型月的変態魔術師名鑑

蒼崎 青子 青の魔法使い/マジックガンナー・ミスブルー/人間ミサイルランチャー/先生
<出典>
『魔法使いの夜』(未公開)主人公にして月姫のはじまりとおわりを司る「先生」。そしてMeltyBlood-ReActの元凶。
   
<人物設定>
 直死の魔眼所持者である遠野志貴の『せんせい』にして、究極の人形師蒼崎橙子の実の妹。橙子の事務所にこれまた直死の魔眼を持つ両儀式が入り浸っており、妙に直死と縁がある人間関係を持つ。
 アオアオと続く自分の名前が嫌いで、フルネームで呼ばれると怒る。志貴に「先生」と呼ばれているのはこれが原因とのこと。
 魔術教会認定称号のうち最高位である三原色の一つ、青(明言無しだが多分これ)を所持。これは姉の橙子も狙っていた称号らしく、本人の意思はどうあれ横取りの形に。本来長子が引き継ぐ筈の魔術刻印を姉の橙子を抑えて相続していることもあり姉妹仲はは殺伐としている。この場合の殺伐は、文字通り殺したり討伐したりを含む。月姫の作中で一度顔を合わせている筈だが、果たしてどうなったことやら。青子は無傷で帰ってきたし橙子は基本的には不滅の魔術師だから双方無事だとは思うが・・・事務所全壊くらいはいったかもしれない。哀れなりコクトーくん。
 本来魔術は一子相伝であり、長子以外は魔術教育を受ける事すら稀であるという。その環境下で青子は偶然に魔法へと辿り着いてしまい、おそらくはそれを理由に蒼崎の当主と認められたと思われる。要はブリュンスタッド城を空想具現化で作れれば真祖の姫と認定されるのと同じ要領だ。
 志貴ビジョンではだいぶ美化されており人格者のように思えるのだが、実際の彼女は放浪者だったりホテルの部屋で擦り切れたテープを聴いてトランスしてる人だったり男に首輪つけて飼ってた過去があったり姉妹揃って焼肉屋大帝都の大食い記録ランカーだったりと傍若無人。まあ、魔術師にまともな人格を望む方がおかしい。
<行使魔術>
 魔術師としてのタイプは衛宮士郎と同じ一点突破型で、基本的な魔術のスキルは低いが破壊に関してのみ抜群の能力を発揮する。攻撃特化のその性故に、ついた渾名は「マジックガンナー・ミスブルー」。時には「人間ミサイルランチャー」等と言われることも。『青子が使える魔術』が破壊のみなのか、蒼崎の魔術刻印の中身も破壊一辺倒なのかは不明。MeltyBlood-ReActでの一件を考えれば刻印を使えば色々出来てもおかしくは無い。
 一個人としての(オドの使い方、という意味か?)魔力利用が異常なまでに上手くその効率は常人の約100倍。ノタリコン(省略法?)を基本とした魔術を行使し、その高速詠唱は『無限回転』と恐れられている。おそらくは大規模な攻性魔術をシングルアクションでぶっ放し続けるのだろう。それも延々と。イメージ的にはFateのUBWルート序盤、キャスターが地上に向けて魔力弾を雨のように降らせていたのを想像すればニアピンであると思われる。
 ちなみに、魔力切れが殆ど無いという点ではシエルと共通ではあるが、あちらはタンクそのものが大きく、青子は省エネ型であり原理は全く違う。

 青子は世界に4人(5人説有り)しか居ない魔法使いの一人であり、『魔法・青』と呼ばれるものを所持している。何番目の魔法であるかは確定していないが、現状第四魔法説が有力。尚、この魔法が何を為すものなのかは完全に謎。当人の資質は破壊拠りなので破壊系(因果破壊とか言葉破壊とか直死でも殺せなさそうなものを壊す系統)とも考えられるが、この魔法自体は彼女のものではなく何代か前の蒼崎家当主が辿り着いたものであり、同じ一族の橙子が本来の跡継ぎであり彼女は物造り方面で大成していることを考えると可能性は多岐にわたる。

フォアブロ・ロワイン 彷徨海の鬼子
<出典>
月姫アルク・シエルルート中ボス。MeltyBloodK/L/Mルート中ボス、Nルートラスボス。
・・・厳密には、もう違う人になっているが。
   
<人物設定>
 この名前では違和感があっても、吸血鬼化した後の名前(通称なのか?)である『ネロ・カオス』で呼べば誰もが知ってる獣教授。
 生前は魔術協会三大部門の一つ、彷徨海に所属する魔術師であったようだ。北欧出身だから地元の協会に入ったのか、はたまた彼の求める魔術が研究されていたからなのかは不明。スタンダードな『時計塔』、武器開発の『巨人の穴倉』ときたら、人体改造の『彷徨海』だったりする可能性もあるが、現状ここが何をしているのかのデータは公開されていない。また、彼は『彷徨海の鬼子』と称されているが、それが彷徨海の方針と異なる研究をしていたからそう呼ばれているのか、はたまた吸血鬼となってしまったが故に道を外れたと言われるのかも不明。いずれにせよ、アトラス院長だった  がその名を知っていたあたり、それなりに有名であったようだ。
 ネロ時代の彼は体格こそごついが基本的には頭脳労働者。個性が磨耗してきていることと合わせて落ち着いた雰囲気をかもし出しているが不条理嫌いでわけわからん事に遭遇するとキレる。そして、それ故に消滅してしまった。やはり、吸血鬼であっても短期は損気だ。死の線なり点なりを物理的に攻撃しなくてはいけない直死の魔眼に対しては、拘束系である創生の土は有効な技だったのだが・・・
<行使魔術>
 生前の魔術は不明。ネロ・カオスとしては固有結界「獣王の巣」の常時発動という離れ業を見せる。
(注:以下、ソース無し。推測です)
 フォアブロ・ロワインが何故死徒となったか。彼の盟友でもあるミハイル・ロア・バルダムヨォンは自らの研究を完成させるには人間の寿命では足りないと考え死徒になったが、フォアブロもそうなのだろうか?
 可能性としては否定できないことではあるが、月姫中でネロ・カオスが語った「自分の中の混沌を系統立てることが目標」という言葉が生前から継続した研究テーマであるとすれば、『獣王の巣』の常時展開というのがフォアブロ・ロワインの研究の第一成果である可能性がある。
 己を魔術師と名乗る者は、例外なく根源を目指すという。己の人生全てをそれに費やしている荒耶宗蓮から、どう考えても現世利益を重視しているアルバまで様々ではあるが、最終目的としては皆それを目指しているようだ。フォアブロ・ロワインもまた根源を目指していたのだとすれば、666の獣の因子を持ち様々な生物にも変化しうる混沌の海という『獣王の巣』の中身はかなり根源に近い位置にある。現状こそランダムに獣が飛び出してくる文字通りの混沌ではあるが、完全に制御できるようになればそれはまさに生命の根源。後天的に両儀式に近い属性を得ることになる。
 しかし、人体の中は抑止力の対象にならないというルールが完全であれば修正にさらされないとはいえ、固有結界を魔術として行使するならば当然に魔力が消費される。修正無しの状態でどの程度の燃費なのかはデータが無く不明だが、短時間しか展開できないのでは観測にも実験にも差し支えるし、せっかく系統だってきた混沌がリセットされてはあまりに悲しい。完成し、根源に辿り着いたのに魔力切れなんてことになれば精神的に再起不能確実だろう。
 だが。それは魔力を消耗して固有結界という魔術を構築する場合の話だ。そもそもが『本来の』固有結界は精霊や悪魔の持つ能力であり、限られた魔術師のみがそれを魔術で再現することが可能なもの。つまり、魔術師の固有結界は当然に魔術だが、超越種が能力として行使する固有結界は魔術ではない。型月世界においては超能力がコスト無しの永続技能となっていることが多く、このルールが適用できるならば超抜能力としての固有結界はコスト無しで展開できるのかもしれない。そうであれば、後は世界からの修正によって壊されなければ良い。人体内に展開するという裏技と合わせれば永続式固有結界『獣王の巣』の完成となる。

黒桐 鮮花
<出典>
空の境界準レギュラー
   
<人物設定>
 「空の境界」主人公の一人黒桐幹也の妹で、義理の妹とか妹的存在とかといったよくある逃げをうたないピュアイモウトタイプ、日本語に訳して純妹大吟嬢であるにもかかわらず実の兄に男女の深い愛情を抱く禁断好き少女。そんな彼女の起源は蒼崎橙子の見立てによれば「禁忌」だとか。
 頭脳明瞭、容姿端麗、運動神経抜群と非の打ち所の無い優秀さを見せるが、兄を振り向かせる為に実家を離れて妹っぽさを抜こうとしたら不在の間に兄を他の女にとられたうっかりさんであったりもする。
 本編終了の時点で、兄幹也には実質的に恋人と呼べる式がおり、本人に気付かれて無い片思いというスペースですらどうもラブ臭が漂う藤乃と同居という敗色濃厚な恋模様だが、もとより禁忌に惹かれる彼女の事、寝取りも不倫もオールOKだろう。頑張って欲しい。
 ちなみに鮮花が魔術を習ったのは式退治の為らしく、能力的な問題もあるが根源を目指しているわけではないようだ。そういう意味で、彼女は魔術師ではなく魔術使いと呼称されるべき存在である。  現在は全寮制の礼園女学院に在籍しており、学内で発生した怪事件を両儀式と(双方嫌がりながら)コンビを組んで解決した経験あり。
 余談だが礼園女学院の学園長の名はリーズバイフェといい、学園長室にはバイオリンのような形のものが飾ってあると言う。あからさまに錬金術師シオン・エルトナム・アトラシアと共闘した教会所属の騎士リーズバイフェと思わせる(彼女の主武装はバイオリンっぽい形の槍鍵)設定だが、どうも空の境界と月姫、Fateはそれぞれ平行世界のようなのでリーズバイフェが同一人物だったとしても礼園が教会関連であるとは限らない。
<行使魔術>
 黒桐家は一般人の家系であり、鮮花は突然変異的に生まれた魔術師である。蒼崎橙子曰くそのようにして生まれた魔術師は汎用性に欠ける代わりに一点突破的な超伐能力を持つことがあるらしく、鮮花は炎の魔術に関してのみ素晴らしい才能を見せる。この辺り、全く同じ境遇の衛宮士郎を連想させるがあちらには色々と特殊な増幅があるので本当に同じタイプとは言い切れないかもしれない。
 本編中では火蜥蜴の皮で出来た発火手袋を使っての焼殺というどこぞの国家錬金術師か歴史が違う古武道っぽい魔術を見せた。一音節で発火できるあたり只者ではないが、現状ではそこまでが精一杯、道具のサポートなしでは魔術を制御しきれていない。
 それでも、修行した時間と現在の階梯を比較すれば順調に成長していると言えるのだが、彼女の師匠たる橙子は超一流の魔術師ではあるが行使魔術はルーン、専攻は人形作りだ。本人も攻撃系魔術は学んで無いと独白しているので、戦闘手段として魔術を学ぼうとしている鮮花の今後の教育環境が危ぶまれる。順当に行けば時計塔留学コースだが、それにしては基礎を学んだのが封印指定魔術師というのがネックになる。下手をすれば師弟ともども追われる身になったりしないだろうか。まぁ、橙子の知り合いの魔術師経由が妥当だろう。
 もう一つの手としては、他の師匠を探してみると言うのも一つの手かもしれない。幸いなことに、本編には彼女の適正にぴったりの師匠が存在する。血筋・魔術共に橙子のお墨付き、発火点無しで鮮花を上回る炎の魔術を連発で放った栄光あるシュポンハイムの次期院長・・・そう、コルネリウス・アルバだ。

ヘタレだし、故人だけど。
・・・ごめん、無理言った。無理言った。二回言った。

コルネリウス・アルバ 炎遣い/人形師/赤ザコ
<出典>
空の境界、雑魚。
   
<人物設定>
 魔術師ハインリッヒ・コルネリウス・アグリッパ・フォン・ネッテスハイムの直系にして時計塔系列の組織シュポンハイム修道院の次期院長を約されている大物魔術師。その実力は二秒に満たない詠唱で大規模な発火を起こせるレベル。ルーンの遣い手であり、また人形の制作においても非凡な才を見せる。
 まさに天才と呼ぶにふさわしい彼なのだが、ルーンを使う人形師という道を歩んだのが致命的なうっかりであった(462GUk)。やはり、魔術師が赤い衣を纏うには相当の覚悟が要る。
 学院時代に出会った蒼崎橙子が自分と同じスタイルであり、かつ自分より遥かに優れた人形師であることを認識しまったいことから劣等感にさいなまれる事になり、哀れ天才学生は一人前になるころにはすっかり全身から小物臭を放つようになってしまったのであった。
 間桐慎二あたりと似た境遇だが、おそらく二人が顔をあわせたらアルバは全力で慎二をあざ笑うだろう。どこまでも上へという、魔術師としては平凡な夢を持っている彼にとってどうしても越えがたい壁がある状況は耐えがたく、それによって生じるストレスを己より下と認識した者を虐げることで解消するしかないのだから。(この精神的な悪癖は一般社会でもよく見られるものであり、それが故に彼は愛されるキャラなのかもしれない)
 悲願である橙子越えを成し遂げる為、旧友荒耶宗蓮の計画に協力。実力では敵わなかったものの荒耶が代わりに彼女を戦闘不能にしたのでトドメを刺すべきと提案、しぶる荒耶から仮死状態で切り離された頭部を譲り受ける。その際に禁句である『傷んだ赤』を口にしてしてしまったのが運の尽き。(いや、既に残量0のまま突っ走っていただけにも思えるが)
 『次の』蒼崎橙子の襲撃を受けたアルバは、彼女の使い魔によって欠片も残さず食い尽くされることになった。最後の瞬間に、橙子の異常性と己の正常性・・・つまりは小物っぷりを自覚して。
<行使魔術>
 先にも告げたとおり対人攻撃としてなら十二分な威力を持つ魔術を即座に行使する事が出来、一度起動すれば同レベルの魔術をシングルアクションで起動可能。これは橙子が知っている次期には出来なかったものを、自己研鑽で改良したものとのことで才能も努力も一級品。
 人形造りに関しても人間の似形として儀式の一環として使えるレベルのものを大量作成しておりこちらも一流だ。かの荒耶宗蓮が採用したことからもその精度が伺える。完璧主義の彼のこと、人間の代用として少しでも欠陥があればボツにしている筈(いや、何度もボツを喰らって泣きながら作り直した背景があるのかもしれないが・・・)