「・・・っていうかなにやってんだ遠坂!」 
「だ、だれなのかしらそれは。わたしはさえぐささんだほにゃ」
「ああ、その和む語尾は確かに三枝さん・・・
 って騙されないぞ遠坂ッ! そんな癒し系オーラをどっかから調達してきても俺には通じないっ!」
                   マイラバー
「くはははは! よくぞ見破った我がゴム! 平行世界の向こう側には癒し系のわたしも居るらしいのねー!」
「カレイドステッキまで持ち出して慰めようっていうその心意気! 感動したッ! でも羞恥心は!? 羞恥心はどこへ!?」
     恥じらい
「馬鹿め、奴は死んだわ! さあさあこの胸に飛び込んで思う存分癒されなさい士郎ッッ!」

「よいやさぁっ! うむ、ゴチンって音がした!」
「緩衝材がないものねってほっときなさいよハニー! 愛よ! 固い愛があなたを受け止めたの!」
「そうか! 愛は本当不思議さ! なんかさっきまでと世界が繋がってないような気もするけどこんな結末もいいさシナリオはひとつじゃないよな!?」
「裏道巡るのだって悪くないわよね! 話がわかるじゃない! さてはあなたもわたしが好きなのね!」
「おう! 結構ヤケだけどキスしちゃったとか照れ怒るとか諸葛凛とか
 ―――つぅかおまえが大好きだ! おまえに夢中だ、リぃイイーンッッッッ!!」


「・・・うん、わたしもだいすき」

「ちょ、いきっ、いきなり素に戻るの禁止だろ遠坂!」
「あ、ごめん。ちょっと素直に嬉しかったから―――えっと・・・というわけで宝石エンジン再起動臨界突破! さあ、夫よファイトだ! 頑張って我を幸せにせよ!」
「まかせとけ! 別におまえと幸せになりつくしてしまっても構わないんだろう?」
「答えを得たわね! そう、答えはいつもわたしの胸にあるのよ!」
「そこは華麗にスルーだ! あ、そういえば率直に訊くけど俺の家に籍を入れるのと遠坂の家に籍を入れさせるのどっちがいい? 衛宮家に籍を入れるなら>>14へ、遠坂家に俺の籍を入れるなら>>14へすすめ!」
「そうねぇ・・・ああ、大切なコトを言い忘れてたわ。嫁ぐ前に、一つだけ教えなくちゃいけないことがあるの」
「なんだ? これからどこへ行くみたいな気軽さで」
「―――うん。
 初めに言ってくとね、わたしは借金まみれなんだ」
「―――うわ、金額すげえな」
「バーサーカーの時の宝石代の穴埋めだけどね・・・あの頃は借金のない綺麗な身体に憧れていたわ・・・」
「なに言ってるんだよ。遠坂の身体は綺麗だぞ」
「あ、うん。ありがと・・・じゃなくて、借金っていうのは期間限定でね。時間が経つと無くすのが難しくなるの。今では利息を払うので精一杯のありさまよ」
「そっか。それじゃしょうがないな。
 うん、しょうがないから俺がガンガン稼いでやるよ。遠坂の魔術は物を消費する方向だから無理だけど、俺なら造る側だからたぶん大丈夫だろ。まかせろって、奥さんの借金は―――俺が、ちゃんと完済にしてやっから」
「・・・ああ、安心した。それじゃあその分いろいろサービスするわよ!? 胸はなくとも髪は錦! ほぅら、巻きつけて擦ったりすると・・・」
「ふ、ふわふわで完璧だ! ・・・うっ!」
「今朝も元気ね士郎! よぅし! それじゃああなたの剣を綺麗にしてから籍を入れてわたしの人生ゴールインよ!」
「愛深きもの、汝の名は衛宮凛なりぃぃぃい! それじゃあ始めるぞ! 互いを欲する二人が愛し合う泥仕合、おまえと俺のラブラブゲーム!
 題して―――!」
「結婚生活ね」
「赤の遠坂さん、言ってしまわれたか! 何故溜めを作らない!」














「……………………」
「……………………」
 将来の練習を終えていやというほど冷静になる二人。

「じゃ、学校に行こうか」
「気が向いたら屋上で続きをやりましょうね」





「どうでもいいけど、毎朝やって疲れないの? シロウ。リン」
「「全然」」

「・・・そ」




 前略、キリツグへ。もう少しでわたしもそっちに行きそうだけどとりあえずそれもいいかなぁなんて最近思っています。

 現世、けっこーつらい。っていうか疎外感?

「イリヤ、シローの娘になればいい」

「あ」