もします。
 英霊というよりは怨霊じみた気配であったりどんな宝具も自分のものに―――自分の一部にしてしまう辺り。マスターの透視も、対象を中身に設定しているが故に通用しない、とか。
 もしそうだったら、最終的には雁夜が鎧を着て一体化するなんて展開も―――ないか


9.間桐の血のなんと濃いことか
 間桐雁夜。バーサーカーのマスター。hollowで慎二が語った「東京の叔父」であると思われる。だが、既に蟲人間に改造されている身では生き延びるのは難しいので(よりにもよって、バッドエンド上等なZeroの世界だ)、慎二は事の顛末をしらないと思われます。まあ、回路が無い(正確には退化して眠っている)彼に爺さんは何の教育もしていないらしいから無理も無い。
 一見、幼なじみとその娘の為に自分の身を捨てて戦う正義の人だが、どうにもこうにも時臣や臓硯を見返したいという欲望やら嫉妬やらが見え隠れします。やはりこいつも間桐の人間か・・・
 救いたいという願いと復讐したいという欲望。最後に残るのはどちらなのだろうか。


10.ランサー哀れ
 真名はディルムッド。親友の妻に「自分と駆け落ちすべし」という誓約(ゲッシュ)を課せられてやむなく駆け落ち開始。色々あった末に親友と和解するもその後狩りに出かけた時に猪(異父兄弟の化身で毒がある)の牙で突かれて瀕死の状態に。一緒に来ていた親友が治癒の魔力を持つので回復を頼んだが親友は嫉妬から治癒に失敗。ディルムッドはそのまま死亡した。

 ―――どう考えても、この人も幸運Eだ。

 宝具は「破魔の紅薔薇(ゲイ・ジャルグ)」と「必滅の黄薔薇(ゲイ・ボウ」。
 ひょっとして、白薔薇を冠する槍とか持ってません? 

 伝承によればどんな魔術も打ち払うゲイ・ジャルグを養父のアンガスから、決して癒せない傷をつけるゲイ・ボウを妖精王マナナーン・マック・リールから貰ったとの事。ちなみに彼はモラルタとベガルタという二本の剣も妖精王から貰っていますが、今回はランサーとしての召喚なのでこちらは出番無しでしょう。

 Zero中ではそのいい男っぷりを遺憾無く発揮し、同時にマスターに令呪で望まぬ戦いを強いられる不運ぶりも遺憾無く発揮してしまった。ランサーのクラスは、こんなのばかりか。
 既に真名も宝具も読者に明かされ、強すぎるセイバーにハンデを与えるという物語上の役割は全うしてしまっている為いつ死んでもおかしくない第一脱落者候補です。君に幸アレ。

 ちなみに赤い薔薇の花言葉は「愛情・熱烈な恋」、黄薔薇の花言葉は「嫉妬・薄れ行く愛」。
 ―――あるいは、彼の最後はゲイ・ボウで己を刺してしまうようなものなのだろうか?
 あたかも、伝承に於いて親友フィンの嫉妬で命を落としたように。


11.普通に強力な魔術師
 ケイネス・エルメロイ・アーチボルト。ランサーのマスター。既にエルメロイU世の所で語ってしまったのでとりたてて着目する点が無いのですが・・・切嗣の調査によると「風」と「水」の二重属性だとか。二重でも珍しがられているところを見ると、凛の属性:ぜんぶはどれだけ反則かわかる。
 強い筈なのに、その身体から漂うのはかませ犬な気配だけ。哀れなり。

 

13.青髭危機一髪
 キャスター青髭。最後の聖乙女発言からみても、多分ジル・ド・レさんでしょうな。
 フランス貴族のジル・ド・レはジャンヌ・ダルクに出会いその副官となり百年戦争の終結に大きく貢献することになるのだが、ジャンヌ・ダルクが火刑になったことが彼の何かを壊したのか終戦後は魔術や錬金術に没頭し、その媒体として血を、特に子供の血を欲し大虐殺を行ったという。
 ちなみに、彼は血と死体に欲情する性質であったようだ。
 
 さて―――彼はとりあえず今のところ触手持ちっぽい使い魔を呼び出している。
 そして、人皮装丁の魔術書を所持している。
 更に、hollowにおいてセイバーはタコを「あの斬っても斬っても果てなかった異界の邪神」と。

 ・・・ひょっとして、青髭さんクトゥルーがらみの魔術師ですか?


14.COOLCOOLCOOLCOOLCOOLCOOLCOOLCOOLCOOL(黒歴史)
 今回一番のダークホース、キャスターのマスターである雨生龍之介。魔術回路は眠っていても聖杯が提供するクラスの強力な魔力を通すと覚醒する可能性があるのはUBWルートの慎二で実証済みですが、まさかあんな適当な儀式でそれがなされてしまうとは・・・
 ゾォルケン爺さん、教育方針間違えてないですかね・・・時臣から娘じゃなくて強力な宝石貰ってきて息子に飲ませたら案外普通に魔力回路解放されたりしませんか?

 全くの事何をしでかすかわからないという点で危険人物。虚淵世界的に、大物喰いもありうるかも?


15.土蔵の魔法陣
 雨生が召喚方法について書かれた本を見つけたのは冬木にある実家の土蔵。
 魔術書、ならともかくサーヴァント召喚の術(個人によってアレンジはあるが全員似たような呪文であることを考えれば主催者側から提供されると思われる)が書かれた魔術書、なので雨生の家はかつて聖杯戦争と関わっていたのであろうと思われます
 場合によっては2次か3次に参加した魔術師の末裔なのかもしれない。ならば、召喚場所は自陣であるところの土蔵であり現在の衛宮邸がZeroでの雨生邸である可能性もあるでしょう。

 皆さんからの指摘を反映し忘れてました。彼、魔術書に書いてある霊脈の地(=冬木)へ移動しているので衛宮邸=雨生邸の線はまず無いと見ていいようです。ただし、遠坂邸の説明が冬木で有数の霊地であることから、冬木市内での霊脈の話である可能性は、一応あります。一応。

 ちなみに、hollowの土蔵話のタイトルは「アイリスの蔵」。花のほうなのか、それともこれからなにか起きるのか・・・


16.第四次の聖杯
 綺礼によれば無機物だったとのこと。セイバーがアイリスフィールをぶった切る鬱展開にはならないと思われる。油断は禁物だが。
 

17.戦闘回数6回
 セイバーによれば、第四次聖杯戦争における彼女の戦闘回数は7回未満とのこと。
 未満、なので1〜6回どれでもおかしくないのだが現在予想される戦闘を列記してみよう

 (1)VSランサー  ・・・済。未決着。小指が動かなくなる。再戦を約しているが、マスター
              同士の因縁の薄さを考えると実現しないように思える
 (2)VSキャスター ・・・向こうから狙ってくるのでおそらく発生。セイバーは対魔力Aだが、どうも召喚系
               らしいキャスターとの相性はどうか
 (3)VSバーサーカー・・・なにかセイバーに反応したらしき描写有り。銀色そのものに反応していたのなら、
                雁夜は切嗣に興味ないので無しか
 (4)VSアサシン  ・・・切嗣と言峰綺礼が戦うのは確定しているので可能性有り
 (5)VSライダー  ・・・順番不明だが確定。
 (6)VSアーチャー ・・・確定。未決着。おそらくエアも未使用

 2〜5回の戦闘は順不同。とりあえず試し斬りされる役としては頑丈なセイバーはうってつけなので全員と一回ずつぐらい戦うのではないだろうか。そう言う意味で既にお披露目の済んでいるバーサーカーとはもう戦わないかも。

 

18.予約イベント
 StayNightやhollowで語られた四次で起きた出来事のうち、まだ起きていないイベントまとめ。

 (1)三回話し掛ける
  指示も出さないスタイルのようですので、三回全て令呪使用と思われます。
  三度目は聖杯を破壊せよだから、後2回を戦闘中に使用する?
 (2)メルセデス・ベンツェ300SLクーペの活躍
  10年後にイリヤが乗ることを考えると、切嗣が乗るとみせかけて実はアイリスフィールが
  ノリノリで運転する可能性も
 (3)璃正(言峰パパ)、アクシデントで死亡
  普通に考えれば綺礼が裏切った時に殺害。場合によっては雨生の無軌道さを示す為の
  生贄にされる可能性も?
 (4)切嗣無双その1「敵マスターを騙す」
  既にアイリスを偽マスターとして使っているので全員を騙しているともいえるが、その他で
  明意に騙しをするとなると、交渉のしようがない時臣や騙されると後の展開に困る綺礼、
  騙されたりする余裕がない雁夜が除外できると思うので、ウェイバーかケイネスあたりか
 (5)切嗣無双その2「敵マスターの恋人を人質にとる」
  時臣・・・妻子もち
  綺礼・・・妻死亡、子は居るが行方は知らない
  ウェイバー・・・酒、女、睡眠、戦争のうち二つを知らない
  ケイネス・・・居てもおかしくない
  雨生・・・何の描写も無いが、根無し草なので難しい
  雁夜・・・葵に横恋慕中

  可能性としてはやはり雁夜か?  葵を人質に取ると雁夜と時臣両方に対する牽制になり、
  また雁夜の怒りを掻き立てて時臣に襲い掛かるよう仕向ける事も可能だろう。

 (6)切嗣無双その3「敵マスターを建物ごと爆破する」
  遠坂邸や教会が吹っ飛ばされると困る(出先で爆破もありえるが)ので、残りから選択。
  これやられると基本的に死亡だと思うので、劇的な死に方をしないでいい人材という
  ことでケイネス、雨生、雁夜あたりだろう。狙撃を基本手法にしている切嗣がわざわざ
  爆破を使うということは射線が通らないところに引きこもっている相手なのだろうから
  雁夜の可能性が高いように思える。
  
 (7)時臣、凛に家督を譲る
  既に済ませている可能性もあるが、現在の必勝を疑わない姿とStayNightでの死を覚悟した
  姿があまりにもかけ離れているので、何らかの挫折(璃正死亡?)で色々諦めたのかも
  しれない

 (8)璃正の支援していた魔術師敗退
  一巻にて時臣のことと判明。

 (9)セイバー、未遠川にて『約束された勝利の剣』使用
  船を緩衝材にして撃ったと述懐している。川は干上がったとのこと。
  特筆している以上エクスカリバーはそう何度も撃っていないのであろう事とイスカンダルと
  セイバーの戦闘が確定している以上、相手はイスカンダルか。
  また、使用するには小指が治癒できていなければならないのでランサーはこの時点で敗退済

 (10)イスカンダル敗退
  セイバーと戦って消耗した後、ギルガメッシュと戦って敗退とのこと。
  セイバー戦からどの程度間があくかは不明だが、案外連戦なのかもしれない。
  さらば、王様。

 (11)アイリスフィール死亡
  後に綺礼が聖杯を使用していることを考えると、綺礼が殺すのだろうか

 (12)切嗣VS綺礼
  綺礼曰く一度だけ直接対戦しているとのこと。ギルガメッシュとセイバーも戦闘している
  事と、綺礼とギルガメッシュの繋がりをセイバーが知らないを考えると互いにマスターと
  サーヴァントが別行動していたのかもしれない。

 (13)ギルガメッシュ、セイバーに求婚
  したらしい。多分彼らしい上から目線の求婚だったのだろう。
  我に所有される栄光を貴様に下賜してやろう、とか。

 (14)大火災
  セイバー&切嗣の足止めの為に綺礼が聖杯を使用。願いを曲解した聖杯は大火災を引き起こす。
  (=聖杯はその時点で出現済み)

 (15)切嗣、泥に汚染される
  手段不明。綺礼お得意の泥投げかもしれないし、あるいは聖杯を破壊した際にギルガメッシュ
  と一緒に浴びてしまったのかもしれない。

 (16)ギルガメッシュが泥を浴びる
  大火災と一緒に溢れた泥を浴びたのか? それとも聖杯破壊時にばしゃっと? 

 (17)綺礼の心臓が撃ち抜かれる
  黒心臓になってたので無事だったということは、コレより前にギルガメッシュは泥を浴びて
  いる。火災に紛れて逃げたとのことだが、案外切嗣は綺礼が死んだと思っていないか?

 (18)切嗣、セイバーに令呪を使用し聖杯を破壊させる
  聖杯の中身が『この世全ての悪』であり、理想をかなえる術がないと知って―――

 (20)セイバー消滅
  結局最後まで切嗣の真意をしらず、「何故だ」と叫びながら消滅。

 (21)切嗣、瀕死の子供を助ける
  おそらくゼロ地点。焼け野原になった町を、切嗣が救える者―――切嗣を救ってくれる者は
  居ないかと彷徨い、生きているとは言いがたいが死んでも居ない子供を一人だけ見つける。

 

19.遠坂時臣は有罪か!それとも無罪か!

以前からよく話題になっていた遠坂パパの娘トレードの是非。ZERO1巻でわかってきた
人間像と情報を元に再検証してみよう。
私が注目したのは以下の項目

時臣について
・時臣は貴族趣味で魔術至上主義(ZERO、言峰分析)
・時臣は周囲の世界が自分の認識を越えないと思っている(ZERO、言峰分析)
・時臣はうっかり属性というより、慢心属性(ZERO)
・桜を養子に出した際の態度は古き盟友の要請に応えないわけにはいかん(ZERO、葵談)
・言峰一族と懇意(ZERO)

・魔術師にしては珍しく人格者であった(SN、凛談)

桜について
・本人を魔術師にする気は無く、間桐の誰かとの子に期待(ZERO、臓硯談)
・良い母体になりそう。遠坂も馬鹿にしたもんじゃない(ZERO、臓硯談)
・引き取り後、即効蟲漬け(ZERO)
・蟲漬けにされてる事に凛は気づいていなかった(SN)
・蟲漬けにされてる事に慎二も途中まで気づいていなかった(SN)

さて、まず遠坂と間桐の関係について見てみましょう。
臓硯は桜について「遠坂も捨てたものではない」と発言しています。そして、そこを含めて遠坂家と親しかったり敬意を払っている様子は有りません。
つまり、臓硯側にはこの養子縁組をまともに果たすつもりはさらさら無いのです。実際、即蟲蔵往きにしていますし。
一方で遠坂時臣。彼は魔術師らしい魔術師。その価値観は科学技術で行える事でも魔術でできるならそちらを選ぶくらいに魔術至上であり、同時に大層な貴族趣味でもあります。
ギルガメッシュへの対応を見る限り、君主が居てそれに仕える者が居て更に支配される者が居る。そういう封建制度的な仕組みを好んでいるように思えます。
無論、それは独裁のような方向でなく、ノーブレス・オブリュージュに代表されるような高貴な者はそれ相応の義務を果たすべきというような形で現れるのですが。

それを踏まえたうえで彼の家族を見てみます。
彼には娘が二人居ます。しかし、魔術というものは一子相伝。青崎の家のケースでも
語られている通りよほどの事が無い限り伝える相手は長子に定めるようですので、
次の子・・・この場合は桜は、遠坂家にとって―――魔術一族としては無価値な子と
なってしまうわけです。
なら産むなよという気がしますが、一人しか産まなかった場合その子が魔術回路が
開かなかったり愚鈍だったりして継ぐに値しない人間だったら困りますし、また
成長する前に死んでしまっても困ります。
そういう意味で、安全策として二人産んでおいたのでしょう。
まあ、葵さんは美人らしいので、時臣パパがハッスルし―――一族に伝わる遺伝形質を、避妊という分野でも発動させてしまった可能性は否定できませんが・・・洒落にならないな。

ともあれ、実際には凛はとびきり優秀な素質を持って生まれ遠坂家の魔術を継承する事に
決まりました。
ちなみに桜も素質としては同等です。万能選手の凛と違い架空元素という特殊な属性を
持つ桜はそれ故に行き着けば天才をも凌駕する鬼才になっていた可能性がありました。
時臣パパと葵ママの種は、恐ろしく優秀・・・

そうなると困るのが桜の処遇。先の青崎家では相続できなかった姉、橙子が先代を殺して
逐電するなんていう事件もおきています。家の中で飼い殺しにしておいては魔術師として
立派になる姉と何の教育も受けさせて貰えない妹という構図から似たような事件が起き
かねませんし、かといって普通の家に養子に出すには桜の身体に眠る遠坂一族が鍛え
続けてきた魔術回路が邪魔です。教育していないとはいえ暴発の危険性は否定できま
せんし、何より一般人の間に放り出してしまっては遠坂の秘術を狙う魔術師がガードが
甘くなったのをいいことに彼女を奪うことも考えられるのですから本人のためにも遠坂家の為にもデメリットが大きすぎます。
魔術師的な合理性だけでいくと、邪魔なら殺してしまえばいいということになるのですが
とりあえず時臣にはそういうつもりはなかったようなので、没落した魔術師の家に養子に出すというのは悪くない行動であるといえるでしょう・・・というより、他に選択肢が無いのですが。

さて、それはいいとして問題は出す先です。
間桐。よりにもよって間桐。
蟲とか嫉妬とかワカメとか渦巻く、およそ今まで出てきた魔術師の家でも最悪の環境。
ここに行くくらいだったらどっかの山の中で暗殺者として蛇とか覚えさせられた方が同じ虐待と使い捨てでも悪意がないだけましという程の場所である。こんな所へ放り出すなど、まともな人間だったら考えもしないでしょう。
ですが、これは我々が読者という神の視点で語れるからこそわかる話なのです。時臣の視点を想定してみると、必ずしもそうとはいえなくなってしまいます。

先にも述べたとおり魔術は隠匿されるものであり、それぞれの研究内容、研究手法などは
秘伝として決して明かしてはなりません。
つまり、マキリ魔術が蟲による人体改造を主体にしているという事実が外に漏れているとは限らないのです。遠坂家と間桐家が親しければ知りうるのではありますが、間桐は臓硯の支配する家であり、その臓硯が遠坂家を見下している以上、内情を漏らすとは思えません。何しろ身内である慎二(見捨てられてますけど)でさえ桜が『教育』を受けてる事を知らなかったわけですし、自分が『教育』を受けてない事に絶望すらしています。さすがに慎二だってその『教育』が=蟲漬け陵辱であることを知ればあんなに絶望はしないでしょう。となれば、その秘術の隠蔽はかなり徹底していたものであると判断する事ができ、
遠坂家が把握できる範囲はおそらく聖杯作成の際に公開された事に限られるとみても良いでしょう。そして、マキリが提供した令呪の開発などから蟲使いという属性は読み取れというのは、無理が有ります。
(言峰はSNの時点で臓硯が蟲を媒介にした魔術師であり、600年前から延命していることも知っていましたが、ZEROでの遠坂家=言峰家の振る舞いを見る限りZEROの中でそれを知るのではないかと予測しています)

そうなると、時臣的には支配地の中に住んでる断絶寸前の、しかし歴史は深くかつては盟友でもあった魔術の家が継承者が居ないんで助けてくれと頼んできたというだけの話になってしまうのだ。
そして、要請そのものも臓硯が語ったかどうかは定かではありませんが、魔術師にするのではなく次代に期待しての母体として娘をくれという内容です。

そうなると、時臣の思考としては以下のようになる。
 ・領地内の元名門が頭をさげている→貴族として困ってる者は保護する義務がある
 ・滅びかけてるけど間桐は名家だ→貴い血を再興させる子を産むのは名誉だ
 ・魔術師にはしない。母体として期待→修行とか無い。嫁にとるなら大事にするだろう

断る理由は作れるのでしょうが、ありません。結果として最悪の判断ですが、彼の判断を悪意によるものと解釈するのは無理があるように思えます。
もうちょっと良く考えればやばそうな点はいくらでも見つかるはずなのですが、何しろ時臣は慢心が過ぎる人であるし周囲もまた自分と同じように誇り高いと思ってしまっている。貴族趣味の魔術師。良くも悪くもそうであるが故にはまってしまった陥穽と言えるでしょう。
このあたり、士郎が魔術回路の扱いを勘違いしていた事を切嗣が把握してなかったのと同じかもしれません。誰にだって想定の範囲外はあります。

間桐が桜をどう扱ってるかについて時臣は知らなかったという事への傍証として、娘の凛は遠坂家を継ぐに必要なことを色々と教えられているにも関わらず妹は間桐の家でまともに暮らしていると思っていた事もあげられるでしょう。
凛はSN開始前から桜の事を気にしており、学校でも遠巻きに眺め、(養子に出す際に間桐家が言ってであろう通りに)魔術師にもされていないことも確認していました。笑顔が無いのは気になっていたのでしょうが、自分のあげたリボンもちゃんとつけているし、1年前から特定の男の前では笑顔も見せるようになった事も確認してるくらいに観察をしていますが、それでもその裏でワカメと臓硯にあんな目にあわされているとは思いもしなかったようです。
このあたり、我慢強いという桜の美点が裏目に出てしまっていたのかもしれません。
おそらく凛の性格からして、間桐の虐待を知っていれば確実に殴り込みをかけるでしょうから。なにせ慎二を躊躇無くぶん殴った女傑であるわけですし。

故に、凛が蟲漬けの事実を知らない以上、彼女に当主として振舞うのに必要な情報を伝えた時臣もまたそれを知らなかったと判断できるでしょう。
領内の魔術師の現状などという管理者として最重要な情報が伝わっていない筈は無く、にも関わらず凛の認識は『間桐家=没落、魔術師おらず』という認識だったのですから。

おそらく、時臣的には世間一般の幸せとは違う形でも桜は魔術師的に名誉ある生き方をし
てると思っていたのでしょう。
―――聖杯戦争にて破れ死ぬまで。
―――場合によっては、そこで蟲に犯され変わり果てた雁夜と対面するそのときまで。

それにしても、雁夜が間桐の秘密を早いうちにぶちまけてれば未来は変わったかもしれないのだが・・・残念なことに彼と繋がりがあるのは時臣ではなく葵の方であり、時臣とは互いに面識はあったのかもしれないが少なくとも嫉妬心が邪魔して信頼するどころではなかっただろうから無理な話か。
そもそも、魔術自体を嫌って東京へ行ってしまったのでもあるし。

結論としては、やはり時臣は『魔術師にしては人格者』であったと言えよう。放っておけばいいものを高貴な者の義務だと他の家を助けてしまい、そこに悪意があったと見抜けなかったのだから・・・
無能とは言ってはならない。ちょっと言いたくなるが言ってはならない。臓硯の600年にわたる奸智には劣ったと思っておいてあげたい所である。

(尚、ZEROでの勝利を疑っていない姿がSNにおける死を覚悟した姿に変わる原因が
 雁夜であるという可能性もあるだろう。それまで信じていた『誇り高き魔術師』
 という幻想が、蟲による人体陵辱を含む『本当になんでもあり』の間桐の実態に
 よって砕かれ、そこへ娘を投げ込んだという決定的な失策を悟ればそりゃ自分の
 無能っぷりにがっくりもくるというものであろう。哀れなり)